レポート

ネルドリップ・ユーザーの友達も認めたコーヒーメーカー、ハリオ「V60珈琲王コーヒーメーカー EVCM-5TB」


私の友達に、コーヒーに一家言持っているエフくんがいます。
コーヒーは中学から淹れているはずで、かれこれ40年以上のハンドドリッパーです。しかも、ネルドリッパーを愛用中とのこと。
今回は、彼にHARIOのコーヒーメーカー「V60珈琲王 EVCM-5TB」をテストしてみてもらいました。

V60珈琲王 EVCM-5TB。
ハンドドリップシステムがまるまる入っている。


先に、私の方が、HARIO「V60珈琲王 EVCM-5TB」をテストしてみました。
一言で言うと、「ドリップの良さを十分引き出した、価格に合ったコーヒーメーカー」です。1万円前後のコーヒーメーカーですので、安全設計の湯温コントロール機と筐体、それに付属品を付けるた仕様で、いろいろなことができるわけではありません。

 
所で、エフくんのテストの前に、コーヒーは淹れ方が、全て数値化されていると言うことは、ご存じでしょうか?
カップ1杯分(約140cc)に対し、コーヒー粉:10g。
これに95℃位のお湯をかけ抽出します。

そして、初め20gのお湯を小さな円(もしくは「の」の字)を描くように、ゆっくり注ぎます。
そして20〜30秒蒸らします。この蒸らしがポイントです。
この時、眼より、耳、鼻を使いましょう。香りがグンと立ったり、聞こえてくる音が変わったら、蒸らしokのサインです。

そして残りのお湯を注ぎます。この時の注ぎ方も同じです。
注ぐ速さは、コーヒーサーバーに落ちた分だけ注ぐ感じ。焦ってはいけません。
そして規定量抽出できたら、カップに入れ飲むと言うわけです。
当然、カップにもお湯を入れて温めておきます。そうでないとコーヒーの香りが一気になくなります。

ハンドドリップのシステム。
紙フィルター、ドリッパー、コーヒーサーバー。これにお湯を注ぎ、抽出する。


「ここまではっきり分かっているのなら、楽」と思っているのなら大間違い。
実は、これらどの要素を取っても、コーヒーの味は変わるのです。
このためにコーヒーメーカーがあると思ってください。

 
HARIOの作ったV60ドリッパーは、バリスタに支持され世界を席巻。3rd Wave(第三の波)と言われる流れを作り出しました。

付属のV60ドリッパー。HARIOの定番商品。


このHARIOのコーヒーメーカーは、ドリップシステムをサポートするコーヒーメーカーと言えます。「珈琲王」と名付けられたコーヒーメーカーもそうです。
このコーヒーメーカーは、お湯周りの管理とお湯を注ぐことに特化しています。
93℃のお湯で、蒸らしながら、注ぐわけです。

このため、ユーザーは、豆に注力できます。
種類は、焙煎は、保管は、挽き方は・・・、兎に角、コーヒーは、味を変える要素がこれでもかと言う程あります。
だから、カプセル型の様に、常に味が一定になる様にしているモノもありますが、一度コーヒーに興味が沸くとそれでは面白くありません。
この「珈琲王」、そう言う人のハートをガッチリ掴みます。

豆にこだわる人には、楽だし、楽しいし、非常にいいシステムです。

そしてドリッパーは、豆以外にもこだわるところがあります。
それはフィルターです。

 
■3つのフィルター
コーヒーの最後、コーヒー粉とコーヒーを分離して飲みます。
理科で言う固体と液体を分ける、濾過(ろか)分離を行います。
理科の実験で使うのは、濾紙(ろし)ですね。紙の小さな目で固体をトラップするわけです。

しかしコーヒーで使われるのは、「紙」だけではありません。
ネル(布)、そしてメタルメッシュ(金網)があります。
メタルメッシュは、幾つかのコーヒーメーカーも採用していますので、ご存じの方もいらっしゃると思います。

古くから用いられ、今も愛好家がいるのが「ネルドリップ」です。
紙は化学でも使われるように、かなり目が密です。つまりコーヒーの微粒子もそれなりの数、トラップしてしまいます。逆に目が粗いネルは、もともとあるべきものが全部入っている感じです。

一番変わるのは、「舌触り」でしょう。味も変わります。

 
それならどうしてネルを使わなくなったのかというと、手入れが面倒だからです。
終わった後、コーヒーの粉を取り除き、煮沸する必要があります。それが終わると、水に付け冷蔵保存。使い捨ての紙フィルターより圧倒的に手間がかかります。

 
どんどん世知辛い世になり、20世紀の頭に出た抽出法は「エスプレッソ(急行)」と名付けられました。これはドリップ式のコーヒーより速く淹れるようになったためにこう名付けられました。
こんな状況ですから、ネルドリップは、真の愛好家しか使わないようになりました。

 
■ネルドリップ愛好者が、「珈琲王」を使ってみた。
その彼に、コーヒーメーカー「珈琲王」を使ってみてもらいました。

 
以下、友達エフくんの手記です。

自家焙煎のコーヒー豆をネルドリップで淹れている私が特に好むのは、浅煎りならではの風味や酸味と苦味の混じった複雑な味わいとカフェインの爽快さです。
コーヒーメーカーでどの程度味わえるのか楽しみですね。ハリオEVCM-5と、愛用している同じハリオのネルドリッパーと比較します。

ネルドリップでは沸騰させたお湯をネルに注いで50〜60秒置きます。蒸らしプロセスです。その間、お湯の火は止めてあるので、お湯を注ぐ時には95℃くらいになっているはずです。一杯あたりの水量は120CC、豆の量は10グラムが標準です。
EVCM-5は、蒸らしプロセス30秒、湯温93℃、一杯あたりの水量は130CC、豆の量は8グラムが標準とあります。(主催者注:説明書に書いてあるだけで、豆の量は強制できない。ちなみに7gは加圧方式の抽出法、エスプレッソのコーヒー粉の量)ハンドドリップのものより薄めになるので、比較テストでは10グラムの計量カップを使用し、水量は各標準値としました。豆は緑園都市にある「フォレストコーヒー豆店」で購入したコロンビアベースのブレンドコーヒーで中挽きのものを使用しました。

このコーヒーメーカーでは、水とコーヒー豆をセットした後、水量をボタンで指示してから開始ボタンを押す点が新しいですね。
ペーパーはハリオ独自の円錐形を使う必要がありますが、コーヒーを置いてあるところで普通に入手できます。

湯量ボタン。
2〜5カップの中から選ぶ。


さて、試飲結果です。ハンドドリップでは酸味と苦味がバランス良く濃い味わいですが、このコーヒーメーカーではやや酸味が強めで苦味が抑えられており飲みやすい味でした。風味は大変良く淹れたての良さを味わえるコーヒーです。ネルドリップの複雑な味わいにはやや敵いませんが、手軽においしく風味高いコーヒーが楽しめる点でポイントは高いと言えるでしょう。

 
■ネルドリップでも使える「珈琲王」
エフ氏の試飲結果は、紙フィルターとネルドリップの違いそのままです。通常はハンドドリップでフィルター違いのみですが、今回は紙フィルターの方は「珈琲王」ですので、ハンドドリップ並みの丁寧な抽出であることがお分かり頂けると思います。

珈琲王は、ドリップシステムなら、ほぼ何でも使えますので、実はネルドリップも使えます。
湯温と湯量を変えることはできませんが、懐が深いコーヒーメーカーとも言えると思います。

 
商品のより詳しい情報は、HARIOのホームページにてご確認ください。
http://www.hario.com



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2017年10月17日

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