レポート

ハイブリッド掃除機という考え
ツインバード コードレスワイパースティック型クリーナー「フキトリッシュFree」TC-5175


ダイソンが市場を引っ張っているせいでしょうか? 掃除機の要素で、ユーザーから出てくる声は「吸引力」です。このため多くの掃除機は「吸引力」を商品力の中心に据えます。しかし、そうは言うものの、それには「高性能モーター」「巨大容量バッテリー」「吸い込みやすい気道の確保(ヘッドとパイプ部分)」「真空状態にしやすいヘッド形状」「ゴミを浮かせるヘッド構造」など、いろいろな技術に支えられています。

 
これ以外にも床材(フローリング、カーペット、畳など)、フィルター、筐体設計になども、キレイにすることには大いに関係があります。要するに、掃除機は、半端な技術だとなかなか参入できません。

多くの場合、問題になるのはヘッド周り。これは、いろいろな床材を用いる日本が最も多様性に富んでいます。海外の場合、カーペット基準ですから、ヘッドは「枠」のみのものも多い。その中を真空にして、毛の間のゴミを吸い上げるわけです。これはカーペットの毛が一度ダメになると、使い物にならないためです。実にシンプル。

が、今はグローバル時代。最低でもフローリングは視野に入れなければなりません。このため、巨大ローラーを持つヘッドが今主流です。日本メーカーの場合は、畳まで考慮しているので、そんなに巨大にはなっていません。

しかし、いろいろな要素を十分考慮して設計、開発する必要があります。
新興勢力ながら名を馳せたダイソンは、海外メーカーですから、はじめのうちはシンプルヘッド。のちに巨大ローラー。日本メーカーの場合、中々許されないです。

 
◾️ツインバード コードレスワイパースティック型クリーナー「フキトリッシュ不織布ree」TCM-5175
台所家電他で名を馳せているツインバードですが、掃除機はまだまだ発展途上。
このため、彼らはコンセプトをきっちり磨いて組み立てます。

写真だとかなりスマート見える。


ツインバード「フキトリッシュFree」のアイディアがどこから出てきたのかわかりませんが、「掃除機」と「ワイパー」のハイブリッドです。

手を離しても立ったまま。自立式。


ハイブリッドはいろいろな意味で便利なのですが、逆な言い方をすると中途半端に終わる可能性があります。それは、ハイブリットを重視するが余り、もともと持っていた良さを打ち消してしまう可能性があります。

異形のヘッド部。
だいたい、掃除機ヘッドよりワイパー部が大きい。


では「フキトリッシュFree」はどうだったのでしょうか?

 
私が見る限り、中々いい感じに纏まっています。
それは、スティック型掃除機、ワイパーともに、「手軽」と言う共通項を持っているからです。
そしてその共通技術要素は「軽さ」です。

 
スティック型掃除機は、今、軽量化の真っ最中。
ダイソンが日本用に徹底的に軽量化した、Dyson Digital Slim は1.9kgです。
これはダイソンが「手持ち式」のスティック型掃除機ですから、使えば使うほど手が疲れてきます。このため、軽量化による手への負担を減らすことが必要だからです。

しかし、スティック型掃除機の中には、手にほとんど負担をかけないモデルが存在します。エレクトロラックスなどが採用している「自立式」と呼ばれるタイプです。

 
ツインバードが「フキトリッシュFree」に採用したのは、「自立式」です。
自立式は、手持ち式に比べて、重いものが多い。理由は、その構造で。手持ち式、自立式も、ハンディ掃除機の延長線上にあります。

そのハンディ掃除機に、ポール、ヘッドをつけたのが手持ち式です。
一方、自立式は、ハンディ掃除機をフレームに嵌め込みます。そして、そのフレームをヘッドにガッチリ装着させることにより自立させます。自立しやすいようにハンディ掃除機は床面近くにセットします。このためハンディ掃除機を直接手で持つことはできません。このフレームが重いのですが、自立式は、キャノスター掃除機のように、床がその重さのほとんどを支えますので、手への負担は軽くて済むと言うわけです。

 
◾️フレームをバーに変えろ!

重いのがフレームなら、フレームをなくせばいいじゃないか!

ツインバードの出した答えです。
ツインバードは、本体をフレームに嵌め込むのではなく、本体にアルミパイプを刺しこむことにしました。これで軽くなりました。

基本パーツ。
取手&柄、本体(ハンディクリーナー)、ヘッド。


また、ハイブリットということなのでしょうか。モーターも小型。バッテリーも軽く。モーター、バッテリーは掃除機開発の核となる技術ですから、最新のものだと、それでも十分なのですが、そこの強い技術のないメーカーは、ちょっと前のモーター、バッテリーを使います。その時は、モーターは非力、バッテリー容量も大したことはありません。

 
正直、ツインバードの掃除機の掃除機部分は、そんなに大したことありません。非力と言ってもいいかもしれません。しかしそれでも、大きめのホコリは確実に吸い取りますが、フローリングの隙間の細かなホコリを取り切るには、吸引力が足りません。

しかし、それを補うのが、ワイパー部。コンタクト型ですから、確実にキレイにします。吸引掃除機としては大したことありませんが、双方の機能を総合すると簡単にキレイにできるのです。ただ、ゴミ、ホコリの付き方から見ると、70%位はワイパーの威力という感じです。

ワイパーは、このプレートに巻き付け使用する。
ヘッドへは磁石吸着。


何度も使用できる布製。


 
◾️夏にピッタリ
このワイパー部は平面プレートに、雑巾モップを巻きつけて使用します。洗って何度も使える布製のものが同梱されていますが、基本サイズ、30×20cmの市販使い捨てのワイパーも使えます。

これがかなり便利。ウェット型で丁寧に掃除すると、足触りも変わってきます。
夏にピッタリという感じです。

 
ただし、それが万人受けするのかは、別物。
というのは、単独機能だと物足りないというのが、現実です。

 
◾️まとめ 総合掃除機という思想
「フキトリッシュFree」は、極めてユニークな掃除機です。
単機能だと不足する性能をハイブリッドにして対応し、効果を上げています。
完璧とは言えませんが、家事の効果は、最終的には自分判断。自分が満足できる程度キレイにできれば問題ありません。

もう一つの魅力は価格ですね。希望小売価格:15,000円(税抜)。
相当に安いです。

今までにない「総合力」勝負の掃除機は、独特の魅力があります。

 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
http://www.twinbird.jp/products/tc5175.html
 

前のモデルです。

 

 
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2020年8月16日