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家電関連の「GOOD DESIGN AWARD(グッドデザイン賞)」2020


芸術の秋だからと言うわけではありませんが、10月にGOOD DESIGN AWARD(グッドデザイン賞)が発表されます。
主催は、公益財団法人日本デザイン振興会。分野は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど多岐に渡っており、日本で唯一の総合デザイン賞です。
2020年は、審査対象数:4769件、受賞件数:1395件(受賞率:29.3%)、受賞企業数;974社でした。
多いですって。そりゃそうでしょう。「大賞」ではありませんからね。大賞は10月30日に発表される予定です。しかしそれでも狭き門と言えます。

デザインはエントリー制ですから、どんなすごいデザインでも、手をあげてエントリーしなければ賞は受けられません。賞を取ると、赤い丸の中に、白抜きの「G」がデザインされた「Gマーク」を使うことができます。ただし使用料を振興会に収めることが必要です。

さて今年、2020年は、どんなものがエントリーし、どんなものが受賞したのでしょうか?
家電を中心に、数点ピックアップしてみました。

 
◾️iRobot ルンバ s9+
●メーカーのデザインポイント
○ルンバ初のD型を採用。部屋の角や隅も逃さない「完璧な清掃」を実現しました。
質感のあるマットブラックとカッパーの組み合わせ。掃除機でありながらも部屋に飾りたくなるようなデザインを目指しています。
○本体中央にメタリックな円盤を配置。回転しても円盤が留まっている様に見え、清掃中も優雅さを損ないません。

●審査評価
ロボット掃除機の先駆けであるアイロボットのルンバは2002年に登場し、すでに18年が経過しているが、本モデルで今までの流れを大きく変えるフェーズに入った、大きな進化を遂げた。そしてその進化を感じられるポイントとして、ロボット掃除機のアイコンともいえる丸形から D型への変更でより合理的な機能をデザインとしても表現した点と、フラッグシップモデルとして、視覚的な意匠面だけではなく、五感を通じてプレミアムな表現を追求し、動きや音、質感にも こだわり造り込んだ点が挙げられる。この新しいルンバは今まで以上に「人と生活を共にする」ことを意識して作られた ことが伝わり、市場に多くみられる類似品とは異なる、アドバンテージを感じさせる。

●製品URL
https://www.irobot-jp.com/product/s-series/
 
◾️東芝 過熱水蒸気オーブンレンジ 石窯ドーム「ER-VD7000」
●メーカーのデザインポイント
誰でも分かりやすく使いやすい様に、利用調査・分析などに基づき完全リニューアルして設計した、画面デザインGUI(グラフィック・ユーザー・インターフェイス)
写真やイラストを効果的に使い、搭載機能や加熱方法などの操作が取扱説明書を見ずに直観的に把握できる様に配慮
高い視認性と操作性を追求し、目線近くに配置した業界最大5インチカラータッチ液晶画面と操作を遮らないハンドル
キッチン空間との親和性を求めた、風合いのあるマット基調のノイズレスな外観デザイン

●審査評価
使わないときは、シックでミニマルなインテリア性に配慮したデザインだが、使用時にはわかりやすいカラーLCDと認識しやすいIGDで操作性に配慮している。メニューを選択すると、その食材を入れる器や次にする操作などの補助説明があり、ユーザーの迷いを解消したり次の準備に備えるなどの「行為のデザイン」に配慮したGUIが実現できている。

●製品URL
https://www.toshiba-lifestyle.co.jp/living/microwave/er_vd7000/
 
◾️タイガー魔法瓶 土鍋圧力IHジャー炊飯器 <炊きたて>シリーズ“ご泡火(ほうび)炊き JPL-A型 注)タイガー魔法瓶は、別の機種でもグッドデザイン賞を受賞しています。

●メーカーのデザインポイント
○だんらん、家庭でのおいしいごはんを想起させる、親しみや優しさを表現した造形
窯と蓋にサイズ差をつけ、内蓋の取り外しを簡素化することで自然な操作へ誘導する工夫
感覚的操作のための2種類の操作仕様。フィジカルボタンによる基本操作、大型タッチ2重液晶による詳細設定

●審査評価
従来の炊飯器に多い面が歪んで見えるメンブレンシートタクトからの進化がみられ、 美しい表面処理が実現している。メインとなる操作はフィジカル、詳細はタッチLCDにすることで頻度に応じた直感的な行為を促しその簡素化がUIの分かりやすさに通じている。段違いの蓋は特徴的な意匠だが、これが内包する土釜を連想させていて、調理へのこだわりの好印象を与えている。

●製品URL
https://www.tiger.jp/product/ricecooker/JPL-A.html
 
◾️キヤノン コンパクトフォトプリンター [SELPHY SQUARE QX10] 注)キヤノンは総計10個の製品で受称しています。その内の一つです。

●メーカーのデザインポイント
○インクと用紙、約20枚の写真シール紙をプリント可能なバッテリーを小型ボディに完全内包するポータブル性
○多彩な写真加工機能を搭載したスマートフォン専用アプリと高画質プリントユーザーの創作意欲を刺激
○プリンタ自体を被写体として撮影したくなるような写真映えする本体上面の立体テクスチャデザイン

●審査評価
写真を耐水性のシールとしてプリントアウトできるポータブルプリンターである。SNSにアップする為に写真を撮るだけでなく、プリントアウトした写真を使った場面を更に再発信するという、ポータブルプリントならではのストーリーは面白い体験になるだろう。正面に施されたパラメトリック立体テクスチャは、デザイナーの意図通り陰影が美しく、この製品のモノとしての魅力を大きく高めている

●製品URL
https://cweb.canon.jp/miniphotoprinter/lineup/selphy/qx10/
 
◾️カシオ ネイルプリンター [ネイルプリンター] 注)カシオは3製品で受賞

●メーカーのデザインポイント
美容を扱う空間や道具と調和し、新しい体験への期待感を高めるシンプルな形状と素材質感の処理。
○プリントする際に外した指輪等のアクセサリーを置くことができるトレー形状の天面デザイン。
○印刷する指に応じて、手の固定に適切な空間を設け身体への負担を軽減

●審査評価
該社が培ってきた画像処理技術やプリント技術が活かされ、カーブした爪の横まで歪みなく綺麗にプリントできる点、化粧品メーカーと共創して設置場所をイメージした商品に仕上げている点において評価された。形状的には上部に指輪や携帯を置けるようなトレイを設けていて、全体的にプレーンな形、質感に仕上がっている点も高評価。今後、もっと手間なくプリントできる技術の進化に期待すると共に、両社の共同で開発・発信される商品に期待する。

●製品URL
https://web.casio.com/nail/ja/
 
◾️ケルヒャー 高圧洗浄機 [K MINI]
●メーカーのデザインポイント
収納一体型であり、セットアップと片付けが簡単に行える。また収納場所の省スペース化も実現
新採用のプレミアムフレックス高圧ホースは、細くしなやかで丈夫。扱いやすくコンパクトに収納できる。
○コンパクトなデザインのため、軽く持ち運びが簡単。また、付属品が収納ケースに収まるので紛失も防げる。

●審査評価
確かに従来の高圧洗浄機は大きくてうるさい。私もそのユーザーの一人である。ところが本商品は本体が劇的に小さくなり音も抑えられている。使用時だけでなく、ホースや電源ケーブルの収納もコンパクトにまとめられて場所を取らず、日本の住宅事情を考慮し開発されたということが納得できる。それは結果的に高圧洗浄機を使い始めるハードルを下げることにもなるだろう。一目見てケルヒャーとわかる独自性があるデザインは好感と安心感を維持しつつ進化している。

●製品URL
https://www.kaercher.com/jp/home-garden/pressure-washers/k-mini-16000500.html
 
これ以外の家電メーカーの製品も受賞している。興味のある人は、以下のURLより気になるメーカーを探して欲しい。
https://www.g-mark.org/activity/2020/list.html
 

 
#グッドデザイン #グッドデザイン2020 #生活家電.com

2020年10月5日

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