レポート

「技術」がもたらす幸福
パナソニック 紙パック式掃除機「MC-JP500G」


パナソニックのJコンセプトの中でも、一際目立つのが、紙パック式掃除機 MC-JP500G。
発表会などで、ちょっと触っただけでもその良さは感じられるのですが、今回、自分ん家で使ってみて、そのスゴさがトコトン身に染みました。
全く別次元の掃除機といっても過言ではないですね。
どこがどうイイのかを、レポートします。

 
■軽さの強み
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現代ライトウェイトスポーツカーと言えば
マツダ ユーノス ロードスター
ドライブの楽しさを教えてくれる名車

スポーツカーのカテゴリーに「ライトウェイト」というのがあります。
スポーツカーは「速い」のが信条ですが、その速さは大きく「エンジン」と「軽さ」に依存します。

例えば、100馬力のエンジンを載せたクルマがあるとします。
それより速いクルマにするためには、200馬力のエンジンを載せればいいわけです。
それと同じ効果があるのが軽さです。
1000kgの車重のクルマを100馬力で動かすのと、500kgの車重のクルマを100馬力で動かすのでは、軽い500kgの方が速いわけです。

 
■どの位軽いのか?
では、どの位軽いのか、確認して見ましょう。
パナソニックのカタログから、コード式、キャニスタータイプの主な掃除機をピックアップしてみました。

方式 型番 本体 重量 総重量 集じん容量
サイクロン MC-SR520G 2.7kg 4.6kg 0.25L
紙パック式 MC-JP500G 2.0kg 3.6kg 1.2L
紙パック式 MC-PA34G 3.9kg 5.8kg 1.6L
MC-JP500Gが、総重量:3.6kgに対し、他の掃除機は5kg程度です。

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パナソニック
紙パック式掃除機
MC-JP500G

お米を炊く時を思い浮かべて見てください。
5合炊くとすると、お釜が1kg強。そしてお米と水で約1kg。
2〜2.5kgをよいしょと持ち上げるわけです。
姿勢によっては、結構辛い時もありますよね。

キャニスター式掃除機は転がして移動させますが、それでも重いと大変です。

先ほどのクルマでいうとエンジンは自分ですからね、本体軽ければ軽いほど楽なわけです。
で、それが3.6kg。
普通の掃除機と全く違う感触です。
それ位「軽い」のです。

パワーヘッドも含め、力で重さを封じ込めようとするのが、今の掃除機の主流です。そうではなく軽さを活かしたこのモデル。
とても楽です。

 
■サイズ:小さく、軽いヘッドと本体が家具をすり抜ける
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7人家族のため、テーブル周りは隙間なく
椅子が並ぶ我が家。そんな密集エリアでも
動かしやすい小型ヘッド

軽くするために、MC-JP500Gは小さく、コンパクトに作られています。
ヘッドもやや小さい。
時短を見据えた現代掃除機は、幅広のヘッドが多いのですが、それと一線を画します。

日本人は、居住面積に対し、スゴく家具を持っています。
掃除する時は実にジャマ。
ここに大型の掃除機を持ってくると何かと当たります。
そうすると家具を傷つけては大変とゆっくりになります。
あー、時短から遠ざかる・・・。

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ヘッドも軽い。外から見ると普通だが、
中身は全くの新型。

MC-JP500Gは、小さく、軽いヘッドと本体が特徴です。
まあ、見事に家具の隙間に入って行きますね。
軽いですから、狭いところでも自在に操れます。

思った通り掃除ができるわけです。

 
■軽さ:生活を変えずにすむ喜び
年を取ると力が衰えます。
特に女性は大変です。

テストしていて、母のことを思い出しました。
私の母は癌で亡くなりましたが、どんどん衰える体で普通の生活ができなくなることを、とても悲しみました。

もしかしたら、この掃除機が持つ一番大きな魅力は、「力が衰えても、今までの生活を変えずにすむ」ということかも知れません。
人間の尊厳を維持する上で、すごく重要なことだと思います。

 
■フィルタリング:省エネ住宅への適応

今、生活習慣はかなり変わってきています。
端的な例が窓を開けて、空気の入れ替えをしなくなりました。

例えば、独身者。
ギリギリまで寝て、そのまま会社。
帰ってくるのは夜。

「窓を開けて・・・」は、ないですね。
掃除、洗濯も窓を閉めたまま、なるべく外に音が漏れないようにします。

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洗濯物を部屋に干すことを推奨される
日が来とは思わなかった。

また、開けたくても開けられない人もいますね。
例えば花粉症の人。
春先窓を開けられません。

今本当に、生活が激変しつつあります。
昔の常識、今の非常識というヤツです。

このため、現在、掃除機も、「窓を閉めたまま使う」ことを前提にせざるを得ません。
噛み砕いていうと、排気をキレイにです。

例えば、花粉を吸った掃除機が、排気の中に花粉を出してしまったらどうでしょうか?
花粉を部屋中にばら撒くことになります。
PM2.5もそうですし、花粉以外のアレルゲンもそうです。

大きさは様々ですが、1つの目安として、1μmまでは、必ずシャットアウトしたいところです。
そうすると、花粉、ダニ、PM2.5もシャットアウト可能ですので。

パナソニックのMC-JP500Gは、そこら辺にもバッチリ配慮された設計になっています。
紙パック式掃除機の場合は、バック自体が巨大なフィルターになります。

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MC-JP500Gの指定パックAMC-HC11
左)「0.5μm以上のダストを約99.9%逃がさない」とある。
右)裏面に「無機銀系抗菌剤」とある。ニオイ菌の繁殖を許さない仕様


そのスペックは、0.5μm以上の微粉塵を99.9%補塵します。
最強のHEPAフィルターが0.3μmの粒子を99.97%補塵ですので、かなりスゴいスペックです。

3層構造のパックですが、メインフィルターの厚みは、約1mm。
ここがキモです。
尚、パックと書いているのは、フィルターは特殊繊維ですので「紙」ではないためです。

パナソニックが、この性能を保証するのはあくまでも、指定パックです。
サードメーカーの互換パックではありません。
フィルタリングのキーパーツですから、ここだけは守ってください。

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左)パック  AMC-HC11。通称「逃がさんパック」。キーパーツです。
右)もったいなかったけど、1枚バラしました。3層。ただし、厚みのほとんどは一番内側の層。


また、このパックには優れた点があと2点。

1つめは、臭い防止に、無機銀系抗菌剤が入っていることです。
2つめは、ゴミ捨て時に使用するシャッターです。

何をそんなことと思われるかも知れませんが、臭う掃除機はいけません。
それこそ、部屋が臭くなります。

またシャッターがないと、掃除機内にゴミを落としてしまう可能性があります。
それを極力避けるために設けられました。
1つは掃除機は、自分自身を掃除することができないため、手間がかかること。
そして、本当にごくごく稀ですが、火災が発生する可能性があるためです。

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左)紙パックのシャッターを閉じたところ、
右)シャッターを開けたままパックを取り替えてみたところ、ちょっと汚れました。
掃除機の掃除は大変。黃矢印は、モーター部にホコリが侵入しないようにするためのフィルター。


機械を小型化した時の1つの問題点は、余分な熱をどうするかです。
典型的な例がPCです。
軽、薄、小を追求したPCが出る度に、熱対策技術がPC雑誌の話題の1つになるほどです。

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MC-JP500Gの内側の注意文言。
普通に使っていれば、問題はない。

掃除機のモーターも同じです。
発熱します。
その時、一番燃えやすいのはホコリなのです。
生活家電は、かなり余裕を持たせた設計になっていますが、想定外のことが発生すると余裕は少なくなります。
このためにも、純正紙パック:AMC-HC11を使うことを強力にお勧めします。

 
■ハウスダスト発見センサー:ホコリの見える化
まあ、そうは言うモノの、「見えないレベルのものは空気清浄機に任せておけばイイのでは?」という人もいます。

「花粉見えないし、どうしようもないじゃん。」というアラサーの友達もいます。
しかし、床に落ちた花粉を回収できる能力は、空気清浄機にはありません。

パナソニックは、そこにも回答を用意しています。
ハウスダスト発見センサーです。

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ハウスダストセンサーのイメージ図
パナソニックのホームページより転載

ヘッドを付けた部分から、0.5μm以上のダストがなくなるまで、赤ランプが点灯。
まだ吸い込まなければならないことを知らせてくれます。

実はこれかなり便利です。

 
私がとくに良さを実感したのは、ふとん掃除ですね。

私はふとん専用掃除機ではなく、ふとん乾燥機とふとん専用ヘッドを付けた一般掃除機の組み合わせが一番だと考えています。

ところがここでの問題は、本当にダウスダストを取り切っているのかです。
ゆっくりかければ、かけるほど多く除去されるのは、わかるのですが、ハウスダストが残っていて、それを吸い込むと喘息などの発作が起きたりするわけですので、ことは重大です。

さらにいうと、ふとんに掃除機をかけた人は、そうそういませんので、ペースもよく分からないと思います。

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左)ホースにふとん専用ヘッドを取り付けたところ、性能は十分だが、つぎ手は改良が必要
右)0.5μm以上のゴミを吸っている状態だとランプが点灯。だいたい数秒以内に消える。


ハウスダスト発見センサーは、それを的確にこなしてくれるわけです。
というか、安心して掃除機を掛けることができます。
この差は大きいです。

これはハウスダスト発見センサーをものにしたパナソニック掃除機の大きなメリットです。

 
■LEDナビライト:もう一つの見える化
これは、もうすぐ世界標準になるだろう技術で、採用はパナソニックだけではありません。

ホコリは部家隅に溜まり易い。しかし往々にして部家隅は暗く、ゴミを見逃しやすい。
ヘッドの先を照らすLEDで、これらのゴミを見逃さないわけです。

 
■デザイン
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素材の持ち味を活かした、シンプルなデザイン。
あれ、和食の解説みたいになっちゃった・・・

MC-JP500Gは軽くするために、新しい素材をいれています。
PPFRP。
ポリプロピレン繊維強化プラスチックのことで、編んだポリプロピレン繊維を積層して樹脂で成形することで、薄く軽く、そして丈夫です。

このポリプロピレン繊維を、そのまま用いているのですが、実にキレイです。

本体形は、持つことを前提にしたデザインですね。
持ち運び可能な灯りを思わせます。

「用の美」が際立ち、優れた道具ということが一目でわかります。

 
■まとめ
Jコンセプトは、50〜60歳のモノにこだわりがあった世代をターゲットにして生まれた家電です。
が、単純にいうと、良い道具は、誰が使っても良い道具です。
MC-JP500Gは、それほど美点が多く、欠点がほとんど見当たらない。

まず、お勧めしたいのは、高齢者の方と妊婦さん。
軽いので、体の負担が少なくなります。

次にアレルギー体質の方、及び赤ちゃん、幼児がいる家庭です。
ハウスダストの心配がなくなります。

そして、アパート、マンションを含め、高気密住宅にお住まいの方。

あーぁ、全員になってしまいました・・・。

 
太鼓判640昔からある「紙パック式」を、現代という状況に合うように考え直し、新しい素材を含め徹底的に改良したパナソニックの傑作紙パック式掃除機です。

生活家電.com推薦の太鼓判、紙パック式掃除機です。

 
 
商品のより詳しい情報は、パナソニックのホームページにてご確認ください。
http://panasonic.jp/soji/p_pack/mc_jp500g/
 
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2015年3月6日

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