レポート

買い換えの電気ケトルを求め、2018 春 ティファールの3機種を試す。
〜その1「ティファール アプレシア エージー・プラス コントロール 0.8L」


2014年から愛用している、ティファールの電気ケトル「アプレシア プラス」も少々祷(とう)が立ってきました。ということで、職業柄、チェックを兼ねて、最近のティファール電気ケトルをテストしてみました。
まず最初は今使っているモデルです。

■アプレシア プラス 0.8L(以下プラス)(2012年07月発売)

使用中の、T-fal アプレシア プラス。
シンプルこの上ない電気ケトル。


今のモデルに比較すると、すっぴんとも言える電気ケトルといえます。
愛嬌のあるちょっとふっくらしたデザインは、雌鳥のようでキッチンにピッタリ。未だに飽きが来ません。沸かすだけのシンプルモデルは、必要な時にお湯をせっせと沸かしてくれるし、扱いも楽。これ以上何を望もうかという雰囲気です。

最近話題の「電気ケトルは危険」などは、このフランス娘の前では、どうでもいいような感じがします。
まず、そもそもフランス人は床にケトルを置きません。その上、丈夫で長持ちが大好き。フランスはオシャレというイメージが強いですが、イタリアとは違います。無駄なオシャレはしません。浪費を続けた王室に革命を起こしたような国です。そんな彼らはオシャレは、オシャレのためのオシャレではなく、生活を豊かにするためのオシャレです。

右手のスィッチを入れるとお湯が沸く。
使い方も単純。


私もフランス車に乗っていましたが、エアコンなどはトラブルが発生するのに対し、エンジン、足周りは実にタフ。10万キロでもやつれませんでした。アフリカのサハラ砂漠では、中古のフランス車が数多く走っています。元植民地だからなのですが、不思議と壊れる話しも聞きません。フランスの実用品は、そんな感じです。そんなわけで、変な機能がまるでない、T-falのアプレシアは、極めてフランス的なモデルと言えます。

フタを挙げた所。フタを本体から外すことはできない。


注ぎ口のフィルター。


いろいろな意味で「原点」と言えるようなモデルです。

 
■アプレシア エージー・プラス コントロール 0.8L(以下 コントロール)(2017年3月発売)

T-fal アプレシア エージー・プラス コントロール。
プラスが白い雌鳥だとすると、こちらは黒い九官鳥!


上から見るとつくづく鳥面(とりめん)。


■エージー・プラスの意味
今回チェックしたモデルの中で、真っ先にいいなと思ったのは、「アプレシア エージー・プラス コントロール 0.8L」(以下コントロール)。
名前のエージー・プラスは、Ag+。銀イオンのことです。古来、王家は銀器を用いてきました。それは高価であることだけが理由ではありません。「衛生」と「毒味」が大きな意味を占めます。ヨーロッパは、上下水の発達が遅れ、何度となく、ペストの大流行に見舞われています。風呂にもあまり入らず、その分発達したのが「香水」なのは有名な話しです。
それと共に使われたのが「銀器」。銀の皿、カトラリーです。ビクトリア・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」の冒頭、ジャン・ヴァルジャンは、ほどこしを受けた教会で、晩餐に使われた銀器を盗んでしまうのですが、どこの誰とも知れぬジャンに銀器で食べさせたのは、「安心して食べられますよ」と言うお・も・て・な・しだったようです。

電気ケトルは、水にドボンと浸けて丸ごと洗うようには設計されていませんので、ケアは面倒くさいのです。このため菌が繁殖にしくい、この様な仕様は嬉しいです。ちなみに、水は全部捨てることが重要です。日本は空気中の黴菌の数が余所より多い。しかし、水を捨てて乾かせば、安心というところです。

 
■目玉は、温度コントロール
目玉は、名前にコントロールとある通り、「温度コントロール」。100、95、90、85、80、70、60℃の7種類の設定ができます。これは喫茶好きには堪りません。特にお茶は銘柄により、抽出温度を変えた方がいいとされます。
コーヒーを含め、飲み物の温度一覧表を作ってみました。

まずイイのは、いろいろなお茶の範囲をカバーしていることです。日本茶、中国茶各種、そして紅茶もです。お茶に取って香りはすごく重要です。その馥郁たる香りは、抽出するお湯の温度によっては飛んでしまいます。しかもデジタル設定で勝手に調整してくれるので、手間も掛かりません。

コーヒーのドリップ抽出は、豆、しかも焙煎で微妙に変える必要があります。ミディアム、シティ、フレンチなどは焙煎の状況。
ただ、注ぎ口は、ドリップに適した形状ではありません。ドリップするなら、お持ちのドリップ用のケトルに湯を移してください。お湯は移すと、5℃位温度が下がるとされていますので、+5℃設定温度を上げてください。

ポット内の温度センサー。


それにもまして、いいなと思うのは、赤ちゃんのミルク用としてです。赤ちゃんのミルクはほ乳瓶の消毒を含め各家庭知恵を使います。
消毒は今、電子レンジで「チン」が流行のようです。電子レンジは、水を発熱させ温める方式ですので、煮沸消毒と同じ。ただ手間としては、かなり楽です。

ミルクも、当然作りおきなどできません。その都度です。
衛生のために、厚労省は、70℃未満のお湯でミルクを作るのを推奨していません。しかし沸騰した100℃で作ると丁度イイ温度に冷めるまで時間がかかります。赤ちゃんは、ミルクをねだって泣きに泣きます。肺の発達をうながすためにはイイと言われてもいますが、夜中は「勘弁してよ!」となります。
が、85℃だと、沸くのも速いですし、丁度イイ温度にもし易い。正直、子どもが赤ちゃんの時、欲しかったです。
特に一人目は、夫婦揃って毎日がパニックの連続。電気ケトルで楽できるなら、それにこしたことはありません。

 
あと、60分なら、保温もできます。

 
■湯沸かし器としての実力は?
0.5L、0.8Lで、プラスとコントロールの沸騰時間(100℃)を比べてみました。水温は21℃です。
結果は、全く同じで、0.5Lで3分ジャスト、0.8Lで4分20秒でした。
熱システム、また、ポット自体の構造に差がないことが分かります。
また、設定温度が低くなると、当然ですが時間は短縮されます。お茶の場合は、省エネ寄与。赤ちゃんの場合は泣き時間短縮が望めます。

 
■操作

コントロールの操作は、本体ではなく、全て台で行います。直感操作が可能です。ブルーの温度表示がでれば、動作しています。コンソールを確認するとどうなっているのかが、分かります。

各種表示。左上)スィッチON直後。温度が表示される。
右上)左上のスィッチを数回押して、85℃にセットしたところ。
左下)左下のスィッチを押して、沸騰させているところ。
右下)左上のスィッチで温度セットした上で、右下のボタンで保温を選択したところ。


その温度になると、鳴って知らせてくれますが、そんなに大きな音ではありません。個人的にはもう少し大きくてもと思います。

 
■メンテナンス
家電ですので、当然どっぷりと水に浸けて洗うという芸当はできません。ただ、水を入れるところから手を入れて中をあらうことはできます。プラスと違い、コントロールは本体とフタがつながった構造になっていないので、手首の動きを妨げません。
むしろ重要なのは、薬罐と同じで、水を入れっぱなしにしないことです。黴菌が繁殖を防ぐためでもありますが、錆びることを防止する意味もあります。

 
■総評
「電気ケトル」と「ガス&薬罐」を比較した時に、電気が優れていることが幾つかあります。
一つは簡便性。今日、電気ケトルが幅広く便利とされている理由です。次に、温度コントロール。火では難しいですが、電気では簡単です。コントロールは、電気機器の長所をふんだんに取り込んだ電気ケトルと言えます。

お勧めしたいのは、独身女性です。お茶を自在に楽しめますし、子どもができてからも活躍できるからです。少々値は張りますが、それなりの売価で収まっていると思います。

その意味では、結婚式のプレゼント、赤ちゃんが産まれた時のお祝いにもイイかも知れません。

この愛嬌がある九官鳥顔で、ゆとりのある生活というのは、いかがなものでしょうか?

 
商品のより詳しい情報は、クラブ ティファールのホームページにてご確認ください。
http://www.club.t-fal.co.jp
 
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2018年3月27日

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