思うこと

プログラム教育を考える その2。
中学校の「プログラム教育」。ドローンでやってみた。


先にロボット掃除機を使ったプログラム教育の話をレポートしました。他に面白い教材を使っている例はないかサーチしたところ、「ドローン」を使っているところがありました。あの空飛ぶドローンです。
供給している会社を取材してみると、ドローンを教材にすると多種多様の可能性があることが分かりました。今回は、教材の多様化と創造性のある教育に関してレポートします。
 

SKY SELFIE。ドローン本体。
長さ 83×幅 83×高さ 46mm、重量:34g。ちっちゃ!


前から見ると、ハエトリグモににしている。


◾️ロボット掃除機より注目度が高い教材
先日、ミニ ルンバを教材に使ったら、学生がすごく興味を持ってくれたことをレポートしました。しかし、ドローンは、どうもそれを上回る熱を持っているようです。理由は、知っているが、「実際に動いているところを見たことがない」からです。

考えてみるとそうですね。量販店に行くと、双方とも売っています。ロボット掃除機は展示エリアを行ったり来たり、こんな感じに動くんだとアピールしています。一方、ドローンは、その場で動かすアピールなどはしていません。また、外にも飛んでいません。しかし、テレビの中では人気者。映画、ドラマ、アニメにも登場します。知っているのに、動いている実物を見たことがない最たるものなのです。

そのドローンを動かせるとなるわけですから、興奮状態になります。授業といえどもです。そして、ドローンの眼とも言えるカメラ。画像コミニュケーションは、若い人の方が得意ですからね。実際導入されたある学校は修学旅行先にも持って行ったとか。すごく盛り上がったそうです。

映像データーはスマホに転送されるので、カメラ撮影できる。


 
◾️ドローンの現在
ドローンとは、無人航空機の内、マルチローターを持つ「自律式」のモデルのことを指します。登場してより何かに付けドローンは、いろいろな可能性が取り沙汰されていますが、最も卑近なところでは、「2023年より宅配に使われる」と言われています。

高名なドローンですが、宅配の実証実験エリアなどを除き、実物が飛行しているのを見かけることは、ほとんどありません。何故でしょうか? それは法律で厳しく、「超」厳しく取り締まられており、法律で定められた種々の条件を満たさなければ、飛ばすことができないからです。

 
何故、こうまで法律で取り締まられるようになったのでしょうか?

理由は簡単。ヘリコプター(シングルローダー)と異なり、ドローンは「誰でも飛ばせる」からです。ドローンもヘリコプターの一種ですが、扱いの難しさが、シングルローダーのヘリコプラートは全く違うのです。昔、ワールドチャンピオンを3度取ったF1レーザーのアイルトン・セナが日本GPで来日した時、趣味のラジコンヘリを2台購入。サーキットで、F1マシンのセッティングの合間に飛ばそうとしたが、離陸させることが出来なかったと言う記事が見たことがあります。あのF1マシンを意のままに操るセナでも、「ラジコンヘリの操縦は、短時間ではできなかった」と言うことです。私は、操縦したことがないのですが、ラジコンヘリの操縦は、それ位難しいらしいのです。

SKY SELFIEのプロポ(コントローラー)。
離着陸は「ボタン」で行う。


一方ドローンは、全然違います。ボタン一つで離陸します。簡単も簡単。3次元ですから意のままに操るのは難しいのですが、墜落することは基本ありません。クルマを運転するよりは難しいのですが、ゲーム機に慣れている今ドキの子どもなら、大した時間もかけずに、自在に操るのではないかと思えるほどです。

ドローンに採用されている「マルチローター」と言うのは、その位安定しているモノなのです。このため「空」という今まで、日常ではほとんど使われてこなかったエリアが使える可能性が、「日常」で広がったのです。

 
いろいろな使われ方が考えられますが、その一方で問題も発生します。「テロ」「軍事」にも容易に使われることです。航空機が当たり前になった時、巨大戦艦が意味をなさなくなったのは有名な話ですが、それは陸上でも同じことです。上から爆弾を落とされたら、地上は滅茶苦茶になります。ドローンのように小さいと、ターゲットをどこまでも追跡することが可能ですから、この地上どこにも安全エリアというものが事実上なくなります。事実、その様に使われています。2021年6月22日には、AIを搭載したドローンが昨年春、内戦下のリビアで使われたと見られることが、国連安全保障理事会の専門家のパネル報告書でわかったという記事がでました。日本でも、2015年4月22日に内閣総理大臣官邸屋上にドローンが墜落したことがあります。

このため、ドローンは徹底して取り締まられているのです。

その一方、空が使えるメリットは大きく、中距離輸送、僻地輸送など、輸送メリットなどの実証実験が進んでいることも事実です。

 
◾️プログラムの有用性を肌で感じる
さてドローンをプログラムするとあることに気付きます。

ドローンのプログラムしている時のスマホ画面。ブロックを組み合わせるだけ。


それは、自分でコントロールするより確実なことが多い。というのは、左手で上下、右手で左右前後ですから、このコントロール結構難しいのです。

しかしプログラムすると、自分が思った通りに動いてくれます。風などの条件で、着地位置がずれたりしますが、室内では気になるほどではありません。操縦の上手、下手は人によって差が出ます。ドローンの運転には運動神経と冷静さ双方が必要なので、全員がコントロールが上手くできるわけではありません。

しかし、プログラムすると、誰でも同様に扱えるのです。時間をかけると東京五輪開会式のようなことも可能です。

 
これはロボット掃除機では得られない感触です。ロボット掃除機は、プログラムがないと動かないだけでしたが、ドローンのプログラムは人の代わりです。しかも、操縦が下手な人には自分より上手く操作するという体験。この自分でもできた感、自分でも何とかなるという感触は非常に大きいです。やる気がもらえます。

 
◾️創造性を喚起する教材
教育用のドローンは、安全性、性能、コストを考えて、軽めに作られています。こう書くとカッコいいのですが、「おもちゃ」でもあります。

ゆっくり飛ばしていると、人の手でも捕まえられます。飛んでいる昆虫を手掴みする感覚です。元々「ドローン」とは雄のハチを意味します。音がハチの羽音に似ているため、転用されたのですが、空中手掴みなどすると、まさに言い得て妙。ある意味昆虫でもあるなぁと、なんか納得してしまいますね。

当然、おっかけっこの遊びもできるのですが、遊びではなく敏捷性の訓練にも十分活かせそうな気もします。やり方によっては、すごく高い敏捷性が得られそうです。(多分、軍はやっていすね)

このドローン、子どもの柔らか頭だと、いろいろな発想が出てくると思います。プログラムは、そのサポートと思って貰えばいいです。特に小学生は、頭が柔らかいですから、いろいろな面白発想が出てくるのではないかと思います。

しかも空という余り日常生活に環境が使えるので、より想像力=創造力を膨らませることができると思います。

 
◾️社会を考える教材
前述しましたとおり、ドローンは法律で大きな規制を受けています。法律は1つではなく、多岐に渡りますが、それを読み解くことは、新しい技術と規制社会の関係に光を当てることです。

歴史の授業は多くの場合、一番最後に現代史を行います。このため、今の世に直接かかってくる問題への掘り下げがなされないことが多い。このためでしょうか、公共の場で日本人が、現在のあり方で、立派な論を張ることは、まぁありません。

グローバル社会では、靖国神社、従軍慰安婦、南京大虐殺、自衛隊など、きちんとした見解を持つ必要があります。

題材は違いますが、ドローンもいろいろな要素を持っています。このため、いろいろなことが学べます。授業で正式に取り上げなくても、なぜ、今のような法律があるのか、もっと自由にドローンを扱えるようにするためには、どうすればいいのかなど、今を考え直す要素をフンダンに持っています。書いている私も、学生時代に、そんな授業を受けていたら、随分、社会の見方が変わっただろうと思います。

 
◾️価格は?
先日の、iRobot Rootと同様に、価格をざっくり計算してみたいともいます。
今回、お話を伺ったのは、ワールドスキャンプロジェクト社の「SKY SELFIE EDU」です。こちらは買取はなく、レンタルのみ。1,980円/月。(ドローン本体&バッテリー6本セット一式)です。同じように、先生1人、生徒35人で算出してみましょう。

バッテリー。数分でバッテリーが切れる。


1980×12×36=855,360円/年

約85.5万円/校。iRobot Rootとどっこいどっこいです。
バッハ氏、一泊より全然安いです。

 
◾️最後に
デジタル教育、プログラム教育。新しく入ってくる教育は、「現在」必要な知識を与えるモノでありますが、人間に必要なのは「考える」ことだと思います。そして、プログラム教育は大きなチャンスだと思います。

しかし予算が不十分で、多くの学校がシミュレーションを採用しているようです。しかしそれだと、テレビゲーム、アニメーションができるレベルでないと面白くありません。子どもの興味も持続しません。実は、人に見せるレベルで仕上げるには、ちょっとした作品でもとても時間がかかるモノです。

一方、ロボット掃除機、ドローンなどは、動かせればよしと言うレベルから、表現を加える、社会性に付いていろいろ考えるなど、そのモノに関する勉強もできます。生徒の視野をより広く持たせることができます。教材一つ、教材の使い方一つでかなり変わります。今後も日本が人材の宝庫であるためには、重要なことだと思います。

設備だけでなく、教員の教育も含め、本腰を入れるべきだと思います。そうしないと日本に未来はないです。社会を安定させるのは、「エネルギー」「食糧」そして「教育」です。馬鹿げたオリパラより、コロナ対策と、この3点を徹底推進すべきだと思います。

 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://world-scan-project.com/robot-products/sky-selfie-edu/
 
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2021年8月23日

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