レポート

【太鼓判】炊飯プログラムを極めた逸品。
パナソニック Wおどり炊き SR-VSX100


2020年パナソニック Wおどり炊き SR-VSX100(SR-VSX0シリーズ 5.5合炊き)。
外観は、今までのモデルと変わりません。が、練度が増しているように感じますね。年を重ねるにつれ洗練されていっている感じです。2020年モデルの使用感をレポートします。
 

パナソニック Wおどり炊き SR-VSX100(5.5合炊き)。
2020年モデル。パナソニックのフラッグシップ。
2020年6月1日発売。オープン価格。
平均市場売価:10万1500円(税込)(10月15日、価格.com)


 
◾️パナソニックはプログラムが強い
 
炊飯は、お米を炊くことを言いますが、言い方を変えると、お米の中に水分を入れることです。
精米時で14〜15.5%。給水させて30〜32%。それが炊き上がりベストは約62%に。すごいですよね。これに連れ、米粒がご飯になった時は、2.2倍にも膨れます

ところが、13.5%を切りますとお米は急速に劣化します。ひび割れやすくもなります。

お米を保存食として捉えると、水分が少ない方が長期保存に耐えます。これはお米の大いなる利点。
しかし、お米も生き物。生鮮食品です。長期保存だと、鮮度が落ちます。具体的には美味しくなくなるのです。

昔、よく言われたのは、夏を越すとお米は美味しくなくなる。夏の暑い中、今ほどの暑さではないにせよ、倉庫内は、かなり暑くなります。水分がなくなるのです。そんなお米を後が、新米ですからね。泣けるほど美味い。お日様の恵み、お百姓さんの努力の恵みをつくづく感じます。

現在のお米は、このようなことがないように、エアコン付きの倉庫で管理します。また水分が飛びやすい精米状態にするのも出荷ギリギリにします。

しかし、同じようなことがお家でもおこっているのです。
お米どこに保管していますか?
鮮度を考えると、密閉容器に入れて冷蔵庫保管がお勧めです。
いつのまにか、お米から水分が失われることがあります。こうなると、もともとの含水率が少ないので、焚き上げても水分が足らず美味しくない。

Wおどりだきで、美味しいお米を美味しく炊く炊飯を実現したパナソニックの次の目標は、どんな状態のお米でも美味しく炊くこと。それが実現したのが、2018年モデルです。鮮度の落ちたお米も、炊飯技術でサポートします。鮮度センシングという技術です。

 
◾️プログラムで対応は、家電メーカーの誉れ

コンソールパネル。タッチパネル化され、かなりのシンプル操作。


しかし、お米の含水率などは、測るとなるとかなり時間が必要です。当然、毎食測定なんてできるわけありません。では、どしたのでしょうか?
それは、その時の炊飯の挙動と、標準時の挙動との差異を、検知し、プログラムの小修正をその場で行い、ベストな水分率になるように炊飯時間を調整するのです。

で、効果は….

見事なものです。ちょっと時間のたったお米(常温保存のため水分がかなり減ったお米)も美味しく食べられました。

物理的ではなく、プログラムでの改良は、アップデートが当たり前になる来るべきIoT & AI 時代。プログラムで変更できるというのは重要なポイントです。
今からは、「IH」+「圧力」で、仕様は一種類、プログラムの変更で3つ位ラインナップすることになるのではと思います。

 
◾️プログラムを支える炊飯仕様 〜IHと内釜〜
このプリグラムの差を活かすには、それを受け止めるためのしっかりした仕様が必要です。

まず炊飯は、「はじめチョロチョロ、中パッパ、ぶつぶついう頃火を引いて、一握りのわら燃やし、赤子泣いてもフタ取るな!」という、竈門がない今の子供だと、呪文のような唄に従い展開されます。

1)「はじめチョロチョロ」は、「お米に吸水させながら、徐々に釜内の温度を上げていく」工程。
2)「中パッパ」は、「強火で釜を一気に加熱し、沸騰させる」工程。
3)「ぶつぶついう頃火を引いて」は、「加熱し切ったお釜の中が沸騰し、中のお米がおどる」工程。
4)「一握りのわら燃やし」は、「水がなくなり、お米に粘りが出る」工程。
5)「赤子泣いてもフタとるな」は、「余分な水分を飛ばす、蒸らし」工程。

パナソニックがペットネームとして用いている「Wおどりだき」は、2)3)の工程のことを言います。

炊飯のポイントは、これら工程の要所を詰めて行くことにあります。

しかし、片や電気に対し、膨大なエネルギーを持つ火。温度が高い分、温度を上げる瞬発力も違います。また釜は鉄器。しかもゴッツイ。

昔の人は、女性でも力持ちで、少々のことではへこたれませんでした。なんせ、洗濯も手洗いのみの時代。肉体労働はできて当たり前の時代です。そんな時代の火を受け止める鉄釜です。厚みがある上に、熱伝導性があり、しかも保温性も高い。熱の塊のような状態の中で、お米は炊かれていたわけです。

これに比べると、電気はどうしてもパワーで負けます。まぁ、その分、火は無駄なエネルギーを垂れ流しているという言い方もできるのですがね。

このため、炊飯器の火力は、「ヒーター」から「IH」へと変わります。そして「加圧」。「炊く」という料理は、食材の中に水分他を入れ込むために行うということもできます。「加圧」はそのサポートです。

このため、今ドキの高級炊飯器は「「IH」+「圧力」」が標準です。これはパナソニックだけでなく、いい炊飯器を作る場合の標準仕様です。この中で、パナソニックのIHの特徴はというと、フタのIHが強いことと、圧力が可変であること。IHはフタから底面まで全部で6つ配置され、パワフルに、そして微妙なコントロールができるように、配置されています。ふたIHは、特に、少量炊きの時、水面から上の温度が下がりやすい空間をコントロールし、少量をうまく炊く時役立ちますし、可変圧力は、沸騰状態を自在にコントロールするのに役立ちます。

ダイヤモンド竃釜


また、内釜も工夫がされています。「ダイヤモンド竈釜」と名付けられています。ダイヤモンドとはちょっと妙と思われるかもしれませんが、これは釜の最内側にダイヤモンドプレミアムコートが施されているからです(ご飯がこびりつかないようフッ素コーティングされているところですね)。キザにはIHで発熱するステンレス、そしてその内側に熱伝導性の良いアルミが用いられています。逆に外側は熱を逃さないように、セラミックスが用いられています。ステンレスを中心にいろいろ凝ったコーティンふがされているわけです。また底面も凸のディンプル加工が施され、沸騰時の泡の起点となります。

また、この内釜、パナソニックらしい特徴もあります。それは、それなりに軽いことです。高級炊飯器の内釜は重いものが多い。しかし、これは、それなりの重さで作られています。重いとユーザーが悲鳴を上げることがありますが、そう言ったことがない。卒なく、バランスいいのは、極めてパナソニックらしいと言えます。

 
◾️ プログラムを支える炊飯仕様 〜220℃スチーム〜
この炊飯器は、他のメーカーでは、見慣れないものが付いています。ふたを開けると右手側にある水カップです。炊飯時には必ず水を入れておきます。この水を100℃、加圧加熱で220℃にします。

写真のほぼ中央にあるのが、水カップ。(抜き差し可能)


使うのは、4)5)の工程。スチームは水が少ない状態で使われます。焦げができるのも、この工程です。焦げができると、その部分は熱を通しにくくなるので、最終加熱が十分できません。このためにパナソニックは220℃スチームを採用しました。

瑞々しい、新米の炊き上がりにこだわったのが、パナソニックの炊飯器だと言えます。

 
◾️三合で炊いた時の食味、一合で炊いた時の食味
実際に、三合、一合と炊いて食べてみました。お米は千葉のコシヒカリ、精米後10日。近くのスーパーで購入したものです。

感じたのは腰のある柔らかさ。パナソニックの標準は、やや柔らかめ。それは、常に水っけがあるからですが、以前と違うのは、適度にという感じ。かなりいい塩梅で、かためが好きな私でも、これもいいなというレベルです。当然、美味い

では、一合ではどうでしょうか? OKの範囲内ですが、心持ち柔らかいです。ただ三合と一合を比較した時、一合の方が、水量などちょっとした誤差が、差として出やすいですから、その差レベルと言えます。

逆に感心したのは、パナソニックは一合用の物理的手段を使うことなく、通常の仕様にプログラムだけで対応したこと。逆な言い方をすると、それを支える炊飯器の仕様がしっかりしていたということです。

ただ、その分、おネバは多めで、お米を多く食べる人からすると、もう少しあっさり目の方が好みかもしれません。ただ、それはお米の銘柄他で対応可能です。

取手付き。最近は思いモデルがおおく少ない。
ちなみに柄の部分にはしゃもじが付けられる。


 
◾️まとめ
パナソニックのWおどりだき SR-VSX100は、一言で言うと、「バランスがとても良く、美味しいご飯が炊けるモデル」。炊き具合の方を一言で言うと、「瑞々しく美味しいお米」。そして、それを支えるプログラムの出来が秀逸です。

字数の関係で書けませんでしたが、プログラムを自在に動かせるため、「銘柄炊き分けコンシェルジュ」「食感自在炊き分け」が搭載されていますし、コンソールにタッチパネルを使用しており、操作もとても楽です。

コンソールはタッチパネル。


もちろん、生活家電.comの評価は「太鼓判」。途中、小修正をしながら、常にベストな炊きあがりをすることを大きく評価します。

商品の詳しい情報は、以下のURLで。
https://panasonic.jp/suihan/
 


 

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2020年10月20日

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