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【暖房】パナソニック チェコが生産しているA2Wとは?
あるいはWBC チェコ代表監督の始球式セレモニー


8月1日。崩れる天気、雷雨の合間を縫うように私は、千葉ZOZOマリーンスタジアムへ行きました。パナソニックからパナソニック チェコの面白い状況が聞けると言われたからです。
 

●当日の天気は、曇り時々雷雨。夕方から晴れ始めた。


 
■チェコの断片情報
実はポーランドからトルコに抜ける地域はヨーロッパの工場エリア。最大はトルコ、次がポーランド。歴史的に有名なチェコですが、私が知っているのは、プラハの錬金術。音楽家のスメタナ、ドヴォルザーク。チェコ・フィル。フス戦争。プラハの春。そして黄金色のビール、ピルスナーの発祥地。そしてWBCで大健闘した野球の代表チーム・・・。極めて断片的です。ちなみに子どもの頃はチェコスロバキアが国名でした。

●ピルスナー・ウルケル。
@ベルリン・フィルハーモニーにて


 
また、クラシック繋がりで言うと、ドイツのベルリン・フィルハーモニーでは、ビールとして、チェコのピルスナー・ウルケルが飲めます。あのビールの国の、しかも音楽文化の中心のコンサートホールで出されるのですから、それはすごいことでもあります。

さらに付け加えると、何かあると、そのバックには、スメタナ作曲の連作交響詩「我が祖国」が演奏されます。6つ交響詩からなる組曲ですが、超有名なのは第2曲「モルダウ」。モルダウは、外国の呼び方で、チェコ語では「ヴァルタヴァ」。プラハを流れる川です。下流でドイツのエルベ川と繋がります。

ちなみに、ビールの消費量 世界一はドイツではなく、チェコ。ちなみに世界一美しい街もチェコにあります。チェスキー・クルムロフですね。

 
■チェコのピルゼンで何を作っているのか?
さて日本では、ほとんど家電で負け知らずのパナソニックですが、海外では、そうも行きません。家電によっては、撤退もしています。
そんなパナソニックが欧州で作っているのは、何でしょうか?

A2Wと呼ばれる空調家電です。正式名称:Air to Water。大気中の熱を集めてヒートポンプで、温水をつくり出し、住宅に循環させることで暖房するシステムです。

●A2Wの概念図。


日本ではそんなにポピュラーではありませんが、欧州では、ボイラーで作ったスチームを家中に巡らせて、温めてきました。つまり配管はあるわけで、その中に温水を流すわけです。欧州のボイラーは基本地下というより半地下にあります。理由は、燃料です。部屋の上の小窓、これを全開にし、馬車から石炭を放り込んだわけです。欧州は、地震がないので建物を建て替えない、古い建物を大切に使います。A2Wはそれにピッタリ合うと言うわけです。

ここで頑張っているのはパナソニック(株)空調空質社 傘下の、パナソニックHVAC欧州事業部です。切り分けが複雑になるので、細かくは書きませんが、チェコの工場は、A2Wの製造が担当です。場所は、チェコ第4の都市 ピルゼンです。そうピルスナー発祥の地です。

今、CO2削減は世界的に正義です。A2Wは燃焼系のボイラーと比較すると排出量が65%も減るそうです。加えて、自分たちの生活に合ったシステム。欧州市場でA2Wの実績は2021年90万台。2030年には600万台を超えると考えられています。

 
■パナソニック A2Wの魅力は?
が、A2Wというシステムがあれば売れるのかというと、違います。商品として魅力がなければなりません。

性能としては、自然冷媒:R290の採用、低騒音があります。しかし一番の魅力は、黒い室外機でしょう。室内機は白。
欧州は景観をすごく大切にします。だから、あの街並みなわけです。その中に、日本のように白い室外機が点在したらどうでしょうか? 景観台無し。ドイツの住宅街では、窓ガラスが汚れていたら、清掃するように注意されるそうです。
そんな時、黒い、目立たない室外機は、指名買いする理由となります。

●白いのはA2Wの室内機。一番右の黒いのが室外機。
メチャクチャかっこいいです。


 
■増産計画
こんな好調ですから、2025年までに生産能力4倍、従業員数を5倍にします。
10万m2の新棟も建設します。
チェコへの生産・開発投資は450億円に及ぶそうです。

パナソニック チェコ。増産体制が整った以降。


1996年テレビ生産から始まった工場が、また華開いたわけです。

 
■チェコとの付き合い
チェコ人の知り合いはいないので、イメージは沸きにくいのですが、パナソニックによると、チェコ人は熱意と誠意があり、技能や語学力が高い人材が多いとのことです。
また事業拡張時の人材数獲得に向けて、政府からアドバイス・支援を受けているそうです。

 
そんな時に、「マリーンズ・チェコ ベースボールブリッジプログラム」が始まりました。例のWBCでの日本戦、デッドボールなのですが、真摯な態度に一緒になんかできるといいねという考えの延長。政治家的な言い方をすると、スポーツを通じた国際交流、両国間文化交流推進です。

 

●記者会見の様子。
小松原常務は、HVAC欧州事業部、パナソニック チェコの責任他も兼務。


これに対し協賛したのがパナソニック
8月1日の千葉マリーンズと北海道ファイターズでの、チェコの代表監督の始球式が、いろいろなメディアで、報道されたのは、実はこう言うことなのです。

 
では、始球式の様子を動画で。いい関係が、長く続くことを望みます。


 
 


 

 
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2023年8月6日

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