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“CEATEC2014” HEMSの本格導入が一番早いのは?
@エコーネットライトコンソシアム


昨年、いろいろな企業が出展していたHEMS(ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)ですが、今年は余り見かけません。
いろいろな理由があるのではと思いますが、日本のHEMSの通信規格の元締めと言っても過言ではない、エコーネットライトコンソシアムでは、HEMSが始まったことを感じさせてくれる展示がしてありました。
HEMSで、現在一番シェアを持っているところは、パナソニックだと聞いています。
3年間掛けて、「ゲートウェイ」「アプリ」「配電盤」と、順々に整備してきましたからね。

しかしそれでも実稼働のHEMSは、極々少数のはずです。
実際、私も導入しようかと思いながら、果たしていません。

 
■HEMS後付けの問題
新しく家を建てたことを想像してください。
金 3,000万円。
頭金 1,500万円。ローンを1,500万円。

この不景気ですからね、当然全て新しい家電を買ってことはできません。

で、貴方がHEMSに興味を持ち、導入したいとしてください。

HEMSを導入するために、メーカーと相談します。
すると、スゴいこと言われます。
「他社の製品には、通信の保証ができません。」

これはビビりますよね。
実際はエコーネットライトに準拠している限りつながるのですが、自社で検証していないものは保証できないと言われます。

エコーネットライト Ver.1.0、要するに規格が公開されたのが、2011年ですからそれ以降のメーカーモデルはほとんどの場合対応しています。
国の方から制御して欲しいと言われるのは、照明にエアコンですから、この2つを作っているメーカーは、特にその傾向が強い。

なのに「保証できないとはどういうこと」としか言えません。

 
エコーネットライトのブースでは、簡単な相互間デモをしていました。
照明2機(メーカー不明)、エアコン6台(ダイキン、富士通、三菱、シャープ、パナソニック、東芝)を、タブレットで操るデモです。
これができるのが現状です。



 
片方では「いいですよ!」「入れてくださいね」と言いながら、片方の口で「保証できません」という。
気持ちよく入れられないのがいまの現状と言えます。

 
■マンションへの付加価値
6月に、オン・デマンド・サービス「アクトビラ」のレポートを掲載した時、マンションなどの集合住宅に施工時に採用してもらい、契約数をのばしたことを書きました。
注)思うこと「アクトビラのビジネス方法は、HEMSの普及にも応用可能か?

これはHEMSにもいえます。
しかもマンションだとエネルギーを作り出すことはできませんので、蓄電池と家電の制御のみ対応すれば良いわけです。
また、極端なことをいえば、蓄電池は不要との判断もあると思います。

さらにいうと、HEMSに必要な「配電盤」は新築なので新規導入ですから、残るはネットにつながる「ゲートウェイ」、そして全ての部屋にWi-Fi接続です。

2014年10月11日18時52分04秒 のコピー

NTT西日本のチラシ


こうなると俄然有利なのが、オン・デマンド・サービスを含む、ケーブルテレビ業者です。
ゲートウェイは、ケーブルテレビのセットトップ・ボックスが使えるので、お金を掛ける必要もないです。
また、Wi-Fiも、2F、3Fのように立体ではないので、対応しやすい。

 
かくして、新築マンションのチラシには、
●ケーブルテレビ完備
●HEMS完備
●Wi-Fi完備
の文字がおどるわけです。

マンションも付加価値が付いて売りやすいわけです。

 
NTT西日本が、BOX+というサービスを始めています。

DSCF6526

HEMSのコントロール画面。シンプルでわかりやすい。


DSCF6528

左)セットトップボックス。EMSはHEMSと同意。
右)中に消費電力を測定できるチップと、Wi-Fi通信できるチップを搭載。
家電コントロールはできないが、消費電力の確認だけはできる。


 
■HEMSの今後
日本のエネルギー事情を考えた場合、HEMSは重要な意味を持ちます。
その時の登場人物はメーカーだけではありません。
サービス会社も、ドンドン参入します。

エコーネットライトという規格があるわけですので、囲い込みは無理。

メーカーサイドもこれを前提に、動いてもらえると嬉しいのですが・・・。

2014年10月12日

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