豆知識

貴方の家は、どのタイプ?
「換気って何?」その4 換気システムの種類


今まで、換気に関する周辺情報をまとめてきました。
今回は、換気方法に関してです。
■これまでの話
今まで話してきたことは、大きく次の二つです。

一つ目は、今の日本の家屋が、エアコンを使うために「省エネ住宅化」したこと。
極めて密閉度(気密度)が高いので、隙間がほとんどありません。

二つ目は、「外気の汚染」と「生活習慣の変化」により、窓を開けなくなったことです。
気密性が高い上、窓を開けない。
これでは昔から行われてきた自然換気が使えません。

三つ目は、換気の役割。
人は酸素を消費。二酸化炭素を出します。
人間はバランスの崩れた空気の中では生きて行けませんから。
また人間は湿気も放出しますので、湿度も上がります。

夏はエアコンが除湿器として働きます。
が、除湿は基本温度を下げる熱交換ができて可能になることですから、冬場は効きません。

「冬場は乾燥しているから大丈夫。それより、インフルエンザ対策として加湿。」
という人もいますが、冬は絶対湿度が低いですからね。
加湿過ぎると、すぐ結露します。
そうすると、カビてします。
つまり、空気中のカビの胞子の含有量が増え、健康に悪さをするというわけです。

換気はこれらを防ぐため、非常に重要というわけです。

 
■換気の種類
換気は、機械に頼らない自然換気、そして換気扇を使う強制(機械)換気に大別されます。
しかし、自然換気は使えないので、強制換気が普通になります。

この強制換気、三つに分かれます。
一つ目は、第1種換気設備。給気、排気共に換気扇で管理します。
二つ目は、第2種換気設備。給気が換気扇、排気は自然換気です。
三つ目は、第3種換気設備。給気は自然換気。排気は換気扇です。

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パナソニックのホームページより転載


三種あるポイントは、室内圧です。
第1種では、入れた分だけ出すわけですから、室内圧はあがりません。
その代わり、換気扇数が増えますので、コストが掛かります。

第2種では、空気を強制的に入れるわけですので、部屋の気圧は上がります。
隙間より空気が逃げて行くということです。
逆に言えば、ドア、窓を開けても、花粉などの物質が入りにくいということです。
しかし、室内で加湿された空気が、全ての隙間に入り込むことになります。
つまり、普通なら結露しない所まで結露すると言うことです。

第3種では、排気のみ換気扇ですので、室内の気圧が低くなります。
負圧ですので、ドア、窓を開けると、隙間からどっと空気が室内に流れ込みます。
普通、ドアを開けたり、窓を開けたりすると、換気となるのですが、一方的ですからね。

 
第3種は、台所の換気扇をイメージされると思います。
あれは、局所排気装置としての換気扇ですので、ものすごく勢いがあります。

換気は、それをものすごくゆっくりしたものです。
よく映画などで、ビルの中に大きなファンがゆっくり回っていますよね。
あの感じです。

 
■今からは、第1種換気が主役
換気を自分の管理下に置くという意味では、第1種換気がお勧めです。
いろいろな方法が可能ですから。

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汐留パナソニック・センターにある、リフォーム・パークに展示してある換気モデル。
ピンクの風車が換気扇を示す。


ただ、いろいろと考える必要があります。
基本的な能力もそうですが、他の空調家電、エアコン、空気清浄機、加湿機とのマッチングが必要です。

また、強制換気は、自然換気を否定しているわけではありません。
窓を開けての換気も考慮しなければなりません。
価格、ランニングコストも考える必要があります。

実は、新築なら兎も角、建てられた家に対する換気は非常に厄介です。

 
省エネハウスを、健康ハウスにするためには、必要なことです。
しかし、便利になる一方、財布と環境への負荷は増す一方ですね。

 
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2015年3月9日

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