レポート

IFA 2017 もう一つのプレミアム
独LOEWE.(レーベ)のプレミアム戦略


今回の、IFA、テレビは有機ELテレビの画質と新色規格:HDRが目だっていました。
双方共に画質です。しかしテレビメーカーで、それ以外のアプローチをしているメーカーもあります。
それが、独LOEWE(レーベ)です。
どこを取ってハイクラスか、写真で体感ください。
独レーベ。日本で余り馴染みのない名前だと思います。
ここはテレビメーカーですが、正直、テレビを一からコツコツ組み立てるメーカーではありません。クルマで言うチューナー市販のクルマを、オーナーのリクエストの元、オーナーの意に沿うように改造する人、会社です。

例えば、TVは他社から調達。
それをドイツのリビングに沿うようにチューニングするのです。
どこをチューニングするかというと、スタイル。実はドイツで人気のブランドでもあります。

ドイツ、バイエルン州産であることを強調。


 
まずスタイルを見てください。

かの大建築家、フランク・ロイド・ライトにオマージュを捧げているらしいのですが・・・


 
個人的には、好きなタイプではありませんが、ドイツでは人気だそうで、実際ブースはいつ行っても満員御礼。何故と思う程です。

ちなみに、IFAの小冊子でトレンドをまとめたものがありますが、そこにも掲載されていました。

 
■ドイツスタイル
近年、大型化が叫ばれるテレビですが、映画大好きの北米、自慢大好きの中国はその通りです。大きいのがガンガン売れ、平均サイズも50インチを超します。

ところが、日本、欧州は違います。
日本は42型。欧州は48型と言われています。
日本は、やはり部屋が狭いためでしょうか? このサイズでもかなり大きく十分な感じです。

では欧州はと言うと、欧州も近い事情です。
部屋はそれなりに大きいのですが、壁は、絵画、写真が飾られています。このためテレビは台の上です。
要するにサイズアップと言ってもこの台に載るサイズが限度です。

 
これを打破するにはと言うのが、上の写真の製品群です。
典型的なモノは、一番下の壁掛け型。
テレビだけより出っぱりが大きいので、余り収まりが良いとは言えないこのスタイル。一つの特徴があります。

実は壁に掛けてあるテレビ、画が映っていないと結構間抜けです。
ヨーロッパの家庭は、写真とか絵画が掲げられていますか、4つ切りやA4サイズ位がほとんどです。
それからいうと、壁掛けテレビは使っていないときは、大きな穴が開いているようなものです。

それに対して、この壁掛けテレビはどうでしょうか?
映っていない時でも、芸術絵画よろしく主張すると思いませんか?
正直、私の趣味ではありませんが、オブジェと言えるかも知れません。

つまり、これは「ライフスタイル」プレミアムテレビとでも称すべきカテゴリーなのです。
しかし、価格は100万円を超えるモノもあり、この価値観に共感できないと何がなんだかわかりません。意味は分かるのですが、これ買いますかと言われると私は日本人の美徳をもって遠慮します。

今の日本人はある意味、カスタマイズを嫌う傾向にあります。
しかし、昔の職人は、全部カスタマイズ要員です。大工、家具職人、笄職人等々。
ちょっと前まで日本人はカスタマイズ大好きだったのです。

江戸時代にテレビがあったら、狂歌で有名な大田蜀山人などは「乙だね」と言いながら買うのでしょうか。

 
■Bよ、お前もか・・・
これは、LOEWEだけの現象かと言うとそうではありません。
かの高級オーディオメーカー B&Oのブースでも・・・。

B&Oブースのテレビ。昔の家具調テレビの様。


画質でない、もう一つのプレミアム!

 
#テレビ #プレミアム #ドイツ #レーベ #LOEWE #デザイン

2017年9月29日

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