新製品

新しい提案!ふとん掃除には、「ふとん乾燥機」&「ふとん掃除機」で!
「複合」家電ではなく「複数」家電の意味


先日、三菱は「ふとん乾燥機」と「ふとん掃除機」の新製品発表会を行いました。
普通こんな時は、「三菱電機 ふとん乾燥機:AD-X80」などの様に、商品名がメインに来ます。ところが今回のタイトルは「ふとん乾燥機・掃除機によるふとんケアの考え方について」です。
製品のカテゴリーは出ているのですが、新製品名、型番はない。
非常に珍しい形です。
私は時代が変わるのを感じましたね。

20160412 MI ふとん乾燥機・掃除機によるふとんケアの考え方について 資料_001

このタイトルで発表された三菱の新製品。


 
■ふとんケアに必要なこと
何故、ふとんケアが必要かというと、基本は「カビ」と「ダニ」対策です。
双方ともアレルゲン物質となります。
ちょっと独特なのはダニで、生きているダニはアレルゲンとならないのですが、ダニのフン、脱皮カス、死骸がアレルゲン物質となります。
アレルギー体質の人は、これで喘息の発作を起こしたりします。

ここでふとんケアという概念を出してきたのは、「レイコップ」ですね。
確かに、キャニスター型掃除機に、「ふとん掃除」の時のアタッチメントはありましたが、深く考えて作られた製品とは思えないというのが本音。使うときは、ユーザーの負担が大きいものでした。

 
さて、生活家電.comは、豆知識に「アレルゲンのお話」と題し、状況をまとめてあります。
その結果、分かることは、ふとんの中にダニがいること。そして、それを殺すには「熱」が一番確実と言うことです。

「UV(紫外線)は?」と聞く方もあるかも知れません。
確かに、医療でも「熱湯消毒」「UV消毒」があります。が、考えて見てください。ダニは外骨格(人間の様に骨に筋肉が付いているのではなく、固い覆いの中に筋肉を有する。最も有名な生き物は昆虫。)です。ヨロイに身を包んでいると言ってもいい。また、紫外線は遮蔽物のない所で、100%の効果。遮蔽されればされる程、効果はなくなります。住処はふとんの中ですからね。当然100%到達はしません。そう、UVは、はなはだ心許ないわけです。

次に「振動」です。
「叩き出す!」という言い方は割りとカッコイイのですが、実際はダメですね。
人間だって強風の時は、手当たり次第しがみつきますよね。しかもダニはかぎ爪。しかもカブトムシとはいかないまでも、虫系はパワフルですからね。

 
また、「昔から行われているふとん干し、日光消毒は?」と聞く人もいるでしょうね。
UVも、熱も半端ですからね、直接的にダニを殺すことはできません。
しかし意味は大いにあるのです。
それはふとんの中の湿度を下げるからです。

ダニは高温多湿を好みます。これが低温になったり、低湿になったりすると、住みにくくなります。
その時は、生きていくだけで、卵を産むなどの繁殖活動はしません。
子供を育てる環境が整っていないというわけです。

つまり、殺しはできないのですが、生息数を増やすこともないというわけです。

 
■ふとん掃除機のゴミ
今、世の中に非常に多くのふとん掃除機があります。
専用型、兼用型、1万円を切る価格のものから5万円を超すモノまで、本当にいろいろです。

どれでもイイのですが、一番初めに使うとスゴくゴミが取れます。
感動的な量です。

20160412 MI ふとん乾燥機・掃除機によるふとんケアの考え方について 資料_002

三菱電機の資料から転載


実は、これほとんど繊維ゴミ、そして人間のフケ・アカなのです。アレルゲン、つまりダニのフン、脱皮カス、死骸は少ない。しかもこれらは肉眼では、ほぼ捕捉することができません。
ここは十分注意することが必要です。

 
■ベストのふとんケア
いろいろ書きましたが、もうお分かりですね。
ベストの方法は、ふとん乾燥機の熱でダニを殺し、その死骸を吸引力の高い掃除機で吸い取ることです。

このためには、蓄熱性が高く、ふとんの隅々まで高熱化できるふとん乾燥機。
そして、吸引力が高いながら、ふとん上でスムーズに使える掃除機です。

 
1つのことに2つの家電を用いることは、いろいろな場合あります。

例えば、シャツをきれいにする。
これは洗濯機+アイロン。
料理もそうですね。ハンディブレンダー+電子レンジなどです。

しかし、今回の様なアピールの仕方はされていません。

 
何故、三菱は今回の様なことをしたのでしょうか?
多分、ふとん乾燥機に変わるモノが存在しないからだと思います。
熱を掛ける家電がないわけではありません。
アイロン、ドライヤーなど、幾つかあります。

しかし、60℃という温度を30分近く、負担なくふとんの隅々まで行き渡らせるものはないのです。

 
そして、もう一つ、このままだとふとん掃除機というカテゴリーがなくなる可能性があると考えたからではないでしょうか?
先に話した通り、ふとん掃除機はものすごくゴミを取ります。
そのゴミの多くはふとんを形成する繊維ゴミと、人体から出てくるアカなどのゴミ。

アレルギー性喘息の人は、少しでもアレルゲンがあれば、発作を誘発します。ですから、例えば吸引力の足りないふとん掃除機を買った人は、「ふとん掃除機は意味がない」と極論する人も出てきます。大きくなると、マイナスイオンの様に、「効果が認められない。」ということで自粛に追い込まれます。

こうならないためには、一番的確な方法を、ユーザーに認知してもらうしかないわけです。

ふとんは掃除すべきモノです。
足で歩くと汚れるので、床を掃除しますよね。ふとんはそこで寝ますよね。この時、ふとんは住居と同じですね。
汗もかくし、汚れもするわけです。
それをキレイにするためのふとん掃除機は、必要です。

 
■ふとん乾燥機 AD-X80
今、収納性を上げるために、乾燥マットではなく、敷きぶとんと掛けぶとんの間に温風を拭き込み熱をかける製品が多くなっています。確かに乾燥マットは嵩張りますので、それがないタイプは確かに収納性が格段によくなります。

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左)オレンジ色の部分が乾燥マット、右)AD-X80本体。本体だけなら収納は楽なのだが・・・


ただし、この乾燥マット、ふとん全体を高温下にするのは非常に有利。
歌舞伎ではありませんが、「隅から隅まで、ズズズいと!」という感じ。
つまりダニをより確実にやっつけるにはピッタシです。
特に今回のAD-X80は、ダニ殺しを確実にやってのけられる様、設計されています。

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左)AD-X80のデモ、右)ふとんの隅から隅まで、ダニを殺せる温度になっている。


20160412 MI ふとん乾燥機・掃除機によるふとんケアの考え方について 資料_004 ちなみにダニは、ふとんだけでなく「まくら」にもいます。
フケは当然こちらが多い。ダニにとっては豊富な食べ物があるというわけです。
これに対しても抜かりはありません。
まくら専用乾燥マットを用意しています。

確かに手間は掛かりますが、アレルギー性喘息などの持病を持つ方には、「是非」と勧めたいです。

 
■コードレススティッククリーナー iNSTICK(インスティック) HC-VXF30P-N
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左)HC-VXF30P-N(ピンクゴールド) ふとん掃除用アタッチメント付き、右)HC-VXF20P-S(シルバー) ふとん掃除用アタッチメントなし


ふとん乾燥機 AD-X80のパートナーは、コードレススティッククリーナー iNSTICK(インスティック) HC-VXF30P-N。
元々、デザインが良くインテリア雑誌などで紹介されていたiNSTICKですが、今回のモデルは、ふとん専用のアタッチメントが付属します。

 
 
ふとん掃除機は割りと厄介なものです。
専用のモノがあると確かに便利です。しかし、メインの掃除機に加え、専用掃除機を持つとなると収納スペースも、お金も掛かります。
今回はヘッドとパイプを外せば、スティッククリーナーがハンディ型掃除機になることに着目。
ハンディ掃除機のアタッチメントの1つとして、ふとん専用のモノが用意されたわけです。

でもそれなら、「キャニスター型掃除機を使った方がもっとよく吸い込むのでは?」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
吸引力だけを、その通りなのですが、実はふとんの場合、吸引力が強すぎると吸い込まれて動かなくなってしまいます。
このため吸引力はそれなりに強く、そしてボディ前提でふとんを抑えるのが望ましいのです。

 
iNSTICK(インスティック) HC-VXF30P-Nはバランスよく、作ってあります。

20160412 MI ふとん乾燥機・掃除機によるふとんケアの考え方について 資料_006  
ちなみに、大きく重そうに見えますが、これふとんに置き、それを押して使います。
持つことがないために、手への負担はほとんどありません。
女性でもラクラクです。

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ポイントは持ち上げないこと。ラクラク使えます。


新型のiNSTICKの違いは、ふとん掃除が上手くできることだけではありません。
バッテリーの充電時間も短くなりました。
120分でフル充電だったのが、90分でOK。標準:約20分、強:約10分の掃除が可能です。

 
■第一印象
ふとん乾燥機は、ダニ殺しに特化という明確なターゲットに沿って設計されており、好印象。
私は、秋口、体力を落とすと、アレルギー性喘息の発作が起きるため、かなり欲しいです。

ただ、iNSTICKのふとんアタッチメントは、よく考えられているのですが、まだ熟れていない感じがあります。
例えば、ふとん掃除の場合、先に書きました通り、ふとんを吸い込まないように押さえ込む必要があります。
このため、通常の掃除機のヘッドの様に、吸入口の幅をヘッド幅ギリギリに寄せるという仕様になっていません。吸引口はヘッド幅に比べある程度狭く、その余った部分でふとんを押さえ込むわけです。

しかし、このアタッチメント、その目印がないのです。
普通の掃除だと、ヘッド幅と吸入口がほぼ同じなので、掛けた所に少し掛かる程度に次を掛けてやることで、問題は発生しないのですが、ふとん掃除機は、余り部分が大きい。少し掛かる程度ではダメです。
しかも、生きている内はダニもアレルゲンではないのですが、ふとん乾燥機で殺していますからね。立派なアレルゲンと化しているわけです。
目印がないと確実な対応は厳しいわけです。

DSCF2229-2 本人がシールでも貼り、対応すれば問題解決ですので、小問題ですが、やはり十二分に検討されているかと問われれば、不十分なところもあるという感じがします。
これ以上は、製品をテストしてレポートしたいと思います。

 
商品のより詳しい情報は、三菱電機のホームページにてご確認ください。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/index_p.html
 
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