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【タイガー100周年】メーカーが「歴史的」と考えた10のモデル。


タイガー魔法瓶。今、ほとんど使うことがない「魔法瓶」という言葉が社名に使われている通り、超老舗メーカーの一つで、今年100周年です。
メーカーが話す言葉は、自社製品です。100周年でも、炊飯器でトップを狙うタイガーが100周年発表会で、どんなモデルを「歴史的」としたのでしょうか? 一挙公開します。
 
●モデル1 1923年(大正12年) 小判形「虎印」魔法瓶
タイガーの第一号モデル。「魔法瓶」に違いないが、デザインを含め、ほとんどが独創的。この年の9月、関東大震災が発生。東京は壊滅する。ちなみにタイガー魔法瓶は大阪のメーカーである。

 
●モデル2 1932年(昭和7年) アイスクリーム容器
戦前の緊迫した時代。1・15事件の年。政治的には緊迫していたが、アイスクリームのような新しい文化は流行ったらしい。ただ、ロゴマークが異様にリアルで怖い。

 
●モデル3 1953年(昭和28年) 魔法瓶(パテントジャー)
魔法瓶の種類も多種多様になってきた時代。
と言うより、テレビ放送が始まった年。これ以降、高度成長期と言えるかもしれない。
ちなみに、未だに人気の「ゴジラ」は1954年。初回は、ある意味恐怖映画として作られている。

 
●モデル4 1971年(昭和46年) 電子ジャー「炊きたて」(ELC型)
タイガー魔法瓶が、いわゆる家電に手を伸ばしたのは、1970年。
「電子ジャー」が皮切りとなる。「電子ジャー」に、炊飯機能はなく「保温」機能のみ。炊飯器からご飯を移し替えて使用する。手間もかかるし、新しい家電でお金もかかる。
日本人は、基本食べるご飯は温かいのを好む。他国ならこういう商品はなかったかも知れない。
また「炊きたて」と言うペットネームはすこぶる強烈。一般的なワードをペットネームに使う例は少なかったはずだが、この場合は、大成功を収めている。今が、タイガー魔法瓶の炊飯ジャーの代名詞になっている。

 
●モデル5 1976年(昭和51年) 炊飯電子ジャー「炊きたて」(JCA型)
タイガーが炊飯ジャーを作り始めたのは1974年。他社に遅れること2年。
ただし、炊飯時に温度をうまく管理できる機能はまだ発明されておらず、本当に電気で炊くだけ。

ちなみに、この年、元総理 田中角栄がロッキード事件で東京地検に逮捕される。
また、後楽園球場が人工芝が採用されるなど妙に未来感があった時代でもある。
バケモノと称されたピンクレディーがデビューした年でもあり、モンスターと称された「こち亀」の連載が始まった年でもある。

 
●モデル6 1984年(昭和59年) マイコン炊飯電子ジャー「炊きたて」(JSO型)
マイコンで温度制御することにより、色々な機能が省略されました。特に大きいのは、浸水時間を操れるようになったこと。マイコンが付くまでは、30分以上浸水させてから、炊飯器にセットする必要があった。

マイコンが付いて以降、タイマーは当たり前の機能になる。タイガーは熾火むらし(おきびむらし)をこのモデルから設ける。当機能は以降、業界標準となる。

 
●モデル7 2006年(平成18年) 土鍋IH炊飯ジャー「炊きたて」(JKF-A型)
この年、三菱電機を皮切りに、一斉に「高級炊飯器」が世にでる。電気の熱源として最高はIH。温度にして250℃を安定に供給できるが、欲しい温度は300℃。このため各社、蓄熱性の高い内釜を求め、内釜戦争が起こる。そういう内釜の素材だけでなく、その後に加わった圧力技術をどう使うのかを、各社競っている。このため今は「圧力IH」とも呼ばれる。

ちなみに、「マイコン」と「圧力IH」の間、「IH(&インバーター)」が世に出たのは、1992年(平成4年)。

 
●モデル8 2023年(令和5年) 土鍋圧力IHジャー炊飯器「炊きたて」 (JRX型)
100周年モデル。今ある全技術を入れたモデル。
今まで、高級モデルは「5合」「1升」だったが、とモデルは「3合」「5合」。
山形のつや姫で試食したが、とても美味しかった。

正直、お米に必要なバランスがうまく取れている。
また、それが毎回食べられる。変な食品に肩入れする位なら、ご購入をお勧めする。


 
■筆者コメント
明治以降、日本は数多くのメーカーを輩出してきた。しかし、日本は記録をモノでする習慣がほぼなかったためか、大メーカーといえども、キーモデルを全部取っているメーカーはほぼない。メーカー博物館ですら、整っていない場合が多い。90年代前半のバブル期、お金があった時代に、かき集めていればもっと充実していたのだろうが、経営者がすべきは金儲けと言わんばかり、一体、経営者の幾人が自社の商品をきちんと説明できるのだろうか?

それはさておき、新製品会場なのでスペースは限られるとは言え、「歴史的」モデルを全部見ることができなかったのは、残念に感じられた。

 
 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://www.tiger-corporation.com/ja/jpn/
 


 

 
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2023年7月21日

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