新製品

三菱電機、新型サイクロン掃除機「風神」 TC-ZXD30P形 他を発売


「ローマは一日してならず」という言葉があります。
良い製品も同じです。理想を掲げ、それを目指して作り込んで行くことが必要です。
今年の三菱は、「ストック・コンセプト」です。

我が家も「風神」を使っていますが、欠点はあるモノの、本質的な満足度は高いです。
コンセプトを変えると、欠点そのまま、「別の特徴を」となることも多いのですが、今回はキープですから、仕様の熟成が期待できます。

新型の「風神」を見てみましょう。

 
■「風神」の維持すべきコンセプト
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発表された「風神」シリーズ
左、中)TC-ZXD30P
右)TC-ZXD20P

風神は、サイクロン方式のキャニスター型掃除機です。
三菱は、風神の継続すべきコンセプトで、次のものを上げました。

●吸引力の持続
●排気臭の抑制
●高排気性能(最終捕集率 99.999%)
●お手入れ簡単「サイクロンBOX」

 
■吸引力の持続
サイクロン方式というのは、掃除機が吸い込んだ空気(含ホコリ、チリ)を、掃除機の内部で旋回させ、遠心力分離をさせる方式です。分離でゴミを区分けするので、キレイな空気を外に排気、ゴミは掃除機本体に溜まります。
ゴミと空気を紙フィルターで分離する紙パック紙パックの紙は、紙フィルターの役割を果たします。型とは異なるのです。

こう書くと簡単ですが、まず遠心分離できるだけの速度を空気に持たせることが必要です。
そうでない場合は、サイクロンながらホコリ、チリの分離の一部にフィルターを用いることになります。

そうサイクロン方式は、フィルターがないサイクロンと、フィルターありのサイクロンがあるのです。
フィルターありの場合は、フィルターで一部のホコリ、チリを取りますので、紙パックほどではありませんが、徐々に吸引力は下がってきます。

三菱はフィルターなしのサイクロンを採用しています。
旋回風速は、業界最速の 90m/secです。

 
■排気臭の抑制
掃除機の排気は、基本的に臭いです。
これは吸い込んだ空気がゴミの間を通り排出されるためです。
要するに、排気の臭いはゴミの臭いなのです。

これを防ぐには、ゴミの間を空気が通り抜けさせないことです。

三菱は風の旋回室の外側にゴミの集じん室を設けました。
ゴミは遠心力で持ち上げられ、上部から外側、つまりゴミの集じん室に押し出されるわけです。
ゴミの集じん室は、ほとんど風が通りませんので、臭いを抑えることができます。

ゴミ部屋

「風神」のサイクロン部 構造イメージ図(三菱電機の資料より抜粋)


また、ゴミも捨てやすい。
毎回捨てても負担になりません。
ゴミはないに越したことはないのですから・・・。

 
■0.3μmのゴミ除去率:99.999%
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TC-ZXD30Pのカットモデル。
黃矢印部が、HEPA、ULPAフィルター

現在、室内の空気環境関連の家電は、PM2.5を基準にされつつあります。
こうなると掃除機の排気の中に、ごくごく微細なダストでも残すわけには行きません。
このため、風神では、最後の抑えとして、HEPAフィルターとULPAフィルターを付けております。

これはあくまでも抑えです。
そうでなければ、HEPAフィルターレベルになると、すぐ目詰まりしてしまいます。

このため風神は、0.3μmのダスト 最終捕集率:99.999%。

しかもIEC第三者認証機関SLG(ドイツ)最高位★★★★★取得しているそうです。

 
■丸ごと水洗いできるサイクロンBOX
サイクロンのダストBOXは多くの場合、透明になっています。
サイクロンは、本体に風の旋回室を持たなければなりませんので、ゴミを余り溜めることができません。
溜まったら即捨て、これがサイクロンのセオリーです。

が、時が経つにつれ、段々ダストBOXは汚れてきます。
クリアな部分が汚れているわけで、余り気持ちの良いモノではありません。

風神は、ダストBOXだけでなく、風の旋回室を含めたサイクロンBOXを全てバラして水洗いすることができます。嬉しい特徴です。

サイクロンBOX

サイクロンBOXが水洗いされている状況。(三菱電機の配付資料より抜粋)


 
細部まで詰められた本格サイクロン掃除機です。

 
■使いやすさを新提案
さて、細部まで煮詰められたサイクロンシステムが搭載されていることがお分かり頂けたと思います。

が、実はこれは掃除機に要求される「キレイにする」を満たしておりますが、もう1つの要件「楽に掃除する」を満たしてはいないのです。

使いやすさは、人間が接触する部分が重要です。
このため、三菱は、グリップ部、ヘッド部の見直しを行いました。

 
■考え抜かれたデザイン「フィジ軽グリップ」
オーダー服は、既製服より着心地が良いです。
これは体にフィットしているからです。

同様に道具の使い心地は、機能が良いことも重要ですが、手にフィットしていることがとても重要です。

もっと砕いた言い方をしますと、人間が持っている道具で一番素晴らしいのは、両の手です。
自分にくっついていますし、生まれた時から自在に扱えるように訓練を積みますからね。

そうこの手と同様に使えることが、道具の理想です。

手の例えを出しましたが、キャニスター掃除機に一番似ているのは象でしょう。
大型のボディ(本体)、自在に動く鼻(ホース&ポール)、そしてモノを掴み取る鼻先(ヘッド)を持っていますからね。

掃除をし易くするポイントの1つは、ホースとポールをどうやって自在に操り、ヘッドを掃除する場所に的確に当てられるのかということです。
先におもりが付いた棒を自在に操れということと同じです。象は自分の体なので自由自在ですが・・・。

そう自在に操るのに必要なのは、体、この場合は腕と同じ動きをさせると言うことです。ただし、床を掃除する時と、高所を掃除する時で状況が違います。

今回の三菱は、通常行う作業「床掃除」と、時々行う「その他の掃除」に分け、それぞれ握りやすく使いやすいグリップで対応しています。

コロンブスの卵

グリップ写真(三菱電機の資料より抜粋)


まず、床の掃除は前後への押し引きと共に、左右にひねりやすいことが要求されます。ただしヘッドは床に付いているので、余り重さは気にしないで良いです。
これに対しては、現在掃除機の主流であるループ状のグリップで対応します。
一見、なんでもない様に見えますが、これは手の握りの軸線上にポールが来るような角度が取れるように設計されております。
書くと何気ないようですが、実際は掃除機を掛ける時のやや前屈みの姿勢を取らずに済みますので、非常に楽です。

次に、その他の掃除ですが、床以外の所へヘッドを運ばなければならない。
手にヘッドの重さ、アタッチメントの重さが載ります。
この時は、手とポールが一体化する「サブグリップ」を使います。
手とポールが一体化されてるので、軽く感じますし、ヘッドも必要な位置にきちんと当てられると言うわけです。
これ単純にいうとハンディクリーナーと同じ考えなのです。
が、コロンブスの卵と同じで、非常に素晴らしい着想です。

 
■Wクリーン自走式パワーブラシ
キャニスター型掃除機の特徴の1つに吸引力が強いことがあります。
大型モーターが使えますからね。
ところが、吸い残しがでる時もあります。
これはヘッドが大いに関係します。

キャニスター型はパワーがあります。
そうすると大きな面積を一度に吸い取ってやろうということでヘッドを大きくします。
吸い込み口が中央にあり、ヘッドが大きい場合、どうしても端のゴミは吸引しにくい。
このため、掃除を早く終わらそうとヘッドを手早く動かすと、吸い残してしまう・・・。

せっかくの特徴が活かされていない。
それどころか、キレイにするという当初の目的が果たせていません。

が、掃除はテキパキしたい・・・。

三菱はこう考えました。
大きなヘッドは活かしたい。ヘッドの中を区切ることはできないか・・・。
三菱は、1つのヘッドの中に、2つの吸い込み口を設けました。
大きな面積を1つの吸い込み口で対応するのではなく、小さな面積を2つの吸い込み口で対応するのです。
大型モーターですので、パワーに余裕がありますし、距離が短くなりますので吸い残しも発生し難くなります。

これが「Wクリーン自走式パワーブラシ」です。

ダブル吸引

Wクリーン自走式パワーブラシのイメージ図(三菱電機の資料より抜粋)


 
また、掃除機のメンテナンスで一番苦労するのは、絡みついた髪の毛の処理ですね。
「塔の上のラプンツェル」では、綱の代わりにしていましたが、とにかく強靱無比といっても過言ではない。
特に女性のしなやかな黒髪。
愛でる時は誠に結構なものですが、ひとたびブラシに巻き付くと中々取れません。
ハサミを持ち出し、カットしたりすることもあります。

今回採用の「Wクリーン自走式パワーブラシ」は、そこも抜かりがありません。
回転ブラシを横から引き抜く時、髪の毛をこそぎ落とす機構が付いています。
こちらもうれしいです。

毛除去

(三菱電機の資料より抜粋)


 
■三菱の遊び心溢れる新提案「カロナビ」
三菱が調査した結果、掃除機をかけるのは、やりたくない家事トップだそうです。
掃除機を納戸から出して、椅子をどかしながら掃除をするのは、やはり面倒臭いですし、掃除してもまた汚れることを考えれば、「ま、いいか・・・」という気持ちにもなります。

NR1- 7

(三菱電機の資料より抜粋)

ところで、現在の掃除機は、お掃除の動き方を感知して、モーターの回転数を変えたり、ヘッドが床から離れたのを感知して、一時的にモーターを止めるなどの動きをするものが多くあります。
風神も例外ではなく、新「スマートSTOP」と呼ばれる機能が付いています。
これはグリップ部に高感度3軸加速度センサーが仕込まれているためです。

実は、高感度3軸加速度センサーは、スマートフォン、活動量計で使われるセンサーでもあります。
で、三菱は遊び心を出しました。
掃除機を活動量計に見立てたのです。
ユーザーのお掃除動作は、全てセンサーが感知します。
高所の掃除は、歩数には出ませんが、グリップ部にセンサーがあるのでしたら、どの位運動したかが分かります。

で、できたのがAndroid OSのスマートフォンで、消費カロリーが確認できる「カロナビ」。
なにげ〜ぇに、イイ感じです。

 
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TC-ZXD30Pは、掃除途中で
ポールを立たせる突起を本体に有する。
割と使える機能。

何かと話題の多い、抗菌ふとんブラシなどの豊富なアタッチメントも用意されています。
 
風神は、フルスペックのTC-ZXD30Pをシャインホワイト、ルージュレッドの2色で展開。
付属アタッチメントが少ないなど、一部スペックダウンの代わりにお求めになりやすい価格のTC-ZXD30Pを社員バイオレットで展開します。

 
風神シリーズ、及び同時発売のデザインが美しく、軽いBe-K(ビケイ)にWクリーン自走式パワーブラシを採用したモデルのより詳しい情報には、三菱電機のホームページにてご確認ください。
http://www.mitsubishielectric.co.jp/index_p.html

2014年5月29日

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