思うこと

【Netflix サンクチェリア -聖域-】コロナ禍のドラマのエキストラに参加してみた。


放送業界を尻目に、ネットでのオンデマンドは強い強い。良いコンテンツが揃っている。並のコンテンツがほとんどなのに、躍起になって視聴料を徴収しようとしている某国某テレビ局はとは流石に違います。
特に、NETFLIX(ネットフリックス。以下 ネトフリ)は、すごいです。
 
ネトフリの売りの一つに良質の「オリジナル」コンテンツがあります。「映画」「ドラマ」「アニメ」「ドキュメンタリー」。特にドキュメンタリーは、中身がマニア向けに濃く、面白い。自然ドキュメンタリーでは、BBC、ディスカバリーチャンネル、NHKに及ばないとは言え、それでもかなりいい画がごっちゃり入っている。スポーツ・ドキュメンタリーは、スポーツ大国、アメリカ。到底日本の及ぶところではありません。「映画」「ドラマ」に関しても、それは同様です。超本格的。ある人曰く「しかし映画館の興行としては成り立たない」。その位のマニアック度。

ネトフリの収支はとてもいいです。2020年通期での売り上げは、約250億ドル。営業利益は、46億ドル。コロナ禍ということもあり、契約者数は、全世界で、3700万人増。小国一国並の規模です。

 
実は、これらを支えているのが、冒頭の豊富な「オリジナル」コンテンツです。もし他のオンデマンドと同じコンテンツしか置いていないなら、そしてそれが古かったら、そのオンデマンドサービスの魅力はないでしょう。しかし、ここには多種多様の、ありきたりではないレベルのコンテンツがあるのです。

ネトフリのメニューには番組の
サムネールが並ぶ。
オリジナルは左上に「N」の
マークで見分けがつく様に
してある。


 
そんなNETFLIXが、日本独特の格闘技「相撲」に注目しました。
2019年に、ドキュメンタリー映画「相撲人」。女子相撲が題材。骨太の、考えさせられるコンテンツです。
そして現在作成されつつある「サンクチュアリ -聖域-」。

「サンクチュアリ -聖域-」細かいストーリーは、明らかにされていませんが、「崖っぷちに追いやられた1人の無軌道な若者が、金・女・名声、その全てが土俵に埋まっていると信じ、力士へと上り詰めていく。」とあります。こちらは一般的と言えます。

 
格闘技に身を投じる若者は、「将来の夢は国家公務員」など安定軌道に乗った発言などまずしません。恵まれた肉体から来る衝動はそれ位強いのです。そのため、昔、不良、番長、暴れん坊。手に追えなくなると、相撲部屋へ連れて行ったと聞きます。

有名な例に、千代大海、現在の九重親方があります。親方は、中学生で、九州中に名前が響き渡った悪童で、あまりのことに母親が心中まで考えたというほどだったそうです。こんなことではダメだと思った彼は、元横綱 千代の富士が親方を務める九重部屋の門を叩きます。その時、ウルフは金髪、剃り込みの頭をみて「その前にこの頭を何とかしてこい!」と一活。体が震えたそうです。そして力比べとなるのですが、あのウルフですよ。後に大関を張る千代大海でも、苦もなく捻りあげられます。頭を丸めて、相撲に邁進したそうです。

県警のマークまで受けていた彼が、最後は大関として、故郷に凱旋することになるのですが、相撲という世界は、体一つで、色目でみられていた者を、尊敬される眼差しで目られる者にする。そんな世界でもあります。

 
◾️ツィッターで、エキストラ募集を知る
 
私が、このドラマの存在、そしてエキストラ募集を知ったのは、日刊スポーツ 佐々木一郎氏のツイッターです。5月7日(金)のことでした。

最近のエキストラは、ネットエントリー制なのですね。とりあえず、登録だけしました。

 
ざっと読んでみると、10日(月)、11日(火)、12日(水)、13日(木)、8時〜18時まで、場所は、「川崎・・・!??」。相撲だから両国かと思っていたのですが、考えて見ると5月場所中ですから、まぁ無理です。しかし「川崎は遠いなぁ」と思い、ちょっと考えることにしました。

 

謝礼がないことが明記されている。


 
が、8日(土)にむしゃくしゃしたことがあり、験直しに、エキストラに行くことにしました。

 
◾️何度となく、エキストラの追加募集
 
1日のエキストラは、40人。決して多くはありません。というより、升席の定員は4人ですから、完全状態だと10席。一列もうめられません。しかも、その中から記者、協会関係者もいるというのですから、どう撮影するのだろうか?と思いました。

また、毎日のように入ってくるのが、追加募集です。
密を避けたい時期、平日、しかも無給(代わりに特製Tシャツが配布されるとのこと)。また題材が「相撲」ということもあるかもしれません。コロナ禍はいつもより厳しいんだろうなと思いました。

そのうちに木曜日になりました。

 
◾️川崎駅 バス乗り場は「密」
 
撮影場所に、朝8時までに集合。撮影場所は、川崎駅からバスで15分ということですから、余裕を見ると、川崎駅には、7時15分位に到着する必要があります。となると、江東区の自宅を6時過ぎに出る必要があります。小雨降る中、出発です。

東京のラッシュは7〜10時、特に7時30分〜9時は多いのですが、その前の時間時でも人は少なくありません。のべつ人が多いのが東京です。

が、川崎ですから、人の流れとしては逆側になります。しかし、それでもドンドン乗ってきます。ニュースで言う通りですね。「リモート何するものぞ!」と言わんばかりの会社勤務者の熱気です。

今回のラッシュピークは、川崎のバス乗り場でした。川崎駅南にあるバス乗り場は、23つあるのですが、特にすごいのが「4」の乗り場でした。6列くらいで人が待っているのです。密ではなく、密、密。駅のバス乗り場は、集中させることで利便性を図っているので、ここで「密」だからと強権発動されても、やりようがないのも事実です。また、公共交通機関は、人を集中させて乗り込ませるようにできています。まぁ、都市自体が、人が寄せ集まって作ったようなものですから、密なのは当たり前なのですが・・・。

 
◾️現地に着いたら、「・・・」が終わるまで外
 
現地に着いたのは、7時40分過ぎ。玄関の手前の雨風を防げるベンチで待ちます。時間(8:00)になると担当が呼びにきて、外に設置した別の仮設テントに移動します。スポートイベントでよく使われる屋根が白いやつです。

 
 
何をするのかと言うと、コロナの抗原検査です。コロナ検査は、PCR、抗原検査、抗体検査の3つがあります。有名なのは、PCRです。これは病原体の遺伝子を確認する方法です。
メリットは、特異度陰性のものを正しく陰性と判定する確率。が高いこと。別の言い方をすると、感染していない検体は99%陰性といえることです。しかし、この方法、感度陽性と判定されるべきものを正しく陽性と判定する確率が低いのです。本当は感染している人も3割くらい陰性と出てしまうそうです。その上、操作が複雑で時間がかかります。

次に抗原検査は、ウイルス自体を確認する方法。簡便なことが最大のメリット!検体採取から15-30分程度で結果の確認ができます。医療負担が少ないので、実は一番期待されている方法です。欠点は、現段階で感度・特異度がはっきりしないとされることです。このため、体調が悪い人ならほぼ確実にわかるのですが、スクリーニングには使われません。

最後の抗体検査は、今まで感染したことがあるかと確認するものです。方法は血液検査です。コロナでの問題は、抗体を持っている=再度かからないではないことです。はしか(麻疹)、おたふく風邪と違うところです。

 
我々がしたのは、抗原検査。配られたキットは、ネットで調べると1980円でもの。舌の付け根の唾液を毛細管現象で吸い上げ、試薬判断するタイプです。

 

これでチェック。
建前は「研究用」であり「検査用」ではない。


 
2分ですが、結構長いです。私は20秒くらい余分に噛んでいました。唾液が少ない人は、申告で別の方法。1人、そんな人がいました。

終わると、バスの中で、結果を待ます。観光バスの2人がけの席に一人づつ。対面を避けて待つのには便利です。15分すると担当者が来て、「全員OK」となったと宣言してくれました。

 
◾️場所は THINK SPOT KAWASAKI
 
さて使われるスタジオは、THINK SPOT KAWASAKI。ネットで見るといろいろなことに使われているようです。結構人気な様です。人気の理由は、多分地の利でしょうね。公共交通機関で行くには、首都高横羽線浜川崎料金所のすぐ近くです。駐車場も数多くあります。

しかし、建物は、ボロボロ。廃墟として、夏休みに高校生のパーティがやってきて・・・と言うホラーにぴったりと言う雰囲気です。で、中に入ってびっくり、中には縦長の国技館セットが用意されていました。

国技館のセット。かなりリアル。
青シートの下が土俵。


 
◾️映像と本物で全く違う国技館
 
国技館は差し渡し15尺(4.545m)の土俵を中心に、うすいすり鉢型をしています。土俵は見えやすい様に、一辺:6.7m、高さ:55cmの盛り土の上に作られます。

土俵。寸法はルール通り。
ただし高さは低く作ってある。


それを取り囲むのが、審判委員。各辺に1人ずついます。正面はこれだけ。当然1人です。審判長。西と東には、これに控え力士が2人ずついます。計3人。そして、向こう正面は、「呼び出し」「時計係」「控行司」「審判員」「呼び出し」と計5人が座ります。

東枡席から見たところ。かなり狭い。


以降、同じ平面にあるのがS席、いわゆる桟敷席が4列です。ここでは飲食禁止。しかし、その分粗氷に近く、はっきりと見えますし、何よりガチンコ音が迫ってきます。飽きることはありません。以降、いわゆる升席。これが10列あり、壁に沿って椅子が使えるボックス席があります。この升席は、薄いすり鉢に配置されています。これが1階。

2階には、イス席が14列あります。

国技館。これで人が入り、写真をとると、
もう少し傾斜がある様に見える。


ところが、これ映像で見ると全く別物に見えます。なだらかなすり鉢状ではなく、かなり切り立った壁面に見えるのです。

テレビで有名なS社の取締役と一緒に観戦した時、その人の言葉は、「これが国技館ですか。今の映像技術では、これの再現はできませんね。まだまだ、やるべきことがあるのですね。」今は退職されましたが、日本の技術者は、こんな人が多いのです。

 
多分、それを踏まえての縦型セットだと思いますが、なkなかのリアル度があります。
土俵が低い、土俵の周りは土に似せたマットが敷いてあったりと工夫が見えます。

 

セットをパノラマで撮影。
かなり上手くできている。


 
◾️エキストラ40人でOKな理由
 
さて、エキストラ40人は、このセットのありこちに配置されました。私は東 升席の観客です。

このコロナ禍。入場制限していますので、升席は最大2人。それでも少なすぎでしょう。と思っていると、監督が説明をしてくれました。主人公の「番付が低い」からだそうです。

相撲の本場所は、ほぼ全員で取り組みます。相撲の番付は成績順です。「序の口」「序二段」「三段目」「幕下」「十両」以降、幕内で「前頭」「小結」「関脇」「大関」「横綱」の10階級です。うち、幕下までは、力士養成員と呼ばれ、相撲をとっても給金はありません。給金が出るのは「十両」「前頭」「小結」「関脇」「大関」「横綱」。

人数でいうと、序の口:54人、序二段:226人、三段目:201人、幕下:120人、十両:28人、幕内:42人。総計:671人。(令和3年5月場所)人数は場所ごとに変動がありますが、大まかにいうと、70人で671人分を稼ぎ出しているとも言えます。また言い方を変えると、幕下以下の相撲は、観客からお金をとるに値しない取り組みというわけです。

本場所は、これら全員が取り組みます。時間は、朝8時位から。というのは、十両が3時ごろから、幕内が4〜6時と決まっていますので、残りで、いろいろな取り組みをします。このため、15日取り組みではなく、ほぼ半分の7日取り組みにしたり、仕切りを簡略化します。

 
私は、初めての相撲観戦をする人と一緒に来るときは、1時ごろ国技館へ入る様に進めます。熱を入れて見るでもなく見ていると、だんだん相撲になってきているのが分かります。添rまでは、ドタドタバタバタ。これでお金をとるなら詐欺でしょう。行司、呼び出しも、階級制ですから、これもどんどん上手くなります。また衣装もどんどんキレイになります。そして4時からの幕内。華やかで、相撲の醍醐味が伝わってきます。

 
ドラマ用の取り組み表を見ると、主人公は三段目。まだ無給の力士養成員。日によって時間は違いますが、11〜12時頃。場所中でも、国技館はまだ閑散としています。

撮影時の観客席。
三段目ってこんな感じ。


なるほど、これならエキストラ40人、コロナ禍でもなんとかなkります。また三段目以上上がれない人も多く、一種の分かれ道でもあります。

ドラマ用の取り組み表。
取り組み表の左側には、どのメーカーが懸賞金を出したが書かれている。メーカー、商品は架空で笑える。


面白いドラマができるのではないでしょうか?

本番前の練習時はマスクを付けて。


撮影風景。


お土産は、Tシャツ。上手投げです。


 
◾️帰り道にて
 
さて、出来上がりは、本編を見てもらいたいと思いますが、コロナ禍のエキストラ。帰り道の状況を。

13日の撮影でエキストラが必要なのは、2シーン。12時過ぎに終わりました。お弁当と、お礼のTシャツが配布され解散。しかし、一番近い浜川崎駅での電車待ちは30分。待ちが長い上、ホッとしたところもあるのでしょうか? 駅のベンチでお弁当を広げる人もいました・・・。ベンチ周りは密です。

確かに周りは同じ空間を共有したメンバー。一応コロナ検査を受けていますが、他の人がきたらどうするつもりなのでしょうか? また、おにぎり、ハンバーガーという一口食べては隠してしまえる携帯食とは違います。問題はないとはせよ、時期が時期だけにちょっと考えてしまいました。

 
自宅へ戻った時は2時過ぎ、お腹はペコペコでした。

 
今回思ったのは、2つ。1つは、コロナ禍で何かするとすると、いつもより時間も、お金もかかること。しかし知恵を使ってかなりの部分が凌げるということです。
そして2つ目は老朽化施設のことです。実は、今回使用されたTHINK SPOT KAWASAKIは、ある企業が持っていた老朽化体育館。それをスタジオとして使っているわけです。何ら問題ない様に感じますが、近くを走る貨物列車のガタンゴトンという音がまる聞こえ、実際撮影もそれでストップしました。日本はやはりエンターティメントに優しくない様です。

スタジオの扉。
近くで見るとボロボロ。



*この大きさでドコドコされると撮影では困ってしまう。

 
しかし自分も参加したネトフリの新作ドラマ。待ちどうしいです。

 
●本日の収支
交通費往復 1435円

 
より詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://twitter.com/netflixjp/status/1335841474068574208
 

 
#ネットフリックス #相撲 #エキストラ #コロナ禍 #生活家電.com

2021年5月17日

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