レポート

【レポート】9,999円のシャオミの『Mi IH炊飯器』を試してみた。
パナソニックのDNAで日本人向けになっているのか?


スマートホンで世界第4位のシャオミ(小米)。その炊飯器が、遂に日本発売の日を迎えました。中国の大量生産技術と、元パナソニックの技術者のコラボレーションでもある炊飯器です。価格は9999円(税抜)。そのお味は、どんなものでしょうか?また、どんな特長があるのでしょうか?

シャオミ(小米) Mi IH炊飯器 IHFB01CM。
とにかく、売価:9999円(税抜)と仕様にビックリした。


 
■シャオミ『Mi IH炊飯器』に搭載された技術
 
炊飯器で技術的に重要な要素は4つあります。
1)火力。
強く、正確にコントロールできるのが重要。このため、ヒーターよりIHがいいです。
2)内釜
火力を受け止め、保持できることが重要。お米に直接ふれるところでもあるので、腕によりを掛けて作ります。が、手作りに近いモノは価格が跳ね上がります。
3)プログラム
「始めチョロチョロ、中パッパ・・・」という炊飯の口伝がありますが、炊飯器が持つポテンシャルに合わせて組まれます。
4)圧力
炊く前の吸水から、炊飯時のちょっとした加圧までいろいろなシーンで使われます。時短のためには、絶対に必要な技術です。

シャオミ『Mi IH炊飯器』(以下 シャオミ炊飯器)に採用されているのは、1)〜3)。これは高級炊飯器が作られ始めた当時使われた技術が入っていることを意味します。
が、どんなに優れた技術があっても「日本のお米(ジャポニカ米)を、美味しく食べる」という大目標かを外しては宝の持ち腐れです。

シャオミの場合、元パナソニックの炊飯器開発者が監修していると言いますからね。どんな塩梅(あんばい)なのでしょうか?
大いに出来が気になる所です。

 
 
■味はパナソニックのDNAを感じさせるか?
 
シャオミ炊飯器は、「五合炊き」と「一升炊き」があります。今回テストしたのは、五合炊き。使用した米は、庄内米の「つや姫」。美味しさに定評のある米です。水は、残念ながら東京の水道水。ま、これも平成に「東京水」として販売されたこともありますので、ブランド水と言っていいかもしれません。

シャオミ炊飯器は安価ですから、IHを採用しているとは言え、炊飯モードを「かため」「やわらかめ」の様に選ぶことはできません。いわゆる「ふつう」があるだけです。

「炊飯」「早炊き」「お粥」「保温」「予約」が選択できるコンソール。


試食してみますと、やや「かため」で、さっぱりとした味に炊けます。ややパサついた感じで、お米ひと粒ひと粒の粒状がはっきり分かります。

これは白米でバシバシ食べると言うより、チャーハン、カレーなど、ご飯に味を付けて食べる時にもってこいといえる状態です。

加圧機能がないので、かために炊けるだろうとは予想していましたが、日本人の好む白米とはちょっと違いますね。今ドキの、日本のお米は「コシヒカリ」のもっちりとした、濃い味が基本になりますが、そのブランド米を炊いても、味が薄い。決して不味くはないのですが、お米の旨みを丁寧に旨みを引き出そうとする日本の炊飯器とは、目指しているところが違う感じなのです。

炒飯にイイ感じの硬さでもありますので、どちらかというと、中国人の好む白米ではないかと思います。元パナソニックの社員が開発に参加しているということで、もっと日本よりかと思っていましたが、私の予想とは、違った感じに仕上がっていました。(目盛りピッタリに水を入れるなど、メーカー標準でテストした場合です。水量を調整し、かたさを返るなどの調整はSていません。)

 
このため、中国市場へ出しているモデルを、そのまま日本市場に投入したのかとも思いました。これを確認するなら、当モデルが中国で販売されているモノと完全に同じか、どうかチェックすればイイわけです。もし、同じなら、今回の話は合点がいきます。日本市場はテスト販売と言うわけです。が、中国市場では負けられません。当然炊き上がりは、中国人の好みに合わせたというわけです。

同梱品。「蒸し器」「計量カップ」「しゃもじ」「レンゲ」が付く。
日本メーカーでは、「蒸し器」「レンゲ」が付くことはまずない。


 
■質感は価格通り
 
外側の樹脂は、のミルクガラスコーヒーカップメーカー、ファーヤーキングに使われているガラス。独特の質感があり、ファンも多い。にも似た独特の光沢を持ちます。とても魅力的です。

この質感はスマホで金型、手触りを、いろいろ磨いてきた技術が活かされていると思います。
また、内釜も「厚釜」と銘打つだけあり、それなりの質感があります。

取説には、素材は合金、重さ:4.5kg と記載されている。


しかし、それ以外のところは値相応です。内ブタは薄く、昭和の炊飯器を連想させます。イイ部分とそうでない部分が渾然と混じり合っています。今の中国製品は、高度成長期の日本製品のようなも感じです。

内ブタ。かなり薄い。


使い勝手ですが、いじるところが少ない分だけ使いやすいです。洗い物は、内釜と内ブタ。後、水溜の水を捨ててやればハイ終わりです。

あと、気になったのは、内部電源を持たないこと。コンセントを拭くと、時間設定も含めニュートラルになります。これはちょっとビックリしました。

 
が、ちょっとしたアイディアなどは詰め込まれています。本体に、「説明シール」が貼られていましたが、これなどは、すごく分かりやすい。マニュアルは読まれないことも多いので、これは有効だと思います。

網掛けの部分がシール。コンソールを分かりやすく説明している。


また日本では同じみの「取っ手」は付いていません。が、両脇底に手を入れられる凹みが設けられており、持ちやすいように設計されています。

取っ手の代わりに、凹みが付けられている。
持った時のバランスも悪くない。


 
■IoTで日本は敵わないかも・・・
 
この低価格にも関わらず、シャオミ炊飯器には、Wi-Fiアンテナが内蔵されています。「さすがにスマホメーカー」とも言えますが、セットしてみてビックリしました。シャオミはスマホメーカーと思っていたのですが、実際はいろいろなモノを販売しているのですね。センサー、セキュリティ、ロボット掃除機、電動歯ブラシ等々。この炊飯器も、その内の一つです。

スマホ用のアプリ「Mi Home」の接続できる
シャオミの製品ページ。
照明からスニーカーまで本当にいろいろある。


ここまであると、いじり倒したいという気持ちが芽生えます。要するに、全部シャオミでもイイヤという感じです。その代わり、完全自動化させてやろうと言う考えです。

 
IoTは2015年位から、声高に叫ばれていますが、まだ生活に馴染んでいません。これは日本の場合、安いモデルには採算性が合わないとして、Wi-Fiを載せませんし、高いモデルに入れても、買い換えサイクルはゆっくりだからです。こうなるとIoTと言っても、メーカーバラバラですし、あっても数台。

ところが考えて見てください。
家電を一斉にそろえるときは、学生、社会人で一人暮らしを始めるときと、新婚の時。どちらも余りお金がない時です。少なくとも、全部をトップモデルの家電で締めるのは、よほど裕福な人でしょう。

しかし、シャオミのように低価格なら話が違ってきます。揃える事ができます。こうなると、一緒に動かせるなどの機能を加えられます。その上、IoT家電は、物理的に変更しなくてもいいのなら、プログラム書き替えで、古い家電を新しくすることも可能です。

「白米 熟成炊き」(矢印)の様に、
スマホからの操作を前提としているモノもある。


今既に持っている家電が多い先進国では、なかなか適用されにくいモデルではありませんが、生活向上中の13億人の市場を持つ中国なら可能でしょうね。

 
失敗が許されなくて、行き詰まり、閉塞感のある日本と、取りあえず無茶もやって自社の考えるところまで到達しようとする中国の勢いの差が見て取れる感じです。

 
■最後に
 
今回のシャオミ炊飯器は、味の方から言うと、あっさりし過ぎる感じでしたが、潜在ポテンシャルを見せつけられた気がします。IHを安価モデルに入れるのもそうですが、自分のしたい方向をやりきる力を感じます。多分、この力が未来を切り開く力で、これはマーケットの調査データーは教えてくれません。

今後、シャオミに限らず、中国家電を黒物だけでなく、白物家電もしっかり受け止める必要があると改めて感じました。

 
商品のより詳しい情報は、以下のホームページにてご確認ください。
https://www.mi.com/jp/mi-induction-heating-rice-cooker/
 

 
#キッチン家電 #調理家電 #炊飯器 #シャオミ #小米 #Mi IH炊飯器 #IoT #生活家電.com

2020年2月3日

タグ: , , , , , ,