レポート

ここまで来たか、EOの骨伝導音響システム
第3回 ウェアラブルEXPOより


骨伝導って知っていますか?
通常、音は、鼓膜で振動を捉え、耳小骨連鎖を経て内耳に入ってくる空気伝導で感知するのですが、音の振動を頭蓋骨に伝え、内耳の中にある内耳液体を振動させ、その音を聞くよる方法です。
Unknown

サンヨーの骨伝導コードレス電話。
耳の部分がスピーカーではなく、
振動板になっている。


空気伝導ではありませんので、どんな騒音下でも電話の声を聞くことができるなどが想定され、研究が進み、一時期、電話などにも採用されたことがありました。

私は、携帯オーディオのヘッドフォンとして期待。幾つか買いましたが、意に沿うモノはまく、数万円をフイにしました。一番の難点は、音が小さすぎるのです。

ところが、今回のウェアラブルEXPO、EOのブースで展示してあった骨伝導システム。
これは、すごく音が大きい。
かなり使えると直感しました。

DSCF0174 ■ポイントは装着部位
骨伝導は、その名の通り骨の振動を使います。
このため、装着は、頭蓋骨が、それなりに感じられるところに装着します。
よく使われるのは、こめかみ、耳の下の顎のかみ合わせ部など。

音が小さいのは、頭蓋骨をギュンギュン振動させることができないためです。

DSCF0172 EOの骨伝導音響システムはひと味違います。
それは装着部位です。
耳たぶの軟骨部分に装着します。

DSCF0173

耳たぶを挟みこむことができる様に設計されている。


この軟骨部分は、フリー。つまりガンガン振動させることができるのです。
その大きな振動で、頭蓋骨を振動させる訳です。
これはちょっとスゴいです。

 
■応用範囲は大きい
今は、ノイズキャンセリング技術が発達し、騒音下でもその騒音を消し、聞き取りやすくできる技術が発達しました。
結構便利そうなのですが、これ言い方を変えると、外からの刺激をシャットアウトするわけですので、そのまま外で行動すると危ないわけです。

特に自転車などだと、人の通常の歩行スピードなどより速い。このため、ヘッドフォンで音楽を聴きながら、自転車に乗ることは禁止されています。

しかし骨伝導だとどうでしょうか?
鼓膜で、外の音を聞いていますので、多少はイイとされるのではないでしょうか?

また難聴の人も、このシステムの電話だとイイですね。よく聞き取れます。

boco eo チラシ_002

いろいろな種類が予定されている


 
■慣れるまでちょっと違和感
このシステム、欠点がないわけではありません。
実は振動がスゴい。
スマホの振動よりビックリします。
(ということは、スマホの振動子としても使えるかも知れません)

多くの場合、それだけ振動が激しいと、四方八方へ小さな音が漏れるのが常ですが、それがほとんどありません。振動の操り方が巧みです。しかし、それだけパワーがあるのも事実です。

 
骨伝導は古い技術ですが、新しいステージを切り開く力を持っていると思います。

2017年1月20日