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アイリスオーヤマのマスクが出て1年。アイリスオーヤマのマスクは、今どうなっているのか?


昨年の今頃、マスクの供給はまだ不十分で、多くの人は布マスクを使っていました。このため、公共エリアに出るのが憚れる状態。非常事態宣言だからと言うより、コロナウイルスの怖さの手感触がないため、みんな、政府の言うことをそれなりに聞いていました。4月より国産マスクを出荷し始めたシャープ、そして国産ラインを新設し、7月より出荷し始めたアイリスオーヤマと、国内メーカーが、日本で不織布マスクを生産し始め、小康状態目指して、頑張っていた時期です。
 

角田工場に設置された、不織布、アスクの材料送り出し部。


 
それから1年。

不織布マスクあります。ワクチン接種も始まっています。
しかし五輪のために、浮ついているためでしょうか。緊急事態宣言が出されても、これと言った効果を見出すことはできません。

むしろ、説明責任を果たさない政府他によるガムシャラな五輪推進。制限を受け続ける個人行動により、すごい理不尽さがあり、欲求不満は溜まる一方です。

こんな時すべきは、整理整頓。情報もそうですね。マスク情報を整理してみましょう。

 
◾️アイリスオーヤマの大飛躍。国内No.1へ。
まず、2020年度、マスクメーカーは、どこも潤いビジネス。
アイリスオーヤマも例外ではありません。

市場調査会社 (株)インテージの2020年度の調査データーによると、アイリスオーヤマが日本国内のマスク市場において、累計販売枚数がNo.1だったそうです。ユニチャームなど、大手医療関係メーカーを向こうに回して、家電、生活消耗品、主にホームセンターで扱われる商品を生産、販売している会社がトップになったわけです。

なかなか見られない構図です。

マスク製造ライン。


アイリスオーヤマは2007年よりマスク市場に参入し、大連工場(中国・遼寧省)にてマスクの生産を開始。 その後、2013年に蘇州工場(中国・江蘇省)でのマスクの生産を開始し、日本に加えて、中国国内へのマスクの供給を強化したところで、コロナ禍になりました。

要するに、そこまでは中国生産だったわけです。

 
政府は、国内生産するメーカーで生産増加するメーカーに対し、補助金を出すことにします。
これに対し新規ラインで答えたのが、シャープ。3月に国内生産をスタートさせ、トップ対応したのは有名な話です。

シャープ 不織布マスク


そして、それに続いたのがアイリスオーヤマです。こちらも新規ラインを国内に作ります。シャープが作ったのが、生産ラインのみ。コスト、開発に、大きな影響を及ぼす原材料(主には不織布フィルター)までは手を拡げませんでした。それに対し、原材料まで国内で作ることにしたのが、アイリスオーヤマです。

どんなに国産をアピールしても、マスクは消耗品ですから、限度はあります。一回で使い捨てることに耐えうる価格を提示しなければなりません。それを上手く実現するには、不織布フィルターを自前で開発、生産するのが一番手っ取り早いです。

しかし投資に失敗すると、会社が傾きます。このため、大手メーカーでは、十分にシミュレーションを行い、決定します。そのデーターを基に、社長が判断します。このやりとりに時間がかかるのです。アイリスオーヤマのいいところは、社長のフットワークが軽いこと。このため、いち早く結果が出るわけです。

今回は、日本市場のマスクニーズに対し、全く足らなかったわけですから、作ったら作っただけ売れます。要するに、スタートダッシュ=高売り上げというわけです。その機会を逃さずに、判断したアイリスオーヤマは、勝ち組なったわけです。

この時の、日本製は「安全安心」の象徴だったが、
現在、五輪で言われる「安全安心」は科学的裏付けがない。


これは「安価な製品は中国他、安くできる海外で」と言うのが当たり前でしたが、非常時を考慮した場合、一部国内に残すことを上手く処理しなければならないという経験をしたわけです。特に、相手が中国の場合は危ないと言うわけです。

 
これ以外に、アメリカ(ウィスコンシン工場)、韓国(仁川工場)、フランス(フランス工場)を生産拠点に加え、段階的に生産量を拡大し、2020年度総生産数約26億枚を実現したそうです。

全世界が必要とするマスク数の半日分を、アイリスオーヤマは供給できるメーカーとなりました。
ちなみに日本国内に2億3千万枚/月を供給できるポテンシャルを有します。

 
◾️政府による「マスク日本産業規格(JIS)」公示に対し、マスク全商品について認証取得の方針を決定
マスク不足の時、アベノマスクが配布されましたが、あまりにも性能、見てくれ共にプアであり失笑対象だったことは皆さんご存知の通り。しかも洗って使いまわしすことを推奨するなど、戦時下の物不足の有様でした。

この後、マスクファッションとも言うべき、自作も含めて、布マスクが流行しますが、これは気休めにしかすぎません。フィルター機能が不十分なのです。コーヒー・フィルターをフィルターとして使うなどを勧めているレポートもありますが、まぁ十分ではないですね。

炭次郎の羽織の柄と同じ、布マスク。
(個人所有)


品質が不十分なので 一番問題だったのでは、中国政府が供給されたマスクです。医療用として送られたマスクがスペックを満たしていないものが続々見つかります。中国の信用は下がったわけですが、しかし手作りマスクを愛用している人は、それを笑えません。と言うのは、目に見えないウイルス相手ですから、目視テストでは分からないからです。

その品質を保証するには、マスクを工業製品として保証する必要があります。

しかし、今までのマスクは、PFE(Particle Filtration Efficiency / 微粒子ろ過効率)・VFE(Viral Filtration Efficiency / ウイルスろ過効率)・BFE(Bacterial Filtration Efficiency / バクテリア(細菌)ろ過効率)と言う品質表示がされてきました。これは、どんなレベルのフィルターを使っているかと言うことを示している感じです。そうマスクの性能は、布、不織布ではなく、フィルターで決まるのですが、ほとんどの場合、マスクの話は、布マスク、不織布マスクで、ひとまとめにして行われます。フィルターで行われません。
また、工業会ルールは、工業会会員には海外輸入品は、当然工業会会員ではないため、性能表示の必要はなく、中国をはじめとする海外メーカーはこの流^るが適用されません。

 
このため、新型コロナウィルス(COVID-19)感染で、すべての人々の必需品となった今、今までなかった、マスクに対する公的な規格・基準は整備することにしました。それまでのマスクは、工業会で付けたマスクがあるとはいえ、一般用、医療用とすら分かれていませんでした。

しかし、今回、JIS規格が定められたことにより、試験方法の標準化が図られ、一定の性能要件以上のマスクを国内で流通させることができるようになります。

 
アイリスオーヤマは、この日本産業規格(JIS)を制定したことを受け、マスク全商品について一般用マスク及び医療用マスクの規格(JIS T9001)認証取得に向けて申請を進める方針を決定したそうです。

 
◾️テレビCM やります!
好調なビジネスは利をもたらします。もともとマスクは、1枚あたりの利が薄い上に、季節変動、年変動があります。花粉の量、またインフルエンザの流行度により使用量が大幅に変わります。常に右肩あがりとは行きません。

しかし、今回は、量が膨れ上がっています。このためテレビCMをすることにしたそうです。

商品は、宮城県角田工場で生産するナノエアーマスクシリーズ。よくできたフィルターで、ウイルスへの防御機能が強いわりに、息苦しくないのです。

新しいテレビコマーシャル(TVCM)「とぼける女」篇の女優は、吉岡里帆。2021年6月19日より全国で順次放送が開始されます。

 
 
●CM あらすじ
吉岡里帆演じる女優「戸帆華ますみ」が、試写会終了後、「戸帆華さん!お顔見せて下さい!」と記者団に追われるシーンから始まります。「つけてるの忘れちゃうマスクなんです!」とナノエアーマスクの特徴を上手く掛け合わせながら、笑顔でとぼけるお茶目なシーンが見どころです。

アイリスオーヤマは、危機に強い会社と言われています。
今回の一連のマスクの対応は、そのことを鮮やかに見せてくれます。

 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://www.irisohyama.co.jp/products/health-care/mask
CMに関して
https://www.irisohyama.co.jp/nano-air-mask-pollen-virus/ https://www.youtube.com/channel/UCoeEcxY7TuX1lK_nL4wzaGQ
 


 

 
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2021年6月19日

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