レポート

それでも欲しい、スマホ用ポータブルプリンター
日本HPの『スプロケット』〜その2:ここが魅力編〜


前回レポートでは、写真としての出来は、許容ギリギリということでした。これは4色の熱反応色素を使用する限り、全てのメーカーに似た事が言えます。大型のプリンターでも、4色トナーのレーザープリンターを写真用に使うことは滅多にありません。その代わりに熱反応色素を使用したプリンターが実現していることは、安定した即時印刷です。今回は、この即時性に沿った便利さを中心に、「スプロケット」の魅力を検証して見ます。
■手触りまで作り込まれているデザイン
「スプロケット」を女性に見せると、多い答えは「石けん?」「香料?」。
「ポータブルプリンター」と言うと皆驚きます。なんせ、メカっぽさが欠片もないですから。たしかに、丸みを帯びた形、オレンジとピンクを混ぜ合わせたような淡い色味は、「石けん」とか、「香料の塊」のように見えると思います。

hp スプロケット 表面


その上、上面を触ると「すべすべ」の触感。「お肌によさそう!」が加わるのですから、よりその思いは強化されます。が、しかし裏面は滑らかなれど、止まるようにできています。置いて使うものですから、当然ですが、実によくデザインされていると思います。

裏面。手触りが微妙に異なる造りが素晴らしい。


実は、モノを作るとき、結構難しいのが、よく言われる「手に馴染むデザイン」です。手というモノはいろいろなモノに馴染む反面、真の持ちやすさなどを詰めて行くと大変な作業です。と言うのは、四六時中使っているので、その感覚の鋭敏なことと言ったらありません。
モノを作るときに、よく意識外にあるのが「触感」です。触感まで踏まえたデザインは感涙モノです。それを持っている「スプロケット」。間違いなく、素晴らしいデザインと言えます。

 
■充電する時も気持ち良さが続く
充電はUSBです。このケーブルが本体と同じいうのもとても気に入っています。実は世のケーブルのほとんどは「黒」。理由は簡単で、生産効率がイイからです。白だと熱で焼けると色が黄ばみます。他の色だと熱の掛け方によっては、変な色になります。黒はそんなこと、全然気にしなくてもいい。このため、ほとんどの家電に付属しているケーブルは黒なのです。自分の気に入った色のケーブルを探すとなると見つからないのは、これが理由です。
しかもケーブル止めも同色。使い勝手もバッチリのケーブル。付属品も手を抜かない。優良メーカー品は、こうありたいと思える仕様です。

付属のケーブル。持って歩くモノは、その世界観が重要だが、
「スプロケット」は世界観キープのため細部までこだわっている。


フル充電は120分ほど。熱反応型のプリンターは「電気」⇒「熱」にエネルギー変換します。これは実に効率が悪い。ちょっと充電、2枚印刷は出来ないことはありませんが、できる限りフル充電しておいて、印刷するのをお勧めします。

 
■用紙はどんなところでも入れ替えられる
写真フィルムは光が当たると感光し、その部分が使えなくなってしまいます。ペーパー(印画紙)の場合も同様。光感光です。このため、昔のカメラは「暗室」が必要でした。カメラ、フィルム、撮影、現像、焼き付けと、スゴく時間とお金が掛かりました。スマホで撮れる写真など、昔は考えられなかったでしょう。今のデジタルガジェットはそれだけ進化していますし、プリンターも光から熱へ反応を変えることにより、大きな自由度を得たわけです。

シール部分を剥き出しにしたところ。剥離紙をはがすのにはコツがいる。


ペーパーは10枚一組で、アルミ袋に入っています。仕様は1種類のみで、全て裏面シールが付いています。

 
■操作はスマホアプリ
スマホ周辺ガジェットですから、ハードあればアプリあり。
「スプロケット」を操作するアプリを、Apple StoreもしくはGoogle Playから入手して下さい。名前は「sprocket」。アイコンは、ポータブルプリンターが、横から写真を排出しているようにも、「V」の字を描いているようにも見えます。

iPhoneの場合はApple Store、Androidの場合はGoogle Playで入手できる。


登録後すべきことは、どの写真データーを使うのか決めることです。「ギャラリー(スマホカメラで撮られた写真が保管される場所)」「Instagram」「Facebook」「Google Photos」が候補です。本来日本だと「LINE」などもあるといいのでしょうが、まあ元々がアメリカの会社ですから、アメリカナイズされていると言えるかも知れません。

私が選んだのは「ギャラリー」。ギャラリーの場合、スマホ内に写真をストックしていますので、楽です。そしてBluetoothでプリンターに写真を飛ばします。
この様になっているのは、スマホでプリンター用の画素数:313×400dpiに合わせるためです。このためカメラなどで撮った写真をダイレクトにプリンターに送ることはできません。
私は、プリンターへ送る画像データーは、この「sprocket」で処理しました。理由は、オリジナルと区別するためです。当然、ストック元で画像加工するのもありで、ここは各々の使い方に沿って決めてもらえれば問題ありません。
 
■印刷は最速40秒・・・
カタログで印刷は、最速40秒とのこと。Bluetoothのデーター転送にもちょっと時間が掛かるので、合わせて約1分です。特に、データー転送中は、うんともすんとも言わないのでパイロットランプを観ていないと実際に作動しているのか、分からない程です。ちょっとだけ心配してしまったこともあります。

パイロットランプが付いている状態。
音はしなくても、プリンター奮闘中。


 
■シール貼り
プリクラではありませんが、この写真は全部シールになります。必要ないと言う人もいるかも知れませんが、あったらあったでちょっと面白いもの。私は、引き出しの中身を表すのに2〜3枚使いました。が、この手のモノは、欲がでますね。キレイに撮影し直す始末でした。

 
■4分割印刷、9分割印刷
私がとても気に入っているのが9分割印刷です。これは1つの写真データーを9枚で印刷しようというモノ。縦横3倍ですから、15×22.8cm。キャビネとB5の間ですから、かなり大きくインパクトがでます。人に見せるのでもパズルのようですし、何かの暗号という感じでもあります。それぞれに文字を入れて、並べ方によって、別の意味になり、ミスリードとなるトリックなどができれば、スゴく面白いと思います。

欠点は、画質が荒れることですが、このサイズになると結構引いてみますので、荒れた画質も余り気になりません。むしろペーパー精度と印刷精度の兼ね合いで、微妙に隙間ができる方が目立ちます。

今回は、大関昇進が決まった「貴景勝」(初場所で撮影)の写真を使いましたが、スポーツのトレーディングカードの組み物の様でもあり、気分もイイです。

一カ所だけ隙間ができた。が、お目こぼしできるレベル。


「9枚も使って!」という人もいらっしゃるかも知れませんが、今キャビネサイズで写真を焼く、それなりに掛かります。9枚ペーパーを使うのと、イイ勝負の価格です。

 
■「スマホdeチェキ!」と価格比較 アマゾンを用い、ちょっと価格比較してみます。

本体価格は、スプロケットの方が高いのですが、ランニング・コストがかなり違います。長く使うには、スプロケットの方がお得です。また、チェキの場合、女の子の受けがいいキャラ入りのフィルムは、これより高くなります。

ちなみに、hpのオンライン・ストアでは特別キャンペーンで、アマゾンよりお得なこともあります。是非、チェックしたいところです。
http://jp.ext.hp.com/directplus/personal/?jumpid=st_cn_p_sh_ya_bra_nam-td2
 
■あると遊べる!楽しいガジェット!
スマホ用のポータブルプリンターは、あるといろいろなことに使えるのでとても楽しいです。写真は本来、眺めて楽しむモノですが、その楽しみをタップリ教えてくれます。すべてデジタルデーターだけでという楽しみからも悪くないですが、「手に取って眺められる」、すぐ目に付くところに「置いておける」、「貼っておける」。
また、「メッセージを書いて、人に渡せる」など多種多様の楽しみ方、コミュニケーションが自分のものになります。

また、自分が持っていなくても、数人でお金を出し合い本体を買って、自分が使う分だけペーパーを買うとか、安く遊ぶ方法もあります。

私のお勧めは「旅の夜」ですね。
カメラ、スマホを問わず、昼間撮った写真はネットに揚げてしまいます。それを観ながら、友だちとお茶します。「これイイネ!」となったら、サッサと印刷して、感想を添えて渡すわけです。唯一無二の思いで。その場の勢いもありますので、後で同じ事ができるとは限らないわけです。アナログならではの楽しみでもあります。

一手間掛かったコミュニケーション、イイモノです。

 
商品のより詳しい情報は、hpのホームページにてご確認ください。
https://www8.hp.com/jp/ja/home.html
 
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2019年4月11日

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