レポート

【2021 炊飯器06】【太鼓判】タイガー、「炊きたて」51周年モデル「JPL-G100」。


昨年の「炊きたて」50周年記念で、デザインを一新したフラッグシップモデル「JPL-A100」。その翌年、51年目モデルが「JPL-G100」です。一言で言うと50年モデルのリファイン版。使い勝手のよさ、味の再現性を含む安定感が増した。今回、実際に使っえみた感触をレポートします。
 

土鍋圧力IHジャー炊飯器〈炊きたて〉
土鍋ご泡火ほうび炊き JPL-G100
色は他に「白色」があり。


 
◾️他のモデル:360°デザインとは、コンセプトが異なるデザイン
 
タイガーの一時代を築いた360°デザインは、機能が追加されるうちに、トールボーイになったためでしょうか。JPL-A100では、高さを低くしまし、デザインを一新しました。JPL-G100は、そのデザインを世襲しています。

日本人は、主食であるお米を食べ物の中でも特に尊いものとして教育されます。このためでしょうか、他社の多くのモデルもそうですが、ある意味の厳粛さ、つまりシャープな感覚、別の言い方をすると日本を代表する刃物、「日本刀」のような無駄のない、「端正」といべき感覚をデザインに取り入れます。

タイガーの「360°デザイン」もその一つ。360°無駄のないデザインですから、抜身の名刀みたいなモノです。この手のデザインもいいのですが、対峙すると、実はかなり疲れます。隙がなさすぎるからです。

 

取手はない。両横底面に手かけがあり、
いづさせる時は、それを使う。


 
それからみると、「JPL-A100」のデザインは、どちらかというと「鈍」。研ぎ澄まされていません。ある意味、煤ぼけた釜のような雰囲気でもあります。台所の片隅で、頑なに頑張るデザインの様でもあります。実際にキッチンにおきますと、悪目立ちせずいい感じに、スルッと溶け込みます。

 
ボディが低めのため、逆に底面積はその分やや大きめです。とは言っても、目くじら立てるレベルではなく、心持ち大きいレベル。キッチンにモノを置きすぎていない限り、問題はありません。

 
◾️使いやすさはすごくいい
 
やや平たい内釜の重さはそれなりです。決して重くはないが、軽くもないです。私は、ザルでお米を研ぐので、内釜の重さは洗う時以外問題になりませんが、内釜で米を研ぐ人は、ちょっと重いかもしれません。

 

内釜。銘は「本土鍋」。


内釜断面図。(タイガー魔法瓶の
ホームページより抜粋)


 
そこ以外は、まず問題にならないでしょう。

ディスプレイ/コンソールは、単色タッチパネル。
色での視覚誘導ができないため、初見は戸惑いますが、すぐ慣れます。逆な言い方をすると、文字認識はすこぶるし易いです。また、多くの場合、炊飯は一度条件を決めると、別の設定にすることはなかなかないので、問題はありません。
また不要な表示、ボタンスィッチは共に、できる限り省略されており、すっきりしていることもプラスにつながります。

 

タッチパネルが使いやすさを格段に上げている。
送りボタンに戻りたくない。


 
2020年モデル:JPL-A100では、十分こなれていなかったフタの開閉などもこなれており、トラブルもなく、感じも良かった。

 

以前、2020年モデルをチェックした時は、
指かかりが悪く、フタが開きにくかった。
今回は問題なし。


 
使い勝手が悪いと、特記すべきところが見当たらない、優秀モデルと言えます。

 

内釜の内壁の印刷も読みやすい。


 
◾️「銘柄巧み炊きわけ」とスマート化
 
評価で悩ましいのは、この価格でありながら、WiFi機能を搭載していないところ。

今回も、銘柄米ごとの炊飯メニューは増え、強化されています。コシヒカリは確かに強いですが、今は銘柄米戦国時代と言ってもいいほど、毎年の様に新しい銘柄が出ております。食事の多様化が進む中、別な言い方をするとお米農家はお米離れが進む中、頑張っているとも言えます。(各エリア農業試験場も同じです。)本当に、お米の味に、これほどのバリエーションがあるのかというほどの多くのブランドがひしめいていますし、生産地ごと、頑張って宣伝してますし、農家もより美味しくするための手間を惜しみません。前から言っていますが、お米は今や、コーヒーやお茶に匹敵するほどの、嗜好品。江戸時代の将軍様が食べてたのより遥かに美味しいのです。このため、各メーカー、銘柄毎、特徴がある炊きわけ機能に力を入れているわけです。このため毎年の様に、銘柄数が増えていきます。

もし、WiFiが付いていたら、増えたメニューのアップデートは可能です。今回のモデルはメカにも手が入っているのですが、だからWiFi機能=スマート化を後回しにするのは、いかがなものでしょうか?

今、どのメーカーのフラッグシップモデルも、それなりに味もよく、合格点を突破しています。逆な言い方をすると、味にほとんど差がなくなった現在、サービス差はメーカー支持の要因になるとも、思われます。

「炊きたて」JPA-X100で、その力を見極めてからとも言えますが、それを見極めるには、あつ程度以上台数も必要だと思います。当モデルがフラッグシップでありながら、スマート化されていないのは、残念だと思います。

 
◾️試食
 
炊き上がったご飯は、粒ダチがよく美味。最近、粒ダチにこだわったモデルが多く、その流れに乗っているとも言えます。

今回モデルは「蒸らし」工程時の水分調整が工夫されていますが、コレはおいしさのアップではなく、常に美味しく炊ける安定度に寄与している感じです。数回炊いてみましたが、味のブレが全くないレベルに感じました。要するに、常に美味しく炊けるというわけで、。

個人的には、もう少し「香り」が出ると、もっと嬉しいです。

 
◾️手入れのしやすさ
 
使用後の洗浄で毎回行わなければならないのは、内釜と内ブタだけです。内ブタには多少の凹凸があるものの、洗いやすい。

 

毎回洗うべき内ぶた。


一合炊きの時、使用する中ぶた。
上部空間を小さくすることにより、
一合炊きでも美味しく炊ける。


同梱の計量カップ。独特の形状なので、
一眼でお米用とわかる。


同梱の立てられるしゃもじ。
凹凸加工もされており、
ご飯がくっつきにくい。


 
◾️総評
 
美味しい、そして安定して美味しく炊ける、高級炊飯器に恥じない機能は、とても魅力的。
ここ10年の集大成モデルの一つの完成形と言えると思います。その意味では、買って損なし、お勧めできるモデルです。一応、太鼓判とさせていただきます。

 
 
ちょっと寂しいのは、価格と未来展望です。

先ほども書きましたが、各メーカーのフラッグシップの差は、どんどんなくなってきています。確かに「JPL-G100」は優れたモデルです。しかし5万円の差額をひっくり返せるほどの力はあるのですしょうか?

フラッグシップを買うのは、人口の3%と言う裕福層だから問題ないと言う考えもありますが、ベストは1980年代のトヨタの宣伝「いつかはクラウン」です。メーカーのファンになってもらい、自社内モデルでステップアップしていくのがベストです。

未来への提示がない、JPL-G100は、その意味では少々役不足。集大成=ベストではなく、一部未完成でも「今後」、お米の未来を感じさせることが重要だと思います。

 
 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://www.tiger.jp/product/ricecooker/JPL-G.html
 


 

 
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2021年7月5日

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