レポート

健康を貴方に! 現代日本の必需品
象印 ふとん乾燥機「RF-AA20」


干したふとんに寝るのは一種の快感ですし、健康的にもイイことです。
乾いた、そして肌に馴染んだふとんに包まれて寝る気持ち良さは、夏洗いざらしのTシャツ&Gパンを身につけた時の快感にも似ています。
ところが、今、天気が良くても、ふとん干しをしている家を余り見かけなくなりました。
これは、体に悪い浮遊物が、予想以上に外気に含まれるからです。

 
■生活が変わった
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象印マホービンのふとん乾燥機
スマートドライ RF-AA20

春先、ポカポカと暖かい休日の昼下がり。
人が居るはずの家でも、窓が開いていない。
それが今の日本です。

花粉、黄砂、PM2.5 など、いつも何かが飛んでいます。
それが今の日本です。
花粉症の人、ノドが弱い人はもう大変です。

このためか、日本人は、窓を開けて空気の入れ換えをすることをしなくなりましたね。

しかも生活は、朝起きたら直ぐ会社、学校。
そして帰って来た時は暗い。
疲れていると窓を開ける気もなくなります。

洗濯も室内干し。
掃除機も閉めきった状態で掛ける。
そんな人、多いのではと思います。

 
■家が変わった
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シックハウス診断士の啓蒙ポスター
日本の家屋の1つの現状

また家もドンドン変わっています。
今の家は、夏、エアコンもしくはクーラーがあることが前提です。
隙間が多い家だと冷気が逃げますので、密閉度が高いのが基本です。

このため、自然換気から強制換気へと変わりつつあるのですが、それは別稿で論じるとして、換気をしないとどうなるかだけ、言っておきます。

人間が部屋の中にいると、酸素を消費し、湿度を出します。
換気が上手く行っている間はイイのですが、風通しの良くないエリアが出てきた場合、一番困るのは、湿気です。
湿気が籠もると結露。
つまり日本の場合は、カビが生えます。

また、日本は寄生虫大国でもあります。
それだけ、生物が住みよい環境なのでしょう。
昔の話には、ノミ、シラミ、ダニの話がよく出てきます。

今、この中で問題になるのは、ダニ。
チリダニと呼ばれるものですね。
夜な夜な、人の生き血を求めて・・・、それはありませんが、もっと無粋ですね。
糞、脱皮殻、死骸がハウスダストで、アレルギーを引き起こすのです。

チリ(ホコリ)がエサで、25-28℃、60%が最も繁殖しやすい条件。
彼らは、ふとん、絨毯、床溝にいるのです。
ホラー映画の言い方を借りると「奴らは、ふとんの中にいる。」

 
■チリダニ退治方法 その1:ふとん掃除機
このチリダニ退治にいろいろな家電ががんばっているのは、皆さんもご承知の通りです。

方法は大きくわけて2つあります。

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ふとんクリーナーの裏側
1)叩き出し機構、2)吸い込み口、 3)UV照射口

1つめは、「ふとん掃除機」を使う方法です。
韓レイコップ社が、基本を作った「ふとん掃除機」は、「UV除菌」と「振動による叩き出し」を特徴にしています。

が、私はちょっと首をかしげるところがあります。

 
まず、UVの効果です。
黴菌をUV除菌する場合、影を作らず数分照射することが必要です。
「滅菌」状態にするためには、5分程度照射しなければならないそうです。
掃除は、長くても数秒。
黴菌よりタフなダニは死にっこありませんし、どの位除菌できるのかわかりません。

 
次に振動による叩き出しですが、どこまで叩き出すことができるのかもわかりません。

しかも、掃除機は掛け方によってもずいぶん変わります。
床のハウスダストを、それなりのレベルまで取り除くには、20秒/m2、1回/週という極めてゆっくりした掛け方が基本になります。(「喘息予防・管理ガイドライン2012」より)

 
ただし「ふとん掃除機」は全部を取りさることはできなくても、それなりにダニとホコリを除去しているのは事実です。
ゴミの顕微鏡写真でも確認できます。
ただ、全てのダニ、ダニの糞、脱皮滓、死骸を取り去っていないことは十分承知してください。

個人的には、「ふとんを掃除機でキレイにできる」ということを、皆に伝えたことを一番に評価したいと思います。

 
ただし考えてください。
ホコリとダニの一部は取り去ったのですが、掃除で繁殖環境は変わりません。
確かに布団中の空気の入れ換えはされますが、すぐ湿気た状態になります。
十分に乾いていない。

言い方を変えると、すぐダニの繁殖が始まるというわけです。

1週間後、また同じ状態になっている可能性は否定できません。

 
チリダニ退治方法 その2:ふとん乾燥機
2つめは、「ふとん乾燥機」を使う方法です。

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ふとん乾燥機「スマートドライ」の操作部。「ダニ対策」と明記してある。


人は寝ている間に、汗をかくことはよく知られています。
ふとんを乾燥させないと、ふとんに湿気が溜まります。
ふとん干しは、よく日光消毒といわれますが、一番のポイントは、「ふとんの湿度を下げること」にあります。

ようするにダニの繁殖条件と違う状態にするわけです。

 
さらにダニは熱に弱いです。
60℃でほぼ死んでしまうといわれています。
ふとん乾燥機の最高温度は、70℃近辺です。
ふとん乾燥機のダニモードで、ダニをかなりやっつけることができます。(足があるので一部は逃げ出します)

あらかた殺した後は、掃除機にふとん掃除用のアタッチメントを付け、ゆっくり掃除します。
ふとん掃除機のように叩き出しの機能は付いていませんが、吸い込み力が違いますからね。
しかもダニは死んでいるので逃げ出さない。

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アレルゲンに対する掃除に対する
コメントが掲載されている。

そうじのポイントは、メーカー指定のふとんアタッチメントを使うこと。
そして、ゆっくり動かすことです。
通常の床でも、20秒/m2が目安とされています。
ふとんは、繊維が入り組んでいますから、もう少しゆっくりめがイイと思います。

パナソニックの掃除機のようにアレルセンサーが付いている掃除機は、この様な時には、大いに役立ちます。

 
なお、時間がなくて全部できない場合は、顔に近い部分を処理してください。
アレルゲンを体に入れなければ、発症しません。
口、鼻の近くを優先させます。

 
私は気持ち良さと健康を両立させる、ふとん乾燥機を使ったダニ退治をお勧めします。

 
■ふとん乾燥機弱点は収納時にあり
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スマートドライ RF-AA20の特徴の1つ
薄い! 厚み:13cmである。


季節モノといわれる家電があります。
365日使わない家電と定義するのが、イイでしょうね。
要するに必要な時だけ出して使う家電です。

季節モノ家電に必要なのは、使わない時、邪魔にならないことです。
インテリア性を上げ、常に出して置いても問題ないルックスにするか、小型化して収納性を上げるかです。
多くの場合、ルックスを上げるのは難しいので、収納性を上げます。
例外は、スティック型掃除機。
この難題に挑戦し、成果を上げつつあります。

 
さて話はふとん乾燥機です。

ふとん乾燥機は、温風を吹き出す本体、ふとんの中に温風を行き渡らせる乾燥マット、そして本体と乾燥マットをつなぐホースからなりたちます。
本体はともかく、乾燥マットとホースは収納しにくい。

使う時には問題ないキャニスター型の掃除機も、収納は泣き所。
ヘッド、パイプ&ホースをどう収納するか。
スペースが狭いと、本当に四苦八苦します。

 
象印の新型ふとん乾燥機は、乾燥マットとホースがありません。
つまり長方形の本体があるだけです。

しかも厚みは13cm。
この大きさなら、ちょっとした隙間に置くことができます。
「スマートドライ」の名は伊達ではありません。

 
■乾燥時時間はちょっと長め
収納時は、乾燥マットがないことで、大助かりなのですが、乾燥時はどうなのでしょうか?
乾燥マットは本体から出る温風を隅々まで運ぶ役割をしますが、本体からの温風が勝負です。

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左)本体は開いて使用する。黃矢印は空気の流れを示す。
右)ふとんにセットした所。コントロールパネルだけが外に出ている。


お勧め時間を比較しますと、乾燥マットより時間がかかります。
お勧め時間比較で、3割増しという所でしょうか?

これだと、電気代もと思われる人がいるかも知れませんが、時間は掛かるのですが、同じレベルまで乾燥させられるエコモードも用意されています。
エコモードだと、ほぼ同額で乾燥させることができます。

また、設定はタイマーですから、放置しておけるスペースがあれば、問題ありません。

 
実は、時間で一番違っているのは、ダニ対応時ですね。
ある会社のふとん乾燥機は、片面90分、両面180分ですが、スマートドライは、敷き布団と掛け布団を半分ずつ組み合わせ、計4回、全部で360分が推奨されています。

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左)敷き布団と掛け布団を90度クロスさせて、ダニ対策を行う。
右)掃除機は、ふとん用のアタッチメントを付け、ゆっくりかける。


ただ、ダニモードは各社同じ考えで対応しているわけではありませんからね。
本当なら、殺ダニ率とかで計るべきなのでしょうが、生き物としての個体差があること、さらには標準ふとんがないため、種々のデーター提示ができていないのが、現状です。

しかし「6時間+ふとん掃除」ですからね。
時間は掛かります。

 
■使用感
若い頃と体質が変わり、よほど体調が悪くなければ、ハウスダストへのアレルギー反応が出ないので、前後での体への影響への違いはわかりませんが、布団が軽々としてすごーく気持ちがイイですね。
ぐっすり眠れます。

気分爽快

暖かい、軽い、「気分爽快。」
そんな感じ。

その後、寝るごとに、段々ふとんが重くなるも実感できます。
一週間位で、乾燥機を掛ける前とほぼ同等になった感じです。

という意味では、1回/週の乾燥&そうじ、1回/月のダニ退治&そうじが良さそうな感じです。
そうじは、ふとん干しの時叩くことと同じ意味合いですから、1回/週は軽く、1回/月はじっくりとという感じですね。

 
■象印らしい細やかな対応が素敵
スマートドライは、象印らしい製品です。
象印の代表商品は、「魔法瓶」です。
魔法瓶が扱うのは「熱湯」です。
手に掛かると、火傷してしまいます。

象印の製品は、安全に対し愚直なまでに気を使っているものが多いです。

例えば、このふとん乾燥機。
まず、角面がありません。
しかもかなり、徹底して丸みを帯びさせています。

移動させるモノですからね。
角があると、ぶつけた時危ないです。

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左)角は落とし十分な丸みを帯びさせ、ネジは触れないところで使用。
右)本体目立たないところに貼り付けてある簡易マニュアル。


 
スマートドライは、室温の空気を吸い、加熱してふとんの中に出す方法を取っています。
このため空気吸入口が、ふとんの中に入るとものの2秒でブザーが鳴り、停止します。
安全策は万全というわけです。

 
また、季節家電で困るのは、常に使わないので、使い方をど忘れするということです。
ただ、マニュアルと首っ引きは勘弁して欲しいですね。

というわけではないでしょうが、スマートドライは、まず直感的に操作できるように作られていますね。
その上、簡易マニュアルが本体に貼ってあります。
これって、予想以上に便利です。

 
■結論
性能だけから言うと、従来のホース&乾燥マットありでも、悪くはないのですが、「スマートドライ」を使うと格差を感じますね。

ふとん乾燥機は、四六時中出しておくモノでもないのですが、それなりの頻度で使いますからね。
さっと片付けられて、邪魔ないならないのが理想です。
そちらの方は、ほぼ満点です。
押し入れの入り口の隙間にすら置けます。

性能も、ダニ退治モードの時間以外は、OKレベル。
と書きましたが、ダニ退治モードにすると時間を掛けただけあって、ふとんが心底気持ちよくなります。
冒頭にも書きましたが、乾いたふとんは気持ちにも、健康にもイイですからね。

一段進化したふとん乾燥機、象印「スマートドライ」。
気分爽快!
「太鼓判」のオススメ商品です!

 
商品のより詳しい情報は、象印のホームページにてご確認ください。
http://www.zojirushi.co.jp/
 
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2015年2月23日

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