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日本でも流行るか?
シャープ 蚊取り機能付き プラズマクラスター空気清浄機「蚊取空清」


先に「思うこと」でCMのことを書いたシャープ 蚊取り機能付き プラズマクラスター空気清浄機「蚊取空清」を詳しくレポートします。
■蚊 〜どこが害虫なのか〜
人間を害する昆虫はいろいろといます。
蝿、ノミ、シラミ、ダニ、ゴキブリ、そして蚊。
住まいなども入れると、シロアリなども含まれるが、冒頭の害虫だけでも十分脅威ですね。

日本の蚊、3種類

日本の蚊、3種類。 シャープの配布資料より。


 
脅威になる理由は2つ。

1つは血を含む体液を吸うモノが多いこと。2つめは病原菌を媒介するためです。
昆虫は体が小さいため、吸われる体液は少ないことを考えると、1つめは我慢できる範疇かも知れませんが・・・。

問題は、2つめの病原菌を媒介することです。
代々木公園の蚊がデング熱を媒介したとして騒ぎになったのは、ついこの間のことでした。通常の統計で、死因の多くは非感染の病気(例えばガン)ですが、感染症はひとたび火が付くと手が付けられない状態になります。感染症が拡がり、人々がパニックに陥るのはパニック映画で観られた方も多いと思います。

蚊は吸血する時、血液が凝固するのを防ぐために、特殊な体液を流し込みます。つまり蚊の体液が一部、人間の体に侵入するわけです。そう、この体液と共に病原菌が人の中に入るのです。

 
■蚊 〜その習性〜
蚊は、二酸化炭素量、温度、湿度の差により、獲物を認識し、寄っていく性質があります。
二酸化炭素量は多い方、温度、湿度は高い方です。
面白いのは色ですね。黒によるのです。これは同じ場所だと、黒の方が他の部分より良く吸熱するため温度が高くなるからだと言われています。

基本、飛んで移動する蚊ですが、飛行能力は余り高くありません。
ビルの2、3Fは外壁にしがみつける部分がほとんどありませんので、蚊の被害は受けにくいです。
また、風が吹いてもダメ。
飛距離はともかく、飛行能力は高くありません。

ちなみに、知り合いの女の子で、蚊は日光で死んでしまうと思い込んでいる子がいました。血を吸う=吸血鬼、で日の光で滅ぶと考えたのかも知れません。
ただ日光を嫌うのは事実。
彼らの住処は、薄暗く、温度が高く、湿度が高いところ。
熱帯の物陰などは、彼らの天国です。

 
■「蚊取空清」の蚊の捕獲方法
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深い黒が象徴的な、蚊取空清。
空気清浄機には重い黒も、機能の一つ。


シャープ「蚊取空清」。これはプラズマクラスター空気清浄機に、蚊取り機能を付け加えたモノであり、プラズマクラスターは蚊取りに基本影響しません。

で、シャープが考えた方法は、蚊の特徴を上手く使ったモノでした。
まず、蚊を引き寄せるのは、UV(紫外線)と本体の黒色、そして小窓の暗闇です。

UVは昆虫には可視領域であり、波長にもよりますが、好む昆虫も多いです。
ただしどの波長のUVで、どの位効果があるのかは、公表されていません。
黒色は前述の通りです。

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横にある小窓から青いLEDが見える。UV発光部の目印。(UVは可視光ではありあせん)


近くによると空清の吸い込み力が威力を発揮します。
蚊の飛翔力を上回れば、蚊は気流に流されるわけです。

そして最後は粘着シートですね。
蚊がよろめきながら飛んでいくうちに貼り付いてしまうわけです。
ごきぶりホイホイと同じ考え方です。

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吸込口より先は、通常のプラズマクラスター空気清浄機と同じ。


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蚊取りシートは、フィルターの逆側にある。
気流に逆らった蚊が捕らえられる仕組みになっている。


捕獲率は、日本での試験結果で最も悪いヒトスジシマカで約88%。スゴいモノです。

百聞は一見にしかず、ビデオをご覧ください。



 
■ASEANで開発した技術
シャープは、グローバル企業であり、いろいろな国でいろいろな家電を開発、販売しています。

「蚊取空清」を作ったのは、マレーシアのチームだそうです。
日本でも蚊の害に困る位ですから、日本より南は大変です。

ASEAN圏も今や工業化され、空気、水共にかなり汚染が進んでおり、空気清浄機が欲しいエリアに入ります。で、プラズマクラスター空気清浄機を売りに行くわけですが、それ以前に「蚊」を何とかして欲しいと言うのがリクエスト。

蚊が刺すときに入れる体液に対し、人はアレルギー反応を示しますので「痒く」なりますし、またマラリアが常に流行しているような土地柄ですからね。
PM2.5より差し迫った問題です。

ちなみに殺虫剤は、2日で使い切るペースだそうで、いかに無害と言っても余りよくなさそうです。

シャープは、「24時間、365日 家族を守る」安全で安心な蚊取り機能の開発を、マレーシア保健省医療研究所と共同検討をスタート。

実証テストを行うこと67回。10,391匹、メジャーな3種類の蚊に効果があることを確認し、作り上げたそうです。
ちなみに「安心」を得るために、敢えて殺虫剤などを使わない方法を採用したそうです。

「安心」を盛り込む考え方は、まだ新興国では少なく、「お・も・て・な・し」で名を馳せた日本にはピッタリ。ここは使って行くべきでしょう。

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ASEANエリアの展示を再現。力が入っている。


 
■日本で売れるか?
黒のボディも含め、一つ一つに意味があるこの「蚊取空清」。
ファーストモデルですが、かなり作り込んであります。
文句を付けるところはありません。

ポイントは、どこで、どう使うかです。
今の東京でも蚊はいることはいます。
が、大量にいるとは言えません。

しかも、今の家は窓を開けて涼を取るのではなく、窓を閉めてエアコンで涼を取ります。
このため密閉度も高く、一度閉めてしまえば、蚊の侵入を許しません。

その意味では、空気清浄機として買って、おまけに「蚊取り機能」が付いてきた。
「こいつは夏に便利だ!」という感じでしょうかね。

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「蚊取り」もあるが、「花粉」もあるコンソール。
使いやすい空気清浄機といえる。


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いろいろなシェチュエーションで使える。


発売は4月23日。価格は、50,000円前後の想定です。

 
商品のより詳しい情報は、シャープのホームページにてご確認ください。
http://www.sharp.co.jp

2016年3月18日

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