新製品

適度なサイズで、新規顧客獲得を目指す
シャープの新型空気清浄機&加湿器 S-Style


空調家電は、扇風機、サーキュレーター、空気清浄機、加湿器、除湿器などがありますが、基本床置きです。
日本のリビングは、欧米に比べると狭いですからね。これらを置くと人の有効スペースがなくなるのも事実です。
リビング空気清浄機の多くは、空気中の粉じん(花粉、PM2.5 等を含む)をフィルターで、なるべく短時間で清浄しようとしていますので、フィルター面積も巨大。

購入のため、量販店の売り場に行き、リビングの畳数に合った空気清浄機を見ると、愕然としますよね。
そう、大きいのです。
フィルターの大きさが、そのまま本体の大きさになっていますからね。

花粉症、アレルギーなどを病気を持つ人は、購入するのですが、「なんとなくあったらイイかなぁ」という感じの人は手を引っ込めてしまいます。

またデザインも問題です。
どちらかというと存在感を消すのではなく、存在感があるデザインが多い。
音も、AVルームで使う様な完全静音タイプでもないですから、結構五月蠅いです。

このためでしょうかね。
空気清浄機の普及率は、50%を切ります。
ちょっと使ってみようという人には、ハードルが高い家電になっているのです。

 
■ハードルを下げて見よう!
シャープが、この状況の空気清浄機の状況を打破すべき作ったのが、「S-Style」シリーズ、FP-FX2です。

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左)S-Style 空気清浄機 FP-FX2 表側
右)裏面。かなりキレイ。


花粉症、アレルギー対策など明確な要因を持たずに、なんとなく欲しいと思っている人たち、現在のユーザーとほぼ同じ人数の潜在ユーザーに向けた製品です。

 
この製品の特長は「Style」という名が示す通り、このシリーズの特長はデザインにあります。
ユーザーの欲しいデザインを具現化するという訳です。

どんなことでしょうか?
シャープがデザインに盛り込んだのは、

1)それなりの大きさ
2)ライト感覚
3)最終的な効果だけでなく、空気をキレイにしている雰囲気

3)で、「空気をキレイにしている雰囲気」がポイントです。
相手が空気ですので、どうしても「軽い」雰囲気が必要です。
そう、今までの空気清浄機の、巨大、存在感ありありとは違うわけです。

 
■小さくするのはとても大変
空気清浄機を小さくするのはとても大変です。

どれだけ短い時間で多くの空気をフィルターを通過させるのかが、空気清浄機の性能を決めます。
このために、フィルターを大型化させるわけです。

しかし本体サイズが小さいと言うことは、フィルターサイズも小さくなります。
この場合は、風量を上げます。
が、そうするとモーター負荷は大きくなりますし、動作音も出てきます。

なかなか厄介な問題です。

 
■「とんぼの羽根」でブレイクスルー
風量を大きくする場合、多くの場合、ファンを大きくします。
モーターの回転数を上げずに済むからです。
しかし本体は大きくなります。

シャープが取ったのは、ファンの効率を上げることでした。

先生は「トンボ」。
トンボの羽根は、飛行機のように流麗ではありません。
紙を折ったように、凸凹があります。
トンボは、この凸凹の部分で発生する空気渦で、空気を巧みにコントロール。
あの多彩な飛行(急加速、急旋回、ホバリング、連続宙返り、など戦闘機でもできない飛行)を可能にしているのです。

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左)トンボの羽根を応用したファン。赤矢印のところでフィンに折れが入っている。
右)通常のファン。フィンは滑らか。


シャープは、以前このテクニックを「エアコン」に使いました。
同じ回転数で、風量をアップさせる技術です。

今回は、それを応用ですね。
フィンの幅を狭く、そして風量は多くという矛盾した命題を見事に対応したわけです。

 
今回のファンは、白くキレイ。
デザイン的にもそれを活かした、非常にスマートなデザインです。

 
ちなみに風量に関して、触れます。
初めが風量、かっこ内が動作音です。
強:1.5m/sec(43dB)、中:1.0m/sec(35dB)、弱:0.5m/sec(18dB)です。

部屋の気流に関しては、ビルディングの場合、こうした方が良いという基準があります。
気流に関しては、0.5m/sec以下。
つまり、ある程度空気がきれいなったら、「弱」で運転することをお勧めします。

 
■日本の空間にぴったり
話はちょっと変わりますが、オランダに行った時、「あれっ」と思いました。
人の圧迫感が、日本よりないのです。
オランダの人口密度は、393人/km2、日本は343人/km2ですからね。

列車に乗り得心が行きました。
日本と違い国土のほとんどが平面なのです。
日本の場合、山を所有しても、そこに住むことはできませんからね。
つまり居住に使える土地は少ない。
日本はやはり狭いのです。

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中のフィンを見せ、空気を感じさせるデザイン。
S-Styleならではのデザイン。

そのためでしょうか。
4.5畳、6畳が、今も日本のプライベート空間の根底にあります。
フリーリングがメインになった今でも、その状態は続いています。

S-Styleの空気清浄機の能力、max. 6畳。

日本スペシャルと言うべきでしょうかね。
欲張っていません。
その代わりに得たのが、インテリア性です。

 
■プラズマクラスターの効き目
シャープと言えば、の技術に『プラズマクラスター』があります。
プラズマクラスターの横に、7000とか25000という数字が付いています。
これは、機器を壁際に置いて、風量最大運転時に適用床面積(床上から高さ1.2m)の地点で測定した空中に吹き出される1cm³当たりのイオン個数の目安だそうです。

しかし、考えて見てください。
プラズマクラスターは、ユニットシステムです。
20畳のリビングでも、6畳の寝室でも、プラズマクラスター25000だと、放出される個数は変わりません。
が、濃度は変わります。

もっと端的にいうとプラズマクラスターは、密閉度が高く、その畳数(部屋体積)が小さいほど効きます。

S-Styleの空気清浄機:FP-FX2のプラズマクラスターは、リビング用より有効だと思います。

 
■S-Styleの加湿器:HV-EX30
こちらもデザイン優先です。

能力的には、強:300ml/hrですから、指定適用面積:プレハブ洋室:〜8畳、木造和室:〜5畳では、まずまずでしょう。
エアコンでも同じですが、部屋により効きは全く違ってきます。

例えば、私の書斎は、3畳強の屋根裏ですが、天井、壁共にパインの板張りです。
冬場、600ml/hrの加湿を6時間掛けたことがありますが、窓部では結露が起こりませんでした。
断熱サッシと言うこともありますが、板が湿気を吸うのですね。

加湿器は、部屋との相性を見ながら使うことをお勧めします。

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水を感じさせる加湿器のデザイン。
7色の光で、室内がどんな状態にあるのかを示す。


 
■リビング用加湿空気清浄機:KI-WF/FXシリーズも新規
リビング用加湿空気清浄機も、新型になります。

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上)KI-WF/FXシリーズ、下)KC-Fシリーズ


一押しの機能は「パワフルショット運転」。
ソファやカーペットなどに高濃度プラズマクラスターイオンを直接当てて、付着した料理臭・ペット臭・タバコ臭を消臭、菌を除菌するモードです。

ただのフィルター型にはない、プラズマクラスターを上手く使用したモードで、好評だそうですが、今回新たに部屋干し衣類の生乾き臭やスーツなどに付着した30~40代特有の体臭まで消臭できることが実証できたそうです。

空調関係の家電は、効果が目に見えないものが多いです。
これで問題になったのが、「マイナスイオン」(2003年)ですね。
法律の改正などもあり、非常に厄介な問題でした。
この様なことがないように、データーを積み重ねて行くシャープの方法は、好感がもてます。

 
また、空気清浄機を使い方として、掃除機を掛ける時、切るべきか、否かということがあります。
今回のモデルには、掃除で舞い上がったホコリの落下を抑えながら素早く吸じんする「掃除アシスト運転」が新しく搭載されています。
冷暖房時や花粉が飛びかう季節など、窓を閉めたままの掃除をサポートします。

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■睡眠を妨げない動作音の加湿空気清浄機:KC-Fシリーズ
部屋の照明を消すとセンサーが感知して自動で最小15dBの静音運転に切り換わる「静か寝運転」を搭載しており、就寝時に便利です。

 
商品のより詳しい情報は、シャープのホームページにてご確認ください。
http://www.sharp.co.jp/

2015年8月13日

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