トレンド

【シェーバー 2019】01 今ドキトレンドの中心は「敏感肌」。
〜「肌にやさしく、深剃りできる」は永遠の課題。〜


男性が毎日行う「ヒゲ剃り」と言う行為。
単純な行為の様ですが、いろいろなニーズがあります。
「時短」「深剃り」「清潔」「肌のダメージを抑える」等です。
 
中でも、2019年の各社モデルをグルリと見回すと、トレンドは「肌へのダメージを抑えること」。各社とも、ここに対応するために大童(おおわらわ)です。

 
■「敏感肌」って何だ?
「敏感肌」。
よく使いますよね。私もです。
しかし、改めて問うと、皮膚科のお医者さんでも敏感肌の定義はできないそうです。

肌はモノに触れると必ずある種のダメージを受けます。肌の表面の角質層が、摩擦により少し取れるためです。角質層は、字面からするととても強く、厚みもある様に感じられますが、実際は0.01〜0.02mm。正直、とても薄いです。正確に言うと、その上に垢があります。角質層の最後の姿です。

ヒゲ剃りなどは、この角質層にダメージを与える典型例です。キズつきもしますし、薄くもなります。

要するに皮膚のバリア機能が弱まるのです。このために起こるのが炎症や乾燥。

今、敏感肌はこの炎症などが起こりやすい人のことを言っていますが、医学的には、どうして同じダメージを与えても、炎症に差が出るのかが分かっていません。このため、敏感肌は医学的に説明が付かないと言われます。

ちなみに、日本人の2人に1人は敏感肌の自覚があるそうです。

 
■現代の若者は、ヒゲよりも肌が大事
このためでしょうか。昨今の若者の中にはヒゲを伸ばす人もいます。よく昔のお偉い人の肖像画は、多くの人が立派なヒゲを生やしていますが、実は肌が弱くカミソリを当てられなかったので、伸ばすしかなかった人も多くいます。

見た目、男っぽいのに・・・、と思ってはいけません。人にはそれ相応の事情があります。

 
またドレスコードが厳しかった時代。
夕方でも、朝剃ったヒゲが伸びるのはみっともないとされていました。このため、要求が「深剃り」。伸びる分を考慮し、深く剃れば、夜まで持つだろうとしてきたわけです。

今はちょっと違います。朝、ドレスコードを満たしていればOK。最後までそれを維持するのではなく、肌が大事。

ナチュラルと言えばナチュラル志向ですが、変われば変わるモノです。

 
■「肌にやさしい」が共通キーワード
このため、最近のシェーバーに共通するキーワードは「肌にやさしい」。
逆に深剃り志向はほとんど感じられません。
今回、メジャーブランドをほぼ試しましたが、朝剃っても、夕方にはかなりジャリっと来ます。

一昔前と完全に状況が変わったと思います。

そして、それに至る道ですが、同じモノが一つもない。方向が同じなのに、こうも技術が違うのかとつくづく思いますね。

刃と刃の間に、コーム(櫛)を入れる方法。スマホと対話しながら、自分に合った剃り条件を決める方法。刃に工夫を凝らす方法。ここはメーカー特徴が現れています。

30年前は、一番の深剃りはブラウン、一番肌にやさしいのはフィリップスと言われていました。これはフィリップスが円形の回転刃を採用。肌との設置面積が大きかったためですが、今や直線刃も5枚が当たり前。大きな面で肌を捕らえますので、一概に、このメーカーだからという話はできなくなりました。

 
■ヒゲ剃りの快感をビジュアル化
肌にやさしいヒゲ剃りというのは、肌をゆっくり撫でる様な感触です。私がそれを特に意識したのは、パナソニックの5枚刃に出会った時。
余りの心地よさに「官能的」という表現を使いました。しかし「体感しないと分かりにくいだろう」とも思いました。

 
しかし、世はビジュアル時代。何でも可視化してしまいます。
中でも見事だったのは、ジレット・スキンガードの発表会。
脳波を使いました。被験者がヒゲを剃っている間の、脳波を測定したのです。

脳波はいろいろありますが、知られているのは、アルファ波。閉眼、安静、覚醒した状態で強く出る脳波で、いわゆる「リラックスした状態」であることを示します。

で、ジレットでヒゲを剃ると、アルファ波が強く出たわけです。まぁ動画で確認して見てください。



ヒゲ剃りというのはある種危険な行為です。ちょっとでも痛みを覚えると緊張が走ります。そうではないですから、危険ではないと認識しただけでなく、よりリラックスした状態。もっと言うと浸っていたい状態であることが分かります。

 
この肌にやさしいヒゲ剃り。
最近ずっと言われてきたトレンドですが、今年は一つのピークを極めた様、思います。

 
以降、個別モデルをレポートして行きます。お楽しみに。

 
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2019年10月16日

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