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急場だから?お殿様商売?
東京電力エナジーパートナーが提案する公衆電源サービスの実証実験 他に関して


公衆電話って覚えていますか?
携帯、スマホが当たり前の時代、街中ではとんと見かけなくなりました。
昔、スーパーマンは、電話ボックスでクラーク・ケントからスーパーマンへ変わっていましたので、どうなるんだろうと酒場でアイディアを出し合ったのが、思い起こされます。
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サービスで使われる「espotカード」

さて、この「公衆」を冠したサービスを東京電力エナジーパートナー(以下 東電EP)が始めるそうです。8月23日〜来年1月9日に実証実験を、都内で行い導入したい考え。
今回は、このビジネスのお話です。

 
■契約の呪縛
日本人は余り意識しませんが、今の法治国家に取り、契約は重要です。

最近の例で言えば、ワンセグ。
自宅にテレビはないが、テレビを視聴できるワンセグ機能付き携帯電話を所有している埼玉県朝霞市の男性が、NHKに受信契約を結ぶ義務がないことの確認を求めた訴訟の判決が8月26日、さいたま地裁であった。
これに関し、地裁は放送法で契約締結義務が定められた「受信設備を設置した者」に当たらないと判断し、男性の請求を認めたそうです。
裁判長曰く、「受信料について「放送視聴の対価ではなく、NHKの維持運営のために徴収権が認められた特殊な負担金」に当たると指摘。税金に準じる性格があるため、契約締結義務の要件は明確である必要がある」。

放送法は、ここ急速に発達した携帯機器のことが反映される前にできた法律です。
このためNHKは、法律に沿った解釈を自ら作り、この「自宅にテレビはないが、テレビを視聴できるワンセグ機能付き携帯電話を所有している埼玉県朝霞市の男性」と受信契約を結ぼう(端的に言うと、受信料払え!)としていますが、それは勝手すぎと裁判所に言われたと言うことです。

 
さて電力も契約が需要です。
現在の契約は、各家庭へ配電盤までの電力供給、及び販売です。

ところが今は、携帯機器の時代。
外で、電気が欲しくなった人は山ほどいるはず。ポケモンGOなどはイイ例でしょうね。
今は自衛の意味も含め、充電池で対応しています。P社はポケモンGOで一種の特需状態になり、P社のその部門は非常に潤ったとか。

それは置いておくとして、外で電気残量が少なくなり、充電池を持っていなかったら、どうします?

知っているところのコンセントで充電させてもらう、友だちの充電池を借りる、供給サービスをしているカフェなどに行くなどありますが、どれもこれも、「もらい電気」です。
これができないと、我慢するか、充電池を買いに走るのか、どちらかです。
充電池は、安いモノでも2000円。結構な出費です。

 
では、電力自由化だし、コンセントに課金して、電気を販売。
というわけには行かないようです・・・。
と言うのは、現在あるのは、配電盤までの契約ですからね。
コンセントの電気で、課金となると、新しい契約が必要なのです。

少ない時は問題なくても、多くなると必ず基準が決められます。
しかも電力売買には「税」がかかります。鬼より怖い税務署も絡んできます。

 
■東電EPが提案する公衆電源サービス
名前は、espot(エスポット)。
エネルギー(energy)と場所(spot)の合成造語です。
どこからチャージするとかというと、課金器が付いた特殊コンセント。
と言いましても、何となく目覚まし時計を思わせる機器です。

ユーザーは、まずレジでespot用のカードを買います。
500円、5度数。20分/度が規定値になっています。つまり100分間電気を使えるわけです。
カードを買った瞬間に契約成立と見なし、コンセントからの電力売買が可能になるシステムです。
またスマホでQR認証。クレジット決済も可能です。

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espot。必要事項は、全て表示されているが、
スマートなデザインとは言いがたい。


通電モード

通電モードにして、espotカードをタッチさせると、
通電できる様になる、(緑に変わる)


供給は、コンセント、もしくはUSBです。

同時使用

USB、コンセント同時使用も可能。(写真のコンセントアダプターだと、
USBの口が上に向いているため、上のUSBと接触するように見えるのは
私だけであろうか?)


設置は、現在の段階では、ローソン、大戸屋、東京テレポートセンター管理ビルに、合計150台、36カ所です。

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カフェの机に、あるとちょっと興ざめ。
置く場所を選びそう。


 
■疑問が出てくる仕様
このビジネス、需要という意味では必ずあると思います。
ですが、2つの点が気になります。

1つは価格です。
スマホ1回充電にかかる電気代は、フル充電でも1円を切ります。だからカフェでも、新幹線でも、長距離バスでもサービスなのです。確かに、東電EPからすると電気は売り物ですし、新しいシステムを作るお金も必要です。
ですが、今回のは、1円のモノを、緊急だから、必要だからで100円で売るようなもの。
ある意味ぼったくりと言われても仕方がない値付けに思います。

 
次の問題は設置場所。
充電には時間が掛かります。
現在のバッテリーは、トリクル充電を採用しているので、0〜80%は、急速充電してくれるのですが、私のiPhone SEでは、80% 30分と考えて間違いないです。

また、単価が、時間単位(規定値:20分)。10分で止めても、残り時間をプールすることはできないのです。
つまり、ローソンに20分居てくださいというのが主張です。
もっと厳しい言い方をすると、20分の間、イートインで飲み食いしてくださいということです。
この足下を透かすような設定ですね。

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充電だけで、最大100分、イートインコーナーに居座ってイイのだろうか?


今のカフェでのサービスは、コーヒー主で、そのついでですから、充電途中で出ることになっても、タダだし、文句は出ません。
それとも、100円コーヒーと同じ単価ということで、充電のみでも認めてくれるのかしら・・・。

東電EPに訪ねると、価格も、設置場所も、この実証実験でデーターを取り、修正していくとのことでした。

 
■生活家電.com案を述べると
個人的に、単価が高いのと、カードがこれ以上増えるのはイヤなので、これを自分が使ってもいいかなぁと思うようにアレンジしてみました。

まず、支払いは、スイカ、パスモの様な交通機関系のカード、もしくはコンビニのポイントカードでします。
単価は、そのエリアの標準電力単価の2倍。倍の部分でハードを賄う考え方です。

レジで使いたい旨を話し、カードのチェックをしてもらいます。
そして充電席は、充電者優先ということで、レジの人に仕切ってもらいます。

コンセントから通電を始めたら、使用量計測開始、ACを抜いたら終わり。
専用コンセントは、樹脂部分を、赤にするなど特殊用途であることを分かるようにすればイイと思います。
単価は1円きざみ。交通機関系のカードでは当たり前のことです。

こうすると、余分なカードも増やさずに済みますし、理由、お金の取られ方も明確で、家とものすごくは変わりませんので、普段感覚で使うことができます。

 
いろいろと書きましたが、このサービス、あるべきサービスだと思っています。
ただ、今回のシステムは錬りが足りていないことも含め、大上段に振りかぶりすぎだと思います。

まぁ、それはさておき、気になるのは実証実験の結果ですね。
来年が楽しみです。

 
また、これ以外にも、東電EPはソニーモバイルとの、スマートホーム分野で、IoTを活用したサービスの開発と提供に向けた業務提携に検討を開始することが合意されたことを発表しました。

まだ、内容は一切決まっていず、一緒にビジネスをすることの検討を開始することの契約書を締結したというもの。
SONY、TEPCOのロゴが踊るとスゴい感じですが、今は一緒に踊ろうか、どうかを検討することを決めたと言う段階です。
先は長〜い。

 
詳しい情報は、専用のホームページにてご確認ください。
hTTp://espot-charge.com/

2016年8月28日

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