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ダイソン、電気自動車の開発を発表


今、各方面から注目を集めている電気自動車。
ダイソンも参入することになりました。
ニュースレリースの前文を掲載します。

 
■ダイソンの考える電気自動車について
私、ジェームズ ダイソンは、1988年に米国国立労働安全衛生研究所が発表した、ディーゼルエンジンからの排気ガスと実験用マウスおよびラットの早期死亡を関連付ける論文を読みました。1990年3月には私が発足したダイソンのチームは、自動車の排気システムに取り付け可能な粒子状物質を捕集するサイクロンフィルターの開発に着手しました。

1993年までに実用レベルの試作品を複数開発し、イギリスの『ブルー・ピーター(Blue Peter)』というテレビ番組において、初期段階の試作品が紹介されました。その後もチームは開発作業に邁進し、より高度な技術開発に取り組みました。

当時の自動車業界では、集めたすすの処理が大きな問題だと考えられていましたが、ダイソン社のディーゼル排気ガス捕集装置に対する関心は低く、プロジェクトの継続を中止せざるをえないという結果となりました。実際にすすを吸い込む程度なら、ということにはならないはずなのですが、残念な結果となりました。

その頃から世界各国の政府が、補助金や助成金を出し「クリーンディーゼル」エンジンの採用を奨励するようになりました。ディーゼルエンジンがクリーンであるというのは矛盾した表現であるにも関わらずに、です。大手の自動車メーカーは、クリーンエア規制を巧みに回避し免れてきました。その結果、現在先進国・途上国いずれの都市も、スモッグを吐き出す車やトラック、バスで溢れかえっています。これは他者が見逃してきた問題だと、私は考えます。

その間も一貫して私が目指してきたのは、世界的な大気汚染問題の解決策を見出すことです。数年前、自動車メーカーがその姿勢を変えようとしないことに気付き、私は新たなバッテリー技術の開発にダイソンとして力を注ぐことを決めました。電気自動車開発こそが大気汚染問題の解決策だと信じたからです。ダイソンは継続的にイノベーションの研究開発に取り組んできました。最新のデジタルモーターやエネルギー貯蔵システムは、ダイソン スーパーソニック ヘアードライヤーやコードレス掃除機の動力源となっています。さらに流体力学やHVACシステムの分野での絶え間ない技術革新により、扇風機、ファンヒーター、空気清浄機能付などの空調家電製品が生まれています。

今ダイソンは、私たちが作り上げてきた様々な技術を用いて一つの製品を生み出す機会を手にしています。排気管にフィルターを使用しガスに含まれる有害物質を取り除くのではなく、排気ガス自体を問題とみなし、それを解決する力が現在のダイソンにはあるのです。そして今日私は、ダイソンが2020年の発売開始を目指し、バッテリー式電気自動車の開発を開始しているということを、皆さんに直接お伝えしたいと思います。

既にダイソンの優れたエンジニア達に加え、自動車業界出身の優秀な、新たなダイソン社員を集めた特別チームの編成が開始しています。現時点で400名を超えるチームですが、引き続き積極的に人材の雇用を進めていきます。私は、このプロジェクトに対し、 20億ボンド (約2,900億円)ダイソンが訂正連絡。修正前:10億ポンド(約1,450億円)以上を投資します。

Sir James Dyson photographed at the Dyson HQ in Malmesbury, Wiltshire.
Malmesbury 8 September 2016
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今後、本プロジェクトはよりスピードをもって展開していく予定ですが、現時点では本件に関する、更なる情報の共有、公開の予定はありません。自動車業界における新しい技術開発の競争は熾烈なため、ダイソンが取り組む電気自動車に関わる秘密保持は鉄壁である必要があります。

キングス・カレッジ・ロンドン調査によると、大気汚染への長期的な暴露により早く命を落とす人は、ロンドン市内で毎年9,500人にのぼります。そして世界保健機関(WHO)は、「大気汚染への暴露を原因とする死亡者数は、2012年に世界中で約700万人であり、全死亡者数の8分の1を占める」と報告しています。この世界最大の環境へのリスクの解決策を提示することは、ダイソンの使命です。より良い世界をもたらすと期待できるダイソンの今後問題解決の全貌に関しては、来るべき時期に皆さんに共有したいと考えており、私自身もその日を心から楽しみにしています。

ジェームズ ダイソン

 
2020年はスゴい年になりそうです!

 
#ダイソン #電気自動車

2017年9月27日

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