新製品

三菱レイヨン・クリンスイ、
蛇口取付型浄水器MD301 他、発表会


2月6日、東京で三菱レイヨン・クリンスイの発表会が行われました。
新製品は国内2つ、海外1つ、後 話題をさらいそうなお酒の、4品でしたが、クリンスイ30周年でもあり華やかな雰囲気の中行われました。
■それは30年前のことでした
三菱レイヨン・クリンスイは、三菱レイヨンの子会社です。
クリンスイのキーパーツ、中空糸膜フィルターは、あるユーザーのレーヨンに対するクレームの産物だそうです。
レーヨン(人絹)は、光線(ray)と綿(cotton)の合成語ですので光沢のあるのがポイントですが、光沢の違ったレーヨンがあったそうです。
調べると、繊維に幾つも孔が開いていたそうです。逆に意図的に繊維に孔を開けて何か面白いモノは作れないかと、模索してできたのが、中空糸膜フィルターです。
孔に取り除きたいものが引っ掛かる仕組みです。

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「真清水」
名前の渋さがたまりません!


初めは医療用として使われていました。
浄水器の第1号モデルは「真清水」1984年のことです。

社長が海外で販路を模索している時に、水に当たったので携帯型浄水器を作ったのが、元になったそうです。
この話、あのウォークマンに似ていませんか?
飛行機の中で音楽を効くために盛田氏が作らせた、録音もできないし、スピーカーも付いていない、携帯型のカセット再生機です。
この頃の社長は、自ら海外市場に乗り込む人が多く、文化の差を肌で感じたりしたことが、全て商品につながっています。

1984年は、水が豊かな日本でも水質汚染1956年 水俣病、1964年 有機水銀中毒、1967年 イタイイタイ病。1971 水質汚濁防止法、1975年 PCB、1984年 湖沼水質保全特別設置法。日本の水は汚くなりました。が進んでいたところでしたので、ユーザーの潜在需要があったと思います。

1985年 据え置き型
1989年 蛇口直結型、アンダーシンク型
と、浄水器の基本ラインナップが勢揃いします。

 
■今は、「水」に関するメーカーとして
三菱レイヨン・クリンスイ社の理念は、「安全・安心な水を世界に提供する」ことだそうです。
2000年以降、「光」「水」「空気」「エネルギー」「食料」というインフラ系に大幅な構造改革が求められています。
日本では、「水と安全はただ」と言われた時代もありました。
が、今は違います。
この基本インフラに、金が掛かる時代になりました。

日本の水は世界が羨む品質だったのですが、今、子どものいる家庭でミネラル・ウォーターを使わない家庭は少ないと思います。
何故かというと。東京都葛飾区の金町浄水場で、2011年3月22日水道水から1キログラム当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたためです。
正直、東京中の店からミネラル・ウォーターがなくなりました。

放射能以外にも、トリハロメタンメタンの水素原子三つがハロゲン原子で置換された化学物質。トリクロロメタン(クロロホルム)、トリブロモメタン
ブロモホルム)等がある。水道水の処理に使用される塩素が、原水内の有機物と反応して生成されることがある。クロロホルムには発癌性が報告されている。
の様な有害物質、クリプトスポリジウムウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ネズミなどの腸管寄生原虫。人に寄生すると水様下痢症になる。日本では1994年に神奈川県、1996年に埼玉県で水道水による集団感染が報告されている。の様な寄生虫など、水質維持は厳しいです。この厳しい中、三菱レイヨン・クリンスイ社は、「クリンスイは、世界中のお客様に、高性能でハイセンスかつエコロジカルな飲用水製品を提供する。」ことをしようとしています。

ベースは、水道水です。
上で水道水のことをいろいろ書きましたが、実は日本の水道水はもっともよく検査され、しかもデーターがオープンされている、かなり安心できる水なのです。
聞いたことがある人も多いと思いますが、水道水は「水道法」により50項目の検査が、ミネラルウォーターは「食品衛生法」により18項目の検査が義務づけられています。
国民全員の健康の基本となりますので、国も手を尽くします。
ま、塩素などで、時々有害物質ができたり、少々不味くはなりますが・・・。今は、塩素の代わりにオゾンを使う浄水場もある。

後、重要なのは価格です。
水道は安く、安全をモットーにシステム化されていますので、正直安いです。

水道水に欠点があるとしたら、「おいしさ」でしょうね。
このおいしさのポイントは、臭いだと言われています。
大きくは、カルキ臭、カビ臭です。安全のための塩素消毒ですので、ここが味とのせめぎ合いとなる分けです。

また、家庭内の配管、集合住宅の給水塔など、水道システムの末端設備が古いために、飲む時不味くなっている可能性もあります。

クリンスイは、ユーザーの手元で水をきれいにすることで、より安全、より美味しくしませんかという提案を投げかけているのです。

 
■もう片足は「医療用」
三菱レイヨン・クリンスイの水のもう一つの用途は、医療です。
「メディカルは、
①医療用分野において精密RO水を提供します。
②人工炭酸泉を通じて、健康増進用水を提供します。」
②は、ソチ五輪の選手村でも3台使用されており、大人気だそうです。

 
■日本用の新製品、ポット型浄水器:CP025と蛇口用取付型浄水器MD301
今回の日本の新製品は2つ。
それぞれご紹介します。

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ポット型浄水器 CP025
1月22日発売。オープン価格。


1つめは、ポット型洗浄機 CP025です。

1つめの特徴は、クリンスイご自慢の「中空糸膜フィルター」です。
「13+2」というタイプのフィルターで、「家庭用品品質表法」で定められた除去対象物質13種類と、「浄水器協会」で定められた除去物質2種類を除去できます。三菱レイヨン・クリンスイの中で、最も高機能なフィルターです。
会場では赤さび「浄水器協会」で定められた除去物質は、「鉄」「アルミニウム」の2種。濾過の実演をしていました。

2つめはバランスの良さですね。
給水時、注水時ともにバランスがよく、片手で扱えます。

3つめは細かな所まで、よく気配りしてあることです。
大きさはドアポケットに入る大きさですし、浄水中の注水も可能だそうです。
浄水中の注水はフタの密閉性が良くなくてはできませんので、説明員の方に繰り返し確認したのですが、問題ないとのことでした。
またフィルターの交換は3ヶ月との事ですが、フタにはそれを設定できるカレンダーダイヤルが付いています。

 
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蛇口直結型浄水器MD301
左黄丸:交換時期を示すランプ
右貴丸:しっかり浄水サイン
4月上旬発売。オープン価格。


2つめは、蛇口直結型 MD301です。

こちらもフィルターは「13+2」の最強版。

特有の機能は、「しっかり浄水サイン」ですね。
浄水器は水をフィルターに通すことにより、濾過するのですが、水量が多いと濾過しきれません。そのまま通過するモノが出てきてしまいます。
しっかり浄水サインは、それをランプで示します。OKだと緑色のランプが点灯します。

水の使用量も色々ですので、カートリッジ交換サインも、ランプで示します。オレンジランプが点灯するとフィルター交換の時期です。

また、「汚れ防止コート」も施されており、洗剤や水垢から本体を守ります。

 
■海外用の新製品、ポット型浄水器:GP001
海外の展示コーナーには、伊グッチーニ社がデザインした浄水ポットが並べられていました。
イタリアならではのデザインです。

また、硬水を軟水にする機器もありました。
やはり軟水は何かと使い勝手がイイようです。
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左)グッチーニデザインのGP001、右)硬水を軟水にする機器


 
■新しい試み、クリンスイで作った大吟醸
「獺祭」という銘柄酒をご存じでしょうか?
山口県岩国の名川 錦川にある酒蔵 旭酒蔵のお酒です。
錦川は、未だに鮎がとれ、かじか蛙がなく清流です。
酒蔵も旭酒造を入れ、5つ八百新酒造(錦の誉)、酒井酒造(五橋)、村重酒造(金冠 黒松)、堀江酒場(金雀)、旭酒造(獺祭)ある酒処でもあります。

現在、日本酒は和食と共に海外で引っ張りだこ。
その中でも、特に誉れ高い酒の1つが「獺祭」です。

獺祭のこだわりは「純米(大)吟醸酒吟醸造りといわれる製法。そして精米歩合:60%以下(大吟醸は50%以下)の特定名称酒」です。
日本酒の中でも、華やかな香り、繊細な味わいの純米(大)吟醸酒は、ワインより扱いが難しい酒です。
しかし美味しい酒です。

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ラベルに「クリンスイ仕込」とある


今回は、この仕込み水に「クリンスイ」が用いられたのです。
銘柄は、獺祭の顔でもある「大吟醸 磨き三割九分」。

新しい挑戦ですし、水に関わる者にとって、日本酒の仕込み水を扱えることは誉れでもあります。
これ以外の挑戦も、ドンドンして頂き、日本の水、世界にも中々ない軟水の文化を守って欲しいと思います。

 
筆者余談
この酒、お土産に小瓶を頂いたので試飲をしてみました。
私は、通常の「三割九分」との差を、香りではなく、味で感じました。
味が濃く、深いのです。
ややもすれば淡麗というべき「三割九分」の、こうあるべき味が出ている感じです。
とても美味しく頂きました。

 
商品のより詳しい情報は、三菱レイヨン・クリンスイのホームページにてご確認ください。
http://www.cleansui.com/shop/
 

2014年2月7日

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