レポート

【太鼓判】音声操作の多様性を垣間見せる扇風機。シロカ DC 音声操作 サーキュレーター扇風機「SF-V171」。


2011年の東日本大震災以降、脚光を浴びまくった季節家電「扇風機」。電気を使わない、団扇4枚利用した手回しの扇風機は江戸時代からありましたから、日本の夏がいかに過ごしにくかったかが分かります。
その時のトレンドは、DCモーターによる微風。以降、2019年以降のコロナ禍では、窓開け換気のサポートを行うということで、サーキュレーターとの境目がどんどん無くなります。
そして、今、最先端技術は音声操作。中でも、シロカの2022年モデル「SF-V171」は注目に値します。
 

●シロカ DC 3D サーキュレーター扇風機「SF-V171」
色はブラック以外、ホワイトもあり。


■名前で分かる性能
扇風機は、扇風機の前に書かれているワードで大体の素性が分かります。モデル:SF-V171の場合は、「DC 音声操作 サーキュレーター扇風機」。「DC」は「DCモーターを採用している」こと。電気には直流(DC)と交流(AC)があるのですが、直流用のモーターを採用しているということです。これが意味するのは、「省エネ型」で、「微風モードを持つ」ということです。2011年以降、主流のスタイルです。

次に「音声操作」は、ちょっと他社では見られない特徴。自分の声で扇風機を操作できるというものです。「音声操作」は「IoT(Internet of things:ネット常時接続)」「AI:人工知能」と共に、これから標準化される技術と考えられています。
そして「サーキュレーター扇風機」は「サーキュレーター」と「扇風機」のハイブリッド型ということです。同じ風を使うなら同じ頃ではないのかというとそうではありません。サーキュレーターは、細い線に添い風を押し出す感じ。風にぶつかり広がり部屋の中を巡る気流を作り出すモノです。このため、遠くまで届くことがポイント。一方扇風機は、人に直接風を当て涼しくすることがポイントです。このため羽も大きいですし、微風から風呂上がり用まで風量も自在。全くの別物です。

 

●サーキュレーター ハイブリッド型は、真上に向けることも可能。


一度、純粋なサーキュレーターで夏を過ごせないか試みたことがありましたが、即ギブアップでした。風が全体に当たらないので、ほとんど涼しくない。その上、五月蝿い。コロゴリです。

 
それはさておき、かなりの技術が詰め込まれている高性能扇風機であることが分かります。

 
■音声操作で一歩リードした2021年モデル
シロカ 扇風機の目玉機能はなんと言っても「音声操作」。この技術は、シロカの2021年モデル「SF-V151」より導入されました。

面白いなと感じたのは「Amazon Echo」「Google Home」と言う老舗のスマートスピーカーを利用するのではなく、独立したシステムで作ったこと。そしてWake up word(ウェィク アップ ワード、起動語)に「ポチ聞いて」を採用したことでしょう。
 
◾️「Wake Up Word(ウェィク アップ ワード)」が大問題
音声認識、音声操作。とても実用的な技術になってきました。スマートホン(以下 スマホ)では、ほぼ確実に認識、動作してくれますし、有名な二大スマート スピーカー「Amazone Echo」「Google Home」も、世代を重ねてこなれてきています。なんせ人間は泣き声と共に生まれ、最後一言ボソっと何か言って死ぬ位ですから、声で指示するのは最も人間らしいことと言えます。このため、どんどんいろいろなところに使われるようになってきています。

ただし問題になるのは、プログラムをスタートさせる「Wake Up Word」。「Google Home」では「OK Google」。全く馴染めません。私は、これが言いたくないので、「Amazon Echo」を使っているくらいです。
「Amazon Echo」は「Alexa(アレクサ )!」ですね。古代最大の図書館があったアレクサンドリアを女性名にしたアレクサ。こちらの方が、「OK Google」より、ま言いやすいのですが、個人的にはやっぱり外国の名前ではなく、大和女性の名前がいいです。「桜」「夏子」「楓」「雪」。四季折々の自然から名づけられ、音も優しい。何より呼びやすい。

このWake Up Wordは、メーカー保証ができなくなるので、Wake Up Wordは変更できなくしているそうです。メーカーが決めたものを使うしかありません。シロカはそれを嫌ったわけです。
で付けたのが「ポチ」。ワンちゃんです。しかし、声が女性なのには参りました。私の中では、ポチは男の子だからです。「うちのタマ知りませんか?」では、ポチもタマも男の子設定。個人的には、ちょっとチグハグな思いです。

 
■同じことをさせるのに、タマを加えた2022年モデル
女の子のポチは、極めて礼儀正しく、ご主人様を立てまくるメイドさんではなく、キャビンアテンダントさんの雰囲気です。声もいい。ちょっと声優の早見沙織さんに似た透明感の強い声質は魅力的です。しかし、やや硬い。

では、ということではないでしょうが、2022年には、「タマ」が加わります。話し方がちょっとぞんざいな男の子。シロカとしては「ツンデレボーイ」としてのキャラ付けだそうです。

ま、何はともあれ、どんな感じか3分弱のビデオにしました。ま、聞いてみてください。


 
これ一見過度のように感じられますが、自分に合った感じを選べるというのは大変プラス。変えることも出来ますし、チャンポンで使うことも出来ます。言葉というのは、自分に合っていることが重要です。自分に合うと言うことは、言い方を変えると自分に合わないものを捨てることです。

いま家電に取り入れられつつある技術は、IoTにせよ、AIにせよ、音声操作にせよ、プライベートカスタマイズするためのモノです。使い込まれた道具が、持ち主の癖を覚えて育ちますが、デジタル家電は、それを気づかれないように行い、気付いたらほとんど別物になっているのが理想です。最も端的なカスタマイズは、多分スマートホンです。各種アプリはトライ&エラーで、その人に使いやすいものだけ残ります。アプリの中身もそうです。LINEのスタンプなどは、その人に合うものだけで構成されます。

そして、こんな扇風機を当たり前の様に使いこなすのは、子どもです。デジタルネイチャー時代、なるべく最新の家電に触れさせて置きたいもの。頭の体操にもピッタリです。

 
■音声操作で難しいのは、首振りを止める時
このように導入された音声操作ですが、果たして便利と言えるのでしょうか?

答えは、超便利です。特に疲れ果てて、ソファーで寛いでいる時などはとても便利です。なんせ、見なくても操作できます。本当にぼんやりしていても大丈夫って感じ。特に、昼寝など、リモコン操作が面倒な時もあると思いますが、そんな時にはすごくいいです。

リモコンを片付けなくてもOKなのは気分いいです。ちなみに、使わない時リモコンはは本体収納できるようになっています。

このリモコンも、スマホでできるならまた、ちょっと変わってくるのでしょうが、そこには達していません。自前でプラットホームを立ち上げるのではなく、第三者メーカーが作ったプラットホームを利用してもいいと思います。今や、特殊なリモコン以外は、スマホで済ませたいものです。

●リモコンは、本体に差し込み収納できるように設計されている。


メリットも多い一方、問題もあります。それは、音声操作はちょっとしたタイムラグが発生するのです。これが問題になるのは、今まで首振りさせていて、それを止める時。思った位置にビタっと止めるのが難しい。

これは百人一首と同じで、音の分岐が、途中に来るからだ。例えば百人一首だと「あさぼらけ」で始まる歌は2つあります。

「あさぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪」
「あさぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらわれわたる 瀬ぜの網代木」

このような場合、「あさぼらけ」の後の音が「あ」であるのか「う」であるのかを見極め札を取る必要があります。

これと同じことが「首振り」の指示を出す時にも言えます。
「首振りして」
「首振り止めて」
です。狙った位置でヘッドを固定するには、「止」でタイミングを合わせなければなりません。ちょっと不便。ここは知恵を出してほしいところです。

 
■首が20cm低くできる=365日出しっ放しでも余り困らない
後は目立った特徴はないです。「換気モード」は風速最大のことで、それがワンタッチにできるようになったことですし、微風も丁寧に作られています。

 

●コンソール。「換気」は「送風モード」の一番上にある。


 
使っていて意外に便利に感じたのは、首が20cm 伸び縮みすることです。換気の手助け 他の時のために、365日出しておくのにこれは便利。

 

●長さ調整は、支柱背面より行う。


●20cm 伸ばしたところ。この差は結構大きい。


 
■最後に
シロカは、安価で、品質が良いモデルを市場に提供することをポリシーとしているメーカー。変な見栄がないので、気持ちよく付き合える家電が多い。しかし、このモデル「SF-V171」は、今まであるものをリファインして到達したのではなく、シロカができる範囲内で、できる限りの技術を狙ったところにある。

結果は、実にユニーク。面白いものが出来上がっている。特にいいのは積極的なキャラ付け。大手メーカーなら、最大公約数で、球場のウグイス嬢のようなキャラにしてしまうだろうところを見事にキャラ付けしている。

どの道、家電メーカーの数は多く、昔のようにガリバーシェアを獲得できないとなると、むしろ熱烈に支持されるようなモデル作りを目指した方が良いとも言える。結果、大手メーカーが踏み入れたことのない領域のモデルとなった。

全てのユーザーに合うわけではないが、ユーモアを介する人なら、最低でも店頭で見てほしいと思う。子どもがいる人は是非と言いたい。誰しもある扇風機に向かって声を出し「あぁぁ・・・」と勝手に震えるのと同じ。楽しい思いを子どもに運んでくれるモデルだ。

値段も手頃。ちょっと過剰に思われる人もいるかもしれませんが、太鼓判モデルです。

 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://www.siroca.co.jp/product/#pro11
 
 

*レポートしたモデルではありません。

 

 
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2022年5月11日

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