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加湿空気洗浄機は、日本人の、日本人による、日本人のための家電!?


日本を代表する空気清浄機の御三家は、シャープ、ダイキン、パナソニック(五十音順)だそうです。
海外の雄は、ブルーエアー。ブルーエアーをグローバル・スタンダードとした場合、日本の空気清浄機はある特徴を持ちます。
目に見えない空気ですが、これに関する家電は数多く有ります。
「エアコン」「扇風機」「サーキュレーター」「換気扇」「空気清浄機」「除湿器」「加湿機」「消臭器」「アロマディフーザー」等。これに「暖房機」が加わります。

 
■真冬の窓開け
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国土の半分が、極地名物オーロラ帯に入る。
「すごく北」ということがお分かり頂けると思う。
ちなみに夏の名物は「白夜」。


まず、ノルウェーのTVルポTBS 毎週火曜日 午後7時56分〜 「世界の日本人妻は見た」のお話から始めましょう。

真冬の真夜中のルポでしたから、外気は-6℃。まさに凍てつく晩。
高層住宅では、そこかしこと、窓が少し開いているのです。
何故でしょう?

TVに映し出された窓が開いている部屋は、なんと「寝室」。
実際に子供が寝ていました。
部屋の温度は・・・。-4℃。
毛布に包まるように寝ています。

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北部ヨーロッパの象徴「暖炉」。
ただし、火を付けるにはコツがいる。


何故でしょうか?
口々に言われたのは、頭がすっきりして目が覚める。
そうなのです。暖房は暖炉。部屋の中で火を焚くのですから、二酸化炭素、一酸化炭素はガンガンでます。
暖炉は、その暖かさと、火が燃えるイメージが非常に良いものなのですが、ま、空気的にはどんどん悪くなる。
このため、密閉度の高いノルウェーでは、冬、窓を開けて寝る習慣が根付いたそうです。

 
誰かのエッセーに、外人は冬でも裸で寝て、朝、そのまま窓を開けるとありましたが、これから考えると、まさに朝飯前ですね。
これと同じシーンは、けらえいこさんの「あたしンち」でも見ました。
みかんの友達である吉岡君が、朝起きると窓をバンと開け、胸に直接香水をパンパンと付けるシーンで、私の家族も全員笑い転げました。

 
でもこれノルウェーだけではないようです。ドイツ、イギリスなども入るそうです。

 
■エアコンは要らない気候
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プジョー205CTI。(当時のカタログより)
日本の夏の昼間に屋根を開けると、暑くてダメです。
春&秋、冬、夏の順に楽しめます。


若い頃、クルマにお金を使った時代がありました。
ヨーロッパのホットハッチが好きで、プジョー205CTIに乗っていました。

買う時の会話です。
「エアコンは付けますか?」
「標準装備じゃないのですか?」
「いいえ。ヒーターだけです。」

要するに、欧州は夏でもクルマを飛ばせば、それなりに涼しいのです。
日本で言えば北海道ですから、分からなくもないですが・・・。

 
■湿度
くどくど書きましたが、生活に密着する家電は所変わればニーズが大幅に違います。
それが端的に出ているのが、ブルーエアと、日本のメーカーの空気清浄機の差です。
日本のメーカーの空気清浄機は、「加湿機能」付きが標準なのです。

ブルーエアーの担当に、加湿に関して質問しましたら、ブルーエアのフィルターにはバクテリア(黴菌)を吸い付ける。で、バクテリアはウィルスと違い時間が経てば死ぬと言うモノで無いし、湿度が高く、水、栄養がフィルターにトラップされれば、増殖する可能性があるので、加湿器と一緒に使うことはお勧めしないというのです。

 
これに対し、日本メーカーは加湿器を空気清浄機に組み込みます。

何故でしょう?

大きくは2つあると考えています。
1つは対インフルエンザ・ウィルスですね。
インフルエンザ・ウィルスは湿度:50%で、空気中に存在していられる時間が短くなります。

でも、それならブルーエアも同じですよね。
確かに、世界で1、2を争う吸引力ですから、不要と言えば不要なのかも知れません。
が、加湿できると、より有利になります・・・。

 
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長谷川等伯の松柏図。
雨の中のけぶるような表現は、
日本人の感性を的確に表すと言ってもよい。


もう1つは、実は日本人は過度な乾燥に対し、外人より弱いのではと言うのが、理由ではと思います。

アメリカは、人間が意志で作った国と言うべきなのでしょうか?
砂漠の真ん中の都市も多いです。
有名なのはラスベガスですね。
フーバーダムができるまでは、道路以外何もなかったと言いますので、単純に言えば砂漠の中の人口都市です。
湿度:21~28%。

乾期に行くと、特に日本人は大変です。
唇がかなりの割合でひび割れます。ノドは当たり前ですが、目も乾きます。
そうなると、リップクリームを買い、目薬をさします。
で、アメリカ人は・・・・。何もしません。
育ちの違いというべきでしょうかね。

 
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プラズマクラスターイオンの模式図
(シャープ ホームページより転載)


さらに付記しますと、シャープがプラズマクラスター、ダイキンはアクティブ・プラズマイオン、パナソニックはナノイーと呼称されるイオン発生機能を有しています。
これらは水分子が大きく関与しますので、湿度はある程度以上あった方がベターです。

まさに湿度を前提にしたこれら空気清浄機は、ウェットな日本の、ウェットな日本人の、ウェットな日本人によると言えるかも知れません。

 
■組み合わせなければ、空気関連の家電で部屋が埋まる・・・
換気、送風、温湿度調整、空気浮遊物除去、香りを何とかしたいと言うと、幾つ家電がいるのでしょうか?
単機能家電で揃えると・・・。

当然、スペースもコンセントも足りません。
そんな中、2つの機能を組み合わせというのはありうえべき姿ですね。

総合家電メーカーとしては、複数機能をまとめ提供したい所です。
技術的に有利と聞かれれば、清浄機能と加湿は同時に必要とされる機能ですから、決して悪い組み合わせではないと思います。
ちなみに、ブルーエアは、空気清浄機専業メーカーで、加湿機他は作っておりません。

 
しかしブルーエアの主張もうなずけるところも、大いにあります。
加湿機能で黴菌が繁殖するのでは、元も子もありませんので・・・。

 
このためか、日本のフィルターは使い捨てでは無く、メンテナンス形です。
月に1度のチェックが推奨されています。
面倒臭いかも知れまんが、常に清潔を保つという意味でも、対応した方がベターかと思います。

また多湿の日本、冬以外は加湿機能は使わなければ良いのですから、水を十分抜いて乾かすことも必要です。

昔の「虫干し」土用干しとも言われます。夏の土用や秋の晴天の日などに、書画 ・衣類・調度品などを陰干しして風を通し、虫の害やかびを防ぐことです。の現代版と考え、対応して頂くときちんと使えると思います。

 
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2014年3月14日

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