ニュース

Amazon、ワインの定温管理・保冷お届けサービスを開始


総合オンラインストアAmazon.co.jp(以下、Amazon)は、Amazonが直販するすべてのワインを一定の温度帯で保管管理する「定温倉庫」を稼働。
また、この倉庫の稼働に加えて、配送においても温度管理される「保冷お届けサービス」も同時に開始しました。
main 2Amazonの「定温管理」とは、20度を目安とした一定の温度帯でワインを保管管理および出荷梱包をすることを指しています。
これにより、ワインの味わいや品質を保つことが可能となります。
特に、高価なワインに関しては、定温倉庫内のワインセラーで温度17度、湿度70%の環境で、さらに徹底した管理を施すとのことです。

 
「保冷お届けサービス」は、定温倉庫から出荷されたワインを、引き続き温度管理した状態で、ご指定のお届け先まで輸送するサービス。
高温下での輸送はワインの品質に影響を与える可能性がありますので、「保冷お届けサービス」は有料オプションサービス(1回あたり300円(税込))で、5~9月にかけての夏季はサービスの利用が推奨されています。

 
以下のコメントは、非常に興味深いモノがあり、Amazonのニュースレリーより、そのまま転載致します。

 
ワイン専門家によるコメント——————————————————————————–
Amazonがワインの定温管理を開始したのに際して、「ワインと温度の密接な関係」や「これから秋に向けてのワインの楽しみ方」を、ソムリエの石田博氏に伺いました。

 
■ワインをおいしく飲むためには、 徹底した定温管理が重要

ワインの適切な温度管理は品質保持において大変重要です。それぞれのワインに適した温度で管理することのほか、常に一定の温度で管理・保管・輸送することがワインにとって最適な環境と言えます。温度が急激に上昇すると、液体が膨張しコルクを押し上げ“液漏れ”を起こし、ワインがボトルにこぼれたり、ラベルにたれてしまうなどの状態を引き起こします。

また、最も悪いのは、膨張のあとの収縮した状態です。ワインが収縮するとボトル内に空気が入ることで酸化が進み、品質が著しく低下し、味わいや香りにも大きな影響を与えてしまいます。
温度差による品質劣化は、倉庫から輸送車両に運ぶ出荷時、輸送車両からお店・自宅へ運ぶ納品時に起きることもあるため、一連の徹底した定温管理の下で手元に届くことが、おいしいワインを楽しむためには必要不可欠です。

また、価格が高いワインだけでなく、比較的手頃な価格でデイリーに楽しめるようなワインについても定温管理がされていると、ワインを扱うものとしての意識の高さをうかがうことができ大変素晴らしいです。

 
■いつでもどんな場所でもベストな状態のワインを楽しめることが理想

ワイン好きにとっては、レストラン以外でワインを楽しむ場合でも、いつもどんな時でもベストな状態のワインを楽しめるのは大変嬉しいことです。

例えば、自宅で楽しむためのワインをECサイトで購入しようと思った時に、一定の温度で徹底管理されているのはもちろんのこと、冷えた状態のワインを届けてもらえるのは大変魅力的です。特に夏場の暑い時期は、こういった保冷サービスは重宝しますね。

 
■ワインは在庫資産として幅広く品揃えを拡充し、5年、10年と育成すべき

日本の飲食店経営やワイン販売では、ワインは「流動資産」として捉えられ、また保管できる場所も限られるため、よい状態で長期熟成をした、品ぞろえは困難です。

一方、フランスではワインを「企業資産」として考え、在庫数などにこだわらずによいワインを多く取り揃え、5年、10年と熟成させ“ワインを育てる”ことができています。日本でもこのような取り組みができたら素晴らしいですね。

 
■ワインがもつストーリーを知ると、味わい・香りに深みが増す
~秋のおすすめは収穫時期の情景が美しいブルゴーニュ~

ワインをご自宅などで楽しむ際に、ブランド、価格帯で選ぶことも大事ですが、それぞれのワインがもつストーリーを深く知った上で選び、味わうことが大切です。ワインが生まれた土地や国の歴史、生産までの工程、収穫時の情景など、ワインにまつわる背景を自ら学び、感じることで、より価値のあるワインへと昇華し、おいしく味わうことができます。

秋の季節にはブルゴーニュワインがおすすめです。ブルゴーニュワインはフランス東部ブルゴーニュ地方特産のワインで、特にコート・ドール(Cote d’ Or=黄金の丘陵)は高額ワインが生まれる代表地区として有名です。9月半ば~10月の収穫時期には地区名の由来の通り、ぶどう畑の葉が紅葉し一面に輝く黄金畑となり、大変美しい光景に目が奪われます。ブルゴーニュワインの味は、甘みやふくよかさが特徴で、香りは妖艶。キノコなどの秋の味覚の食事とも大変相性がよく、まさに秋の夜長に楽しむのに最適なワインです。

ソムリエ 石田博氏

2015年8月20日

タグ: , ,