思うこと

日本メーカーが持たない面白み!中国ハイセンスの「色々」家電


家電の言い方は、「白モノ」「黒モノ」。
この白、黒は確実に売れる色です。日本メーカーの場合は、これらの色を中心に、数カラーのラインナップをします。
冷蔵庫だと、基本色の白に、業務用を思わせる「メタル」。リビングとの調和を意図した「ブラウン」でしょうか。昔は、アップルグリーン、レッドのような個性色もありましたが、今は昔。黒モノの失敗を、白モノで支えてきた感のある日本メーカーは、そこでの冒険はしません。売れ残り、倉庫在庫が増えると大変です。

1986年 ナショナル
4ドア パーシャル冷蔵庫
時はバブル。個性的な時代。


しかし、個性派の需要は必ずあります。それを巧みに捉え、日本市場との親和性を計ろうとしているメーカーがあります。ハイセンスです。

 
■黒い洗濯機 〜昔と違う家環境〜 昭和の時代、家の中は薄暗かったです。谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」ではありませんが、まだ、夏を旨としていた建物があった時は、ひさしがぐんと張り出していたモノでした。

また照明もプア。

そんなところで、白の家電は、スッキリとしたイメージを与えるモノでした。

 
逆に今、平成の末。
今の住まいは、光に満ちています。エアコン前提の省エネ住宅ですから、夏の涼しさを日陰で取る必要がありません。逆にエアコン使用しないとなったら、町中グリーンカーテンで溢れかえる位です。

こんな中では、清潔感まるだしの白を選ぶ必然性はありません。しかもワンルームが増え、家事とライフスタイルを分けることができなくなった現在、インテリアの邪魔をしない家電が求められています。

 
そんな中で、異彩を放っているのが、ハイセンスの黒の洗濯機です。

ハイセンスの5.5kg 洗濯機 HW-G55E5KK
エディオン・オリジナルモデル
年 1万台以上売れているそうだ。


 
■黒はメーカー泣かせ
実は、光沢のある黒というのは非常に作り難いです。昔、ノートブックPCで、どこまで仕上げがキレイかを競う時期がありましたが、黒、特に鏡面仕上げはハンドリングが難しい。作業員が手を触れた時の指紋は丸わかりですし、細かいキズも目立ちます。ごまかせないため、メーカー的に言うと「製品得率」が悪くなります。これが意味するのはコスト高です。

しかも、白モノ家電の中の黒ですから、リスクがあります。

 
そのリスクを厭わずにかってでたのが、ハイセンスです。

 
■ハイセンスが「黒」を厭わない理由
では、何故、ハイセンスは「黒」に挑戦したのか?
モデルは、エディオンとのタイアップ企画ですが、日本進出の理由と密接にリンクします。

ハイセンスの洗濯機カタログより。


今、日本の市場は、世界で魅力的な市場であるのかというとそうではありません。国民の生活があるレベルまで豊かなので、ハイスペックモデルを問うときの市場としては魅力です。しかし、量を出そうとしても、総人口は減少していますし、国内ブランドはすごく強い。こんな面倒な市場は、そう滅多にあるものではありません。

そんな市場へ、何故、ハイセンスが乗り出してきたかというと、製品品質を上げるためだそうです。例えば、海外では洗濯機の輸送箱が、凹んだ位ではクレームになりません。元々輸送箱は、製品を保護するためのものであり、中の製品が守れれば、敗れようが構わないというのが本来の筋です。

しかし日本では許されません。お店に納入した瞬間に、返品扱いです。日本人の感覚だと当たり前ですが、世界的に見ると珍しいことです。

 
ハイセンスの考え方として、そんな厳しい市場でも通用する品質実力をまず身に付けようと言うわけです。このため、難しいことにも果敢に挑戦します。その一つが「黒」の「洗濯機」と言うわけです。

 
ちなみに、この5.5kgの縦型洗濯機、特殊な性能は全くありません。が、基本性能はしっかりしており、「化繊」「木綿」を洗う分には、全く問題ありません。また、「おしゃれ着コース」もありますし、チャイルドロック、糸くずフィルターも付いています。十分と言えば十分な機能です。

 
■2019年のハイセンスは注目に値する
白モノ家電のラインナップは多くの場合、大きく3つにカテゴライズされます。
トップモデル。これが20%位を占めます。70%は標準品。基本性能を抑えたモデルで、利は薄いのですが、売り上げの多くを占めます。残りがミドルというわけです。

今まで、標準品は、海外で作ったモノを持って来て日本メーカーが日本で売っていましたが、それは日本の事情。海外は、このエリアに中国ブランド、韓国ブランドがあふれかえります。当然、粗悪品では成り立ちません。性能もそれなりですし、量産はすればするほど「改善」がなされますから、質も上がります。

中国ブランド、韓国ブランドがダメという人もいますが、今や中国は技術大国。華為技術(ハーウェイ)などは、政治的、軍事的な視点で閉め出されつつある状態です。

これは、日本が過去通って来た道でもあります。
日本が目指したのはアメリカ市場。勤勉の国民性を活かし、安く、よりイイものをアメリカ市場に流しました。バッシングも受け、締め出し政策なども喰らいましたが、市場に合うようマーケティングも継続して行いました。最終的に、アメリカは、自分が儲ける市場と、よその国に明け渡す市場に二分、復活しましたが、今の日本市場は、そうなる前、1980年前半のアメリカ市場のようなモノです。

日本メーカーも市場死守したいところでしょうが、やはり「コスト」差が出てきます。デジタル化著しい黒モノ家電ほど急ピッチではないにせよ、技術差というのは、必ず詰められます。
そしてハイセンスは、日本市場で品質を学ぼうとしているわけです。

 
実は、ここ同じ中国メーカーでもハイアールと違うところです。ハイアールのラインナップにはちょくちょく「赤」モデルがあります。赤は中国でお目出たい色なのですが、こちらは、中国モデルで日本市場を制覇しようとしている感じです。

 
先日発表された4K液晶テレビでもそうでしたが、ハイセンスは、来年、すごく注目を集めるメーカーになるよう思います。

 
商品のより詳しい情報は、ハイセンスのホームページにてご確認ください。
https://www.hisense.co.jp
 

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2018年12月15日

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