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三菱、冷”凍”したカット野菜がほぐして使える「切れちゃう瞬冷凍A.I.」搭載の冷蔵庫、MX・MBシリーズを発表(2019年モデル)【太鼓判継続】


三菱電機(株)から、冷蔵庫「置けるスマート大容量・野菜室が真ん中」シリーズの新商品として、AI(人工知能)がユーザーの生活パターンを予測して自動制御する「切れちゃう瞬冷凍A.I.」を搭載した「MXシリーズ」3機種と、「MBシリーズ」1機種の計4機種を2月21日から順次発売されます。今回の「切れちゃう瞬冷凍」、テーマは前モデルに引き続き「野菜」です。

発売予定日と市場導入予想価格(税抜)
MXシリーズ:2月21日。57E:約40万円、50E:約36万円、46E:35万円
MB45E:2月26日、29万円


野菜の扱いが、難しいとお考えの人は多いと思います。肉のように「g」とか、魚のように「切り身」ではなく、野菜は「丸ごと」が当たり前。この大きさが一定しないことから始まり、洗わないとダメ、皮むかないとダメ、キレイにカットしないとダメ。しかも刃の使い方も、いろいろあります。刺身を除く、肉、魚は「焼き」がメインですですが、野菜は全部がメインと言っても過言ではありません。

そのためでしょうか、共働きだけでなく、普通の主婦の方もスーパーなどで売られている「カット野菜」を利用している人が増えているとか。世帯構成人数が少なくなる今後、この人数はますます増えることと思われます。

カット野菜の需要量は年々増加。内、約40%は専業主婦。


さて、そんな野菜に対しへの優しさが、今ドキ冷蔵庫のキモです。野菜室(冷蔵)で一週間の鮮度キープが今までのトレンド。多くのメーカーが、この域まで達しています。冷蔵庫の第一人者で、昨年に上市した冷蔵庫「置けるスマート大容量・野菜室が真ん中」シリーズの今年のモデルは、野菜に対し「冷凍」を優しくすることでした。

MR-MX57Eの野菜室。取りやすい位置にある上、立て野菜、大物野菜、中物野菜、小物野菜と、
分けて冷蔵できる工夫がされている。


 
■冷凍に弱い植物
動物と植物、どちらが冷凍に強いでしょうか?
答えは「動物」です。これは明確な理由があります。冷凍=凍る場合、水分は基本的にカサ増しされます。そのため、細胞が一部破壊されとなるのですが、動物と植物では細胞の作りが違うのです。

動物。動く物と書く動物の最大の特徴は動くことです。このため、細胞もしなやかでなければなりません。細胞は「膜」で覆われて保護されています。一方、植物。動物と違い、ゆっくりと時間をかけて成長する彼らは、巨大になります。数十メートルの高さを誇ります。建築なら中に鉄筋を入れなければ怖いレベルも彼らは平気で、成長します。これは彼らの細胞が「壁」で覆われているからです。「セルロース」という言葉を聞いたことがあると思います。セルロース(植物繊維)が、この「壁」です。この硬質な部分を持っているので、植物は巨大になるのです。

冷凍の場合はこれが裏目に出ます。肉の場合は、水のタップリ入った風船のようなもの。水が凍り体積が増えても変形できる膜でフォローします。ところが植物は、水のタップリ入った水槽のようなものです。氷、体積が増えても、逃げ道はほとんどありません。このため多くの場合、クラッシュとなります。凍らせ、元に戻した時、野菜の多くがグッタリしてしまうのは、このためです。

 
■過冷却を活かした「瞬冷凍」
三菱冷蔵庫の人気の機能の一つに「切れちゃう瞬冷凍」があります。使って見ると、包丁は上手く入るし、白トレイからもバリッと取れるし、本当に便利です。これだけで、三菱電機の冷蔵庫をお勧めしてもいい位です。

三菱の調査でも極めて満足度が高い「切れちゃう瞬冷凍」


それはさておき、過冷却というのは、液体から固体へと相変化する温度になっても、相変化せず、液体状態にあることを言います。

水を例にとりますと、水は0℃で凍ります。しかし、マイナス5℃でも水が凍らない時もあります。この状態が過冷却です。

実はこの状態、安定の中に不安定がある状態です。どういうことかと言いますと、液体内には「氷種」と呼ばれる、氷始める部分が液体の中に均一にある状態です。そこに衝撃など、エネルギーを加えると、ギリギリ安定を保っていたのが、不安定になります。そして、次の安定を求めるのです。

過冷却液体の場合、次の安定は固体化すること。つまり本当に凍り付くことです。この時、全体に均一にある「氷種」を中心に一気に凍っていきます。「瞬冷凍」です。

で、氷の質を見て見ると、均一です。表面から徐々に凍る場合は、物質により、熱の伝わり方が不均一ですから、氷の質にムラができます。つまり硬い部分と柔らかい部分があるわけです。冷凍した肉ですが、切りにくいわけです。均一だと当然切りやすい。

それが「切れちゃう瞬冷凍」です。

 
■「瞬冷凍」は野菜にも効くのか?
さて、先ほども言いましたように、野菜は冷凍に弱いです。三菱は野菜を「瞬冷凍」させるために、あることを行いました。

それは肉や魚ほどは、過冷却させないということです。つまりやや高い温度で「瞬冷凍」させることです。と言いましても、通常の「瞬冷凍」で-7℃だそうですから、ホンの数度です。

瞬冷凍したキャベツともやしを手に取ってみました。

冷凍キャベツは、脆くなるため、矢印のような破片がかなりでてくる。
瞬冷キャベツの場合はない。


まずは、キャベツです。ゆっくり力を込めても割れません。固いのですが、確かにまだ弾力性を保っています。

瞬冷凍のキャベル。ゆっくり握っても耐えられる。(割れない)


次にもやしです。こちらは曲げると割れます。と言っても、冷凍もやしとは全く違い、冷蔵の延長線上。見事なものです。

瞬冷もやし。


通常の冷凍だと、にじみ出した水でもやしの塊ができてしまう。(赤丸部分)


三菱の説明によると冷凍で美味しく食べられるのは2週間とのこと。嬉しい限り。


■A.I.って・・・
今回のシリーズにIoTは付いておりません。
しかし、もう一つのトレンド「A.I.」は搭載されたています。そう、機能の正式名称は「切れちゃう瞬冷凍A.I.」です。

では、何を「A.I.」しているのでしょうか? それは生活パターンです。瞬冷凍には、微妙な温度管理が必要です。野菜ともなれば、なおさらです。つまり開け閉めが激しい時間を、その人の生活習慣から学び(A.I.は1回/時間データーを取ります)、その時間を外すと言うことです。

しかし、どうなのでしょう。料理の下ごしらえは手隙の時にするもの。決して、日曜日、午後2時〜4時は必ずするというわけには行きません。それとも「人の振り見て わが振り直せ」と言われるように、自分では分からない癖をA.I.が見抜き、人の気まぐれにすら法則を見いだすことができるのでしょうか?

 
■サイズへのこだわり
最後になりましたが、冷蔵庫選びは何と言っても「サイズ」から始まります。
物理的に家に入れられない場合は、使いたくても無理というものです。

このため、日本のメーカーは、横幅に対してこだわります。しかし反面、奥行きに関しては甘くなります。と言うより、奥行きより体積が重要と言うのが本音です。その上、どんな冷蔵庫が良いかとの質問に、「入れようという幅で一番大きい冷蔵庫」という回答もある位です。
当然、横幅に対し、奥行きが深いモデルがかなり出てきます。最近、冷蔵庫を入れる所に凹みを設けた家などを見ましたが、ちょっと違和感がありました。個人的にですが、奥行きの方が、深いというのは個人的にはイケてないような気がします。

しかし、今回、頑張って、455Lのモデルは同寸です。ちょっと嬉しいです。
また、MXシリーズが、3機種ともフレンチであることもイイです。
容量が小さいと、ドア収納のスペース確保のため、片持ちドアにすることが多いのですが、フレンチは、何より冷蔵庫に何が入れてあるのかが見やすいです。統計上は、家庭での食品廃棄がなくなると、節電より節約効果があることが分かっています。

フレンチドアは、正面から中身をみることができるので、使い忘れしにくい。


いずれにせよ、今回の三菱冷蔵庫、一つの「完成した形」だと思います。

450Lを越す冷蔵庫は、
とても大きい。


今年は、消費税が上がる年。冷蔵庫の買い換えを考えている人は、是非候補に入れて下さい。
尚、2018年に続き、2019年も「太鼓判継続」モデルとします。

 
商品のより詳しい情報は、三菱電機のホームページにてご確認ください。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/index_p.html
 
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2019年1月16日

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