レポート

【紙パック掃除機】余りにも「格」が違う。横綱級の紙パック掃除機


紙パック掃除機の構造は、ごくシンプルだ。筐体の吸引口はそのまま紙パック。そしてその後ろに、吸引モーターがあります。あと、その排気をクリーンにするための排気フィルターがあります。
しかし、今回のモデル、筐体を開けた瞬間に驚きました。見慣れた日本製品と全く違います。どれ位違うのかというと、日本メーカーの製品が相撲取りで言うと新入幕なら、ミーレは横綱。ここまで違うのかというほど、基本レベルが違うのです。今回は、そんなドイツの紙パック掃除機の話です。
 

●ミーレ 紙パック掃除機 C2


 
■紙パックが紙パック掃除機の命とはいうものの日本の現在は?
紙パック掃除機の生命線は、紙パックです。紙パックはゴミ箱でもありますが、そのゴミを外に出さずに、クリーンな排気を実現する必要があります。特に窓開け換気なしに掃除機をかけるのが当たり前になりつつある現在、細かい、目に見えないハウスダストなどが漏れ出すことを防ぐために、丈夫で、フィルタリング性能が高いのが当たり前です。

 

●前)紙パック
●後)廃棄フィルター


 
日本メーカーのちゃんとした製品は、3層で組み立てられています。元々は2層位だったのですが、それでは足らないと3層の時代です。紙パックは最終的に廃棄しますが、使われている間は、フィルターとして使われます。

目に見えるゴミは当たり前、目に見えないゴミをどこまでフィルタリングするのかで、その性能は著しく異なります。実は、床掃除という行為は、微細な目で見ると状況が一変します。キレイに掃除された後の床、一面に花粉が落ちていても人は感知できません。

花粉症の人は、案外、そんな中に寝ているのかも知れません。空気清浄機で呼吸に必要な空気はある程度キレイにできますが、床に花粉が落ちていると、歩いて、花粉を舞い上げたりもあるでしょう。要するに、今の時代、自分に影響を及ぼすもの「花粉」「ハウスダスト」「ウイルス飛沫」などは、きれいにするという必要があるというわけです。

ようするにHEPAフィルター並みのフィルタリング能力が必要というわけです。一方、ペットの抜け毛なども対応が必要。掃除機が相手にするゴミは多種多様。これを相手するのが、掃除機というわけです。

 
■サイクロンシステムの欠点
1990年代から、ぐんと目立つようになった掃除機があります。「サイクロン掃除機」です。サイクロン掃除機の最大欠点は、「ゴミ廃棄」にあります。サイクロンシステムは、ダストボックスに吸引したゴミ全部が集まるように設定されています。つまり、ダストボックスでは花粉も、ハウスダストも、ウイルス飛沫も一緒。それはいいのですが、それが剥き出しになっているのです。

このダストボックス、週一くらいでからにする必要があります。一番多いのは、ダストボックスの底が開いて、他のゴミ箱に移し替える方法です。勢いがよければ、ゴミ箱の底に吸引したゴミが激突します。この時、目見えないレベルのゴミ、花粉、ハウスダスト、ウイルス飛沫などが、舞い散る可能性があります。

これらの物質を問題にしない体質の人は問題ありまん。が、アレルギー体質の人は大問題。ひどい時には、発作を起こす可能性があります。

吸引力が変わらないという紙パックの欠点を付いたサイクロンシステムですが、紙パックの長所である、吸ったゴミを撒き散らさないを実現できなくなったわけです。

 
■多層化した紙パック
紙パックの欠点は、ゴミを吸い取るほどに「目詰まり」を起こすことです。そのために採用化されたのが「多層化」技術です。その能力を持つフィルターを複数枚重ねるのです。単純に言うと、使用できるフィルター表面積が多層化分増えるわけですから、3層で3倍、10層で10倍持ちます。

その分、値段は高くなります。

そして、このようなことを不問に付して、安価な、一層品を買い文句をいう人がいます。しかし、多層化は、紙パックがサイクロンと張り合うためにモノにした技術。今では、メーカーはロボット掃除機メーカーiRobot社の様に、掃除はサイクロンで行うが、ダストボックスからの改修込みは、紙パックに吸い出すと言う様にハイブリッド方式を採用しています。
今、紙パックは能力が高くなったために、活躍の場を拡げているのです。

 
■ミーレの特徴 ヨーロッパ、そのままのモデル
日本と欧米の掃除機、どこが違うのかというと、もっとも違うのは「ヘッド」、床面に接触するところです。

日本は、もともと板の間がメイン。しかし明治以降、畳を入れることが一般的になりました。そして今、フローリングに戻りつつあります。この時、素足でもあまり寒くない様、フローリング下に断熱材がたっぷり入れ込まれています。裸足で、家の材料を感じつつ過ごすのは、日本の特徴です。

一方、欧州は、ベッドの上以外は靴ですし、寒さを避けるためrに、カーペットを使います。カーペットは、どこでも敷く毛足の短いものから、ここぞという時に使う毛足の長いものまでいろいろ。これらを掃除する必要があります。

ミーレ C2のメインヘッド。
見慣れたローラーはない。


ポイントは、毛を傷つけることなしにというところです。このため、カーペットが基本となる欧州の掃除機のヘッドはトーラーを持ちません。日本の掃除機を使っている人には、「手抜き」と思われるくらいです。しかし、これが欧州の由緒正しい掃除機なのです。最近のスティック型掃除機はどんどんローラーが取り付けられています。それは、弱い吸引力をサポートするためです。
スティック型掃除機はコードレスのバッテリー駆動。このため、吸引力は弱い。それをサポートすつためのローラーです。本来のカーペットは、吸引力の強い掃除機を枠だけのヘッドでゆっくりかけます。これが最もカーペットを傷めず、きれにする掃除機の掛け方です。

●表からヘッドを見たところ、


 
■日本にはない発想 なんでも掃除機できれいにする。
そして、もう一つ日本と違うのが、弱い吸い込みを巧みに使うことです。
日本は、「標準」「オート」「強」の3つが当たり前ですが、ミーレは弱い方から「カーテン・衣類」「ソファー、クッション」「カーペット、ラグ、畳」「エネルギーセーブ」「毛足の短い(敷き込みの)カーペット」「硬質フロア、フローリング。汚れのひどいカーペット」の6段階あります。この微に入り、細に入った分類もミーレらしい。

今となっては、ヘッドより驚きの深い、6段階操作。


日本はメーカーは、ユーザーに判断しなくてもいいように、同じモードで何でも済ませようとするが、それは割と邪道だと思います。自分がホウキなどで掃除している時などを思い浮かべてください。無意識下のうちに加減していますよね。簡易化は、知らなくても使えることを導きますが、それだけでは、やはりおかしいのです。私は「強」だけと言う人を知っていますが、やはり考えて丁寧に掃除をしている人には敵いません。大半はそれで用が足りても、吸い込みすぎて「しまった」という経験は、誰しも持っていると思います。

るわけだからだ。特にアタッチメントは、専用の小型スタンドがついている。アタッチメントが小型のため、失くさないようにとの配慮だろうが、ただ同梱されているその他メーカー品とかなり異なる。

 
■一度触れておきたい掃除機
これを進めるとしたら、日本ではまずペットの抜け毛にこまっているひとですね。まず、ローラーがないので、毛が絡みつくことはありません。その上、吸力は抜群。紙パックが、どんなにふくらんでも破れることはないでしょう。絶対楽です。

数々のアタッチメント。このうち、1つは布団用に使える。
当然、パワーは低く抑えて。


次はカーペット趣味の人。そして、本格的な西洋建築に住んでいる人。

そして、あまり高額でないことを考慮しますと、初めの一台としてもありかもしれません。
買う、買わないはおいておくとして。是非、一度は触って補佐いいモデル。そうすると、どこにお金をかけてあるのかが、分かります。掃除機の深みがわかると思います。

 
 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://www.miele.co.jp/domestic/index.htm
 


 

 
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2022年11月6日

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