新製品

“IFA2014″ ドイツ受けする展示、あるいはドイツの
商品テストのこと。シーメンス・ブースにて。


IFAは家電製品の国際見本市です。
このため展示内容も、欧州だけでなく日本、米国、中国など、どこでも通用するモノが多いです。
しかし、地元ドイツの人に、スゴく分かりやすい展示もされていました。
DSCF5447 ドイツ語で、「Testsieger. Test winer」。
意味は「ドイツの「商品検査財団」から、優秀であることを認められました」ということです。直訳は「テスト勝利者」で良いのですが、そんな日本語はありませんから。意訳しました。
しかしそれを、Winer(勝利者)と呼ぶ位ですから、余程にスゴいことなのです。

 
周りに貼られているのは、「ヴァーレンテスト(商品検査協会)優良マーク」。
読み方は、次の通りです。
マーク  
ドイツは「良いものを長く使う」という考え方が主流だそうです。
このため、良いものを作る時は徹底した開発となります。
従って高い。

「良いモノは高くて当たり前。」最近メーカーが怖くてユーザーにいえなくなった言葉ですね。

では、どうやって「良いモノ」を見分けるでしょうか?
メーカーの広告?
雑誌の記事?
ブランド?
口コミ?

 
6a01156e9a3d93970c0168e5124ef2970c-200wi実はドイツにはそれを仕事として行っている組織があるのです。
それが「商品検査財団(Stiftung Warentest)」です。

設立は1964年。今年で50周年です。
連邦政府により、民法の独立財団法人として作られました。

会長以下、総務と6つの調査チームから成り立ちます。
1)マルチメディア
2)家・エネルギー・余暇・交通
3)食品・化粧品・健康
4)生涯教育
5)投資・老齢者扶助・クレジット・税金
6)保険・法律

政府の肝いりで作られた期間ですので、立場は完全中立。
利益を、キオスクなどいろいろな所で販売される雑誌「テスト」誌など出版物から出します。
広告は当然、御法度。
ですが、70万部(!)を越すといわれる部数が、この財団を支えています。
またネットでもテスト結果を見ることができますが、こちらも有料です。

業務内容は、匿名で製品を購入テストすることです。店舗などの接客・サービス内容について覆面調査もします。
そして、科学的方法により独自の条件のもと独立した研究所(ちなみに研究所は、当財団の中にはありません。)でテストし、客観的な調査結果につき5段階での評価を与え、その結果を消費者向け刊行物およびインターネット上で公表します。

 
スゴいなーと思うのは、ドイツ人の94%が、当団体のことを知っていることです。
更に重要なモノの購入に際し、テスト結果を参考にする人が、その内3割もいるそうです。

 
食品などでは使われてはいけない化学物質が検出されることも少なからずあり、テストで判明した時は本当に大変。
即、操業停止になるとか。

 
ちなみに、ドイツでは、他に「エコ・テスト」誌というテスト誌もあります。
面白いのは、同じ商品を評価しても、違う結果が出ることがあります。
それは、テスト誌として客観性を重視しても、どうしても主観が入ってしまうためです。
ここら辺、評価は科学ではなく、やはり「人」だと思うところでもあります。

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展示会場に並べられていたTESTSIEGERモデル。 シーメンス、ドイツメーカーの面目躍如といった所か。


 
ちなみに、シーメンスのディスプレイは毎年面白く、このコーナーの隣はこんな感じ。
水文字がきれいでした。
00 04 - 11667  
名称未設定イベント - 2当然、他のブースでも、TESTSIEGERは使われています。
最も秀逸だったのは、AGEブースの洗濯機。
一目を引きまくっていました。

2014年9月11日

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