思うこと

【2019 珈琲】cores(コレス)が魅せるコーヒーグッズ
その製品は中国を魅了できるか?


大石&アソシエイツのコーヒーブランド「cores」。この春にブランドロゴを刷新した時には、ビックリしました。それは、ブランドと言うモノは、最終的にイメージなので、バカの一つ覚えではありませんが、「○○と言えば●●」という様に、常に同じことを発信し続ける必要があるからです。それに対して十分アピールしていないと感じたからです。

coresの新ロゴマーク。
ドリップでお湯を注ぎ後をロゴマークとして使用。


刷新の理由は、中国ビジネスを本格的に行うためですが、ブランドイメージは後から付いてくるモノ。と言うのは、ユーザーがブランドをイメージするのは、「製品を使った時の体験」が元になるからです。

SCAJ World Specialty Coffee Conference and Exhibition 2019(SCAJは、Specialty Coffee Association of Japan / 日本スペシャルティコーヒー協会)という日本でも有数のコーヒーの展示会がありますが、そこに並べられていた製品に、感動をもらたす要素はあるのでしょうか?
 
■黄金のドリップフィルター コーヒーの抽出法は、幾つかの種類があります。ドリップ、サイフォン、フレンチプレスが有名なところでしょうか?

一番ポピュラーなのは「ドリップ」。ドリッパーにフィルターを装着。挽いたコーヒー粉を入れ、上から湯を注ぎ蒸らす、その後、また注ぎ抽出する方法です。

「ドリッパー」「フィルター」「注ぎ方」を変えると味も変わるわけで、コーヒーが好きな人は、それぞれいろいろ試して見ます。コーヒーを「より美味しく」という、飲むとは別の楽しみが生まれるわけです。

 
coresのメイン製品は、そのドリップ抽出で用いられる「黃金のメタルフィルター」。金ですよ、金!

coresのメイン品番、ゴールドフィルター C285。
3,500円(税抜)(オンライン価格)


フィルターに用いられる素材は幾つかありますが、主には「ネル(布)」「紙」「メタル」の3種類です。歴史的に古いのは「ネル」ですが、扱いがとても面倒なため、「紙」が主流です。

フィルターはコーヒーの中に、コーヒー粉を入れないためですが、味も変えます。紙フィルターはコーヒーの油分などをかなり吸います。その分、味が変わるというわけです。対し、メタルフィルターは、全部、そのままコーヒーとして味わえます。香りが豊かな上、スペシャリティーコーヒーに欠かすことのできない「酸味」が美味くでます。

その上、ゴールドなので、品質が極めて安定。ステンレスも悪くはないのですが、金に比べるとやはり劣化します。それがないのもプラス。

また、cores 独特の縦長スリットは、湯が通りやすい。つまりコーヒーのフレーバーと特長を出す時使う『高温短時間抽出』に適しているわけで、スペシャリティーコーヒー向き。実によく出来た逸品です。

coresの縦長スリット。湯落ちがいい。


 
今回、このゴールドフィルターに、追加されたのがC250GD。ハリオのV60ドリッパーを彷彿とさせる円錐に似た形です。

ゴールドコーンフィルター&サーバー C750GD。
12000円(税抜)


しかも、受けるサーバーがまたいいです。私は、コーヒー用具はある意味、科学的で、珍奇なデザインと考えていますので、もろ、ツボですね。合せて12,000円。

また、最近はやりの1杯用もあります。カップの上に設置。豆1杯分をセットして入れるものです。朝忙しい時には楽です。

いずれにせよ、よりコーヒーが楽しめそうな3つのゴールドフィルターです。

 
■欲しいと思ったコーヒー豆入れ
茶道具には名物がいっぱいあります。中でも茶入れは名物が多く、茶碗とともに目立ちます。ところが、今のコーヒーはというと、豆の入れ物に、これはと言うものはありません。コーヒーと茶の扱いは基本的に同じ。湿度と直射日光はNGです。

これに対して、coresが提案しているキャニスター(豆入れ、保存容器)のは、美濃焼の「黒」。写真で見たときはどうかとも思ったのですが、触ってみるとかなりいいです。光沢のないマット調の黒は、いかにも湿度に強そうです。

キャニスター。200gの豆が入る。美濃焼の磁器。
2500円(税抜)。


フタはシリコンゴムがはめ込まれており、
密閉性はよい。


私は、コーヒー豆の保存には、ガラスの真空容器を使っています。まぁ、少々面倒臭いのですが、香りを損なわないのは嬉しいことです。
しかし、このコーヒー入れの雰囲気の良さに、ちょっと欲しくなりました。

これに合わせてあるのが、キキマグと呼ばれるカップです。
よくある形のマグではありますが、「味をきく」ために造られたカップ。独特の迫力を有します。

キキマグ ブラック C811BK。美濃焼の磁器。320ml。
1800円(税抜)。


キキマグのカラーバリエーション


ややくすみのある色は、ハッキリ言って「渋い」。
まぁ、形容に、茶の言葉が並びますが、日本人の美意識の中に受け継がれている大きな流れですから、ご勘弁を。

 
■製品からイメージを膨らませてブランドへ
ブランドはイメージです。そのイメージは決してイメージフィルムからくるモノではありません。ポイントは製品がユーザーにもたらすイメージです。

 
私が、coresの製品からイメージしたのは、秀吉と利休です。

安土桃山時代。急速に領土を拡大した織田信長。とは言うモノの、領土を得られない戦いも腐るほどあります。そんな時でも信賞必罰。頑張ってくれた武将には褒美を与える必要があります。

お金を渡すのも一つですが、農民ではない常備軍を有する信長にとって、軍資金を欠くことは、生死にも関わることです。代わりに渡すのが茶器と茶会を開く権利です。この時期「大名物」と呼ばれる茶器は、一国と等しい価値があったと言いますからスゴいモノです。

 
そんな時代に天下を統一したのが秀吉。
彼のイメージは「黃金」です。黃金の茶室も作っていますし。

その時の、茶道のトップが利休。
ムダを廃し、行き着いた境地がわびさび。色は黒が、利休好みだったそうです。

私は、coresの製品群を見ながら、こんなことを考えていました。

 
明へ攻め込むとした秀吉なので、受けが悪いなら、東方見聞録の「黃金の国 ジパング」という手もあります。元ネタは、平安末期の陸奥だそうです。そう中尊寺「金色堂」に代表される藤原氏の時代ですね。

また室町の三代将軍 義満が建てた「金閣寺」もありますし、前述の秀吉は「天正大判」でも有名です。徳川の埋蔵金は今でも探しまくっている人がいるとか。

 
私が言いたいのは、ブランド戦略云々より、製品の持つイメージの方が重要と言うことです。ロゴも、ブランドコピーもカッコイイにこしたことはないですが、製品が、それを裏切っていたら元も子もありませんからね。

この点、製品はしっかりしており、いろいろなイメージを持たせることが可能だと思います。それをイイ方向でまとめあげる。このイイ方向というのがポイントで、この方向性で、ブランドイメージを確立することができると思います。

日本の家電ブランドで、唯一世界で認められているのは、ソニーだけで、それはソニー製品の新しさに驚いた人が多かったからです。coresの製品は、ジワーっとしみ通る様な感じですので、ちょっと違うイメージになると思いますが、頑張って欲しいものです。

 
商品のより詳しい情報は、のホームページにてご確認ください。
https://cores.coffee
 


 

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2019年9月24日

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