auの新しいビジネス
“au WALLET Market”で「ちょっといいもの」を!
2015 Summer と題されたauの発表会がありました。
定例の、スマホの新製品、サービス、料金に加え、au WALLETの状況が説明されました。
が、私がちょっとビックリしたのは、「au WALLET Market」。
auがネット販売に参戦するのです。
EC。
EUの前身、ヨーロッパ共同体のことではありません。
現在、ECは、Eコマース。電子取引、つまりネット販売を意味します。
大手は、皆さんもご存じの「Amazone」「楽天」でしょうかね。
あるTV番組によると、日本人は平均12回/年使うとか。
世界第三位だそうです。
しかし、だからと言ってauが参入する理由にはなりません。
何故、auはどこに勝機を見いだしているのでしょうか?
■セレクトショップの意味
今の世、皆、だいだいのものは持っています。
特にファッションは、飽和状態だといえます。
定番と言われる形が、大体決まっていますからね。
ユニクロで全部揃えても、問題ありません。
しかし、制服ではありませんから、他人と同じモノは遠慮したい
このために、全員がユニクロ愛好者とはなりません。
ということで、いろいろなファッション・ショップができるわけです。
中でも強いのは、セレクトショップ。
いろいろありますが、強い老舗は、「Beams」と「SHIPS」ですかね。
服を着るという文化は、万国共通ですから、ネット社会になっても全ての商品を知っているということはできません。
このため、目利きバイヤーが、いろいろな国、いろいろなブランドを集めてくるのです。
ファッションですから、流行に乗ったものではなく、今から流行るモノを集めます。
つまり情報発信基地だったりします。
■「必需品」の「嗜好品化」
こんな不景気ながら、売れているモノはあります。
日常品と、ほんのちょっと人より上を行くモノです。
例えば、「食」。
米は主食です。
しかし現在は「食べられればよい」だけではないですね。
「美味しい」「安全」が求められます。
「安全」は兎も角、「美味しい米」は今スゴいです。
炊飯器の向上もさることながら、確かに新しい、美味しい米が出回り始めました。
全国いろいろなところで作られる「コシヒカリ」もいいですが、それ以上の米もいろいろあります。
ただし、常に、どの店でもあるものではありません。
例えば山形県の「ツヤ姫」。
美味しい米ですが、全てのスーパーで買えるわけではありません。
今、米の話をしましたが、「水」「コーヒー」「フルーツ」「肉」等々、全てのカテゴリーがそれに当てはまります。
セブンの100円コーヒーも同じですね。
「ちょっとイイもの」です。
大人気です。
これも、安く誰でも飲める価格のコーヒーを、「ちょっと」よくしたわけです。
この「必需品」を「嗜好品」にするビジネス。
今が旬のビジネスといえます。
au WALLET Marketは、常に使う「日用品」に加え、日用品の「ちょっといいもの」を扱うそうです。
■auが持つ2つの要素
auはネット販売をしていません。
が、au 田中社長から、auの2つの強みが紹介されました。
1つめは、auユーザーです。
人数は、約3,600万人。
いろいろな言い方ができると思いますが、声をかけることができるユーザーを持っているのは大きなことです。
次の要素は、約2,500店舗のauショップ。
平均:10,000人/月のお客だそうです。
ここを拠点にすると、月2,500万人の人にメッセージを送れるというわけです。
さらに蛇足で付け加えれば、auユーザーですからね、auに悪感情は持っていません。
それよりもキャンペーンでも張れば、「うんうん。さすがにau」と言ってもらえるかも知れません。
■トライアルで勘どころは掴み済
実はこのビジネス、思い立っただけの企画ではありません。
東京 原宿で”HYPER MARKET”、新宿で”au SHINJUKU バーチャルモール”をトライアルをしているそうです。
これを踏まえているそうです。
来店して商品の説明し、その場でネット注文。
PCではなく、スマホが活躍予定だそうです。
そして家に配送される。
それが基本の流れです。
リアル店舗とネット店舗のイイ所の融合と言えます。
そんな中、一番のネックは、商品説明ですね。
セレクトショップは、一系列で数店から十数店が基本になります。
それを店舗数、2,500店しようと言うのですから、これはスゴいことです。
あとのポイントは、ユーザーサポートですが、こちらはお手の物でしょう。
リアル店舗の面白みは、体感です。
見て、手に触れて、香りをかいで、体感する。
試食もそうですし、タイムセールもそうです。
auの新しい提案です。
■「au WALLET Market」は、ユーザーの心を射止めるか?
先日、家電メーカーのネット直販が増えることを危惧、「ショップ体験」が重要であることを踏まえ、『思うこと「ネット通販だけの家電が増えているが・・・、メーカーの思惑とユーザーの要望は並び立つか?」』の稿を起こしました。
auの販売方法は、この問題に対する1つの解答だと思います。
単純には応用できませんが、「au WALLET Market」を上手く使うことも1つの手かも知れません。
多分この方法の成否は、やはり「商品」と「説明員」でしょうね。
この双方を揃えるのは、難しいですね。
でなければ、セレクトショップは成り立ちません。
逆に「商品」と「説明員」を揃えることができたら、「au WALLET Market」は大成功でしょう。
au WALLET Marketが、どういう風に、夏オープンするのか、楽しみです。
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2015年5月16日
タグ: au, au WALLET, au WALLET Market