レポート

日本、イタリアの合作の傑作スティック型掃除機。
AQUA(アクア) コードレス スティック型掃除機「AXEL CLEAN AQC-HF500 for Pet lovers」


世界でトップの白物家電メーカー・ハイアール。ご存知の通り、中国メーカーです。が、今、その言い方は不適切。グローバル企業と言った方がいいでしょうね。しかも、M&Aを繰り返して、名だたるメーカーを手に入れています。
 

AQUA(アクア) コードレス スティック型掃除機
「AXEL CLEAN AQC-HF500 for Pet lovers」
オープン価格、発売中。


 
◾️AQUAってどんなメーカー
AQUA(アクア)も、そんなハイアール傘下の日本メーカー。元サンヨーの冷蔵庫部門、洗濯機部門を一つにして新会社として一つにしたものです。サンヨーは解体後、そのほとんどを買ったのが、パナソニック。そこから買って仕立て直したと言うわけです。役割は、日本市場に対するアプローチ。

日本は、数多くの家電メーカーがあり、世界的にも名が通っているメーカーが多い。その上、ユーザーの眼が肥えている上に、サービスにうるさいという特徴を持ちます。日本の家電メーカーは、良くも悪くも、そう言った市場で育ちました。

安ければイイと言うのと一線を画し、その中でイイものが求められます。要するに緻密な商品力が求められるのです。基本ができているのは当たり前。加えて何か一つ特徴がいると言うわけです。そうでないと売れない。

このため、強いメーカーでも中々入れません。アメリカを席巻した韓国サムソンのテレビが、日本市場で生き残れなかったことを考えるといいでしょう。日本市場は、新しいもの、商品力のあるものが好きで、ただ安いだけものは認められないのです。

ハイアールが、AQUAをつくったのは、このためです。日本市場を知る元日本メーカーにしてもらおうと言うことなのです。

 
◾️今までのAQUAの掃除機
さて、AQUAが、冷蔵庫、洗濯機から始められています。では、そんな時、その他の家電はどうするかと言うと調達します。多くの場合は、仕様指示(主には樹脂色など)を行い、自社ブランドで売ります。いわゆるOEMと言われるものです。

ハイアールですから、多種多用の掃除機を扱っています。ですから、OEMはし易かったと思います。

が、当時のカタログを見ると、あまり欲しいとは思えないモノが並んでいます。スティック型掃除機は、毎年の様に大モデルチェンジを繰り返していた時代です。引っ張っていたのは、エレクトロラックス、ダイソン。それに日本の家電メーカーが追従します。となると、AQUAのスティック型掃除機は、余程のことがない限り、買う意味が存在しません。

それを打破するのが、2020年モデルである
コードレス スティック型掃除機「AXEL CLEAN AQC-HF500 for Pet lovers」(以下 HF500)なのです。

 
◾️これがグローバル企業の強み
前段で書きました通り、ハイアールは世界でトップクラスの白物家電メーカーです。このため、傘下企業はいっぱいいます。

イタリアのCandy Hoover Groupもその一つ。2018年に傘下に加えました。Candyは「洗濯機」が、Hooverは「掃除機」が強いブランドです。特にHooverは、ヨーロッパのクリーナートップシェアを誇るそうです。
AQUAは、Candy Hoover Groupが、ハイアールグループの一員になった折、日本市場でも、その技術力やデザイン力を武器に、共同開発を行えるのではないかと考え、アプローチを開始。よくある同じグループ内リソースを使いシナジーを出しましょうというやつです。メーカーに在籍していた私に言わせると、これは言うは易し、行うは難しの事です。しかも、グループ内で、Candy Hoover Groupと他ブランドとの協業は初めてのことでしたので、なおさらです。

Hoover社の掃除機。
イタリアン!


成功させるためには、相手への尊敬と理解、「してもらうためには、自分は何をすべきか」を考えながら進める必要があるからです。実際、この開発は社内でも注目されたそうです。上手くいくとすごい成果がでます。こうしてできたHF500は、ヨーロッパ(しかもイタリア)の洗練されたデザインと技術力、日本独自の細やかな仕様を併せ持つモデルに仕上がったわけです。グルーバル企業の強さを現しています。

 
◾️「手持ち式」と「自立式」のイイトコどり
スティック型掃除機の場合、「手持ち式」と「自立式」があります。手持ち式は、なるべく軽く作ります。使い心地は、はじめはイイのですが、5分くらい掛けるとチョット手がだるくなります。始めがよくて、だんだんよくなくなるタイプです。逆に自立式は、重さのほとんどを床が支えてくれます。このため重さを気にせずに作れます。このため自立式は、始めから終わりまで、雰囲気が変わりません。が、掃除現場まで持って行く時に、チョット重く感じることがあります。一長一短があります。

HF500は手持ち式です。しかし、ヘッドを固定して「自立させる機能」があります。これが実に楽なのです。

凹凸の噛み合わせでロックさせる。


掃除をする時のベストタイミングは、何も乱れていない時。整理整頓してからが、掃除する時の原則です。

が、そうしない人も多々。片付けながら掃除をする人です。そんな時、手持ち式だと、床に転がしておくしかありません。自立できるとどうなるかというと、すこぶる楽なのです。HF500は、本体重量は2.3kgとやや重めなのですが、バランスもよく実に扱いやすい。まさに手持ち式と自立式でもない独特のイイ感じと言えます。これは大きな美点です。

 
◾️やる気になる活力感あるデザイン
次の美点は、デザイン。これが実にイイのです。

掃除機デザインで要求されることに、「動かしやすさ」が一つありますが、それに加えて「動かしてみたい」というのが必要です。HF500は、実に子供じみたギミックですが、動作中は手元が光ります。実は、私、これにハマりました。動いていると言う、活力感があるのです。

右側が吸引力「強」「標準」「弱」を、左側がバッテリーの状態を示す。
写真ではライト部は生活家電.com弄っちゃけているが、実際は鮮やかな色だ。


そんなもの音でわかるじゃないかと言われると、その通りなのです。が、掃除機は相棒感が強い家電です。この動いてます感は非常にいいです。

また、アルミポールの質感もいい。こちらもポイント高い。


 
◾️for Pet lovers は伊達じゃない
3つ目の美点は、毛に強いということです。現在、日本ではフローリングが多いのですが、一部の人は絨毯もつかっています。カーペット掃除の時の問題は「ハウスダスト」と「毛」です。髪の毛もそうですが、毛の抜け変わるモフモフな犬猫を飼っていると3倍増。掃除しても、掃除しても出てくるという感じです。

犬猫を飼っているとカーペットとか使わなくなるのですが、猫はともかく犬は結構足を滑らせますね。できればカーペットを敷きたいものです。寒さ除けの関係もあり、最低でも、寝場所には置いてやりたいものです。しかし、そうなるとそこには抜け毛がたんまり。ダニも発生しそうです。だったら短毛種に使用うか?とか、考える人もいると思いますが、それはだんだん自分の飼いたい犬、好きな犬から離れて行くので本末転倒とも言えます。

まぁ、いろいろな防御策は考えるにせよ、犬猫がいる家では毛取りに強い掃除機が必要です。HF500は、名前の通り、そこに注力した、それを特徴とするモデルなのです。

 
ポイントはヘッドです。取りにくいモノをとる=吸引力が高い掃除機と考える人もいますが、こと毛に関してはそれが通用しません。理由は絡んだ毛は、吸い取れないからです。

では、どうするのか? 人と同じです。クシを使うのです。要するに毛をすいてやり、フリーの毛を外に浮かせ、吸い取るのです。

 
フローリングなど通常の時は、「回転ブラシ」+「起毛布」。回転ブラシは硬い毛と柔らかい毛が組み合わされています。ゴミにも相性があるので、2種類の毛を使うのです。起毛布は密着性がいいので、フローリングの隙間のゴミも掻き出します。これは、今時の掃除機の基本使用になっています。

汎用性の高いブラシ構成。


起毛布のバーを絨毯用ワイドケトリゴムにさし変える。


さて難題の絨毯です。この時は、起毛布の代わりに「ワイドケトリゴム」を装着します。これはゴム製のクシです。絨毯の毛足の奥から、からんだ毛を引っ張り出してきます。絨毯専用のヘッドといえます。(取説にもカーペットのみ。とあります。) 見聞きすると、コロンブスの卵の様な発想ですが、安くて効果がある仕様です。

「for Pet lovers」を名乗っていますが、その名に相応しいと思います。

また、ハンディーにした時使う、「ミニケトリノズル」は、ソファーなど、布地から毛やゴミを吸い取るのに役立ちます。

 
◾️一部分が傑出しているのではなく、押し並べて高機能
実際に使ってみると、いろいろな部分が高次元でバランスを取っていることがわかります。
掃除してて気持ちがイイ。掃除機をかけることが嬉しくなる掃除機です。

また、感心したのは、手持ち式ながら、「アタッチメントが搭載されている」点です。普通、重くなったりスペースがなかったりするので、手持ち式の多くのモデルはアタッチメントを常時装備できていません。が、HF500は、マルチに使える「2wayノズル」を常に装着しています。このため、いつ何時ハンディ掃除機として使ってもポテンシャルを発揮します。その上、そんな時、残った部位(ヘッド+ポール部分)は自立しています。実に使いやすい。

常に搭載されている2wayノズル。


ブラシとソフトの2通り(2way)が使える。


充電池は充電4時間、強で8分、標準で22分、弱で34分。「標準」メイン、時々「強」で掃除してぴったりという感じです。

収納は自立するので、そのままでも可能ですし、ハンディ部分で分け、残った部分と合体させての収納も可能です。安定がいいためでしょうか、スタンドは付属しません。テスト中に、震度4の地震がありましたが、びくともしませんでした。が、不安に思う人は、分けて合体させての収納をお勧めします。

ハンディ掃除機の部分で分けた収納スタイル。
より収納しやすいし、安定する。


 
HF500は、これは困ると言う欠点はありません。

あえて言うとすれば、●ダストカップの着脱がボタン式ではなく、ねじり式で力がいる。●LEDライトが3灯。幅いっぱい欲しい。●ホコリを取りきったことがわかるダストセンサーが付いていない。というところでしょうか。

ダストカップを本体から外すときは回さなければならない。
ごみ捨て時底面を開くのは、ボタン式。


HF500は、今まで出していたAQUAの掃除機より、数段上。というよりメーカーにとって会心の出来でしょう。
ペットを飼っている人はもちろん、絨毯を使っている人にも、是非購入候補に入れて欲しい注目掃除機といえます。

 
商品のより詳しい情報は、以下のURLでご確認ください。
https://aqua-has.com/cp/komono/aqc-hf500/
 


 

 
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2020年5月3日

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