新製品

次世代、ロボット掃除機登場!
iRobotのルンバ980


よく「次世代」という言葉が使われます。
今や大判振る舞いのこの言葉に相応しい商品は、なかなかありません。
が、今回発表されたiRobotのルンバ980。
これこそ「次世代」と呼ぶに相応しい商品です。
■ロボット掃除機の進化とは?
ロボット掃除機の進化は、大きく二分されます。

一つは、AI(人工知能)。
つまり、頭脳系。

あと一つはメカニズム。
つまり、肉体系。

昨年、ルンバ880が発表された時、吸引口にあるローラーのスゴさにビックリしました。
回転ブラシに比べ、密着度が高いため、吸引力が高い。
その上、髪の毛が絡まない。
エアロフォース クリーニングシステムという、大層な名前が付いていますが、付けられて当然でしょうね。
その位スゴいです。

これにより、ロボット掃除機の掃除が飛躍的によくなりました。
880が出るまでは、ロボット掃除機は、2台目、つまりセカンド掃除機であり、もう1台、人の思うがママに使える掃除機が必要とされてきましたが、880はこれ1台でお掃除は大丈夫という可能性を見せてくれるものでした。

ま、それは置いておくとして、これはメカニズム、つまり人間でいうとボディの進化です。

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iRobotのCEO コリン・アングル氏とルンバ980


 
で、今回の980の進化は頭脳。

しかも、今までの延長線上にありません。
全く考え方を変えています。

今までは、掃除を初めて数分間、いろいろと動き、部屋の大きさ(面積)を判断。
そして、判断した大きさ内のあらゆるポイントを4回通る(4方向から掃除をする)ことで掃除をします。
このため走行は系統立っていません。
ランダムです。

これが独特の動きの面白さをルンバに与えています。
あっちをウロウロ、こっちをウロウロ。
人間では考えられないようなトリッキーな動きです。
真面目に、綿密に掃除をしている風でないのに、いつの間にか掃除が終わっている。
そんな感じが、ルンバの動きでした。

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ルンバ980。中央の凹み中にデジタルカメラが内蔵されている。


それが全く変わったのが今回です。
彼らは、搭載された頭脳を高速応答プロセス[iAdapt(アイ・アダプト)]と呼んでいます。
このVer.(バージョン)が、変わったのです。
今までVer.1系だったのが、Ver.2にステップアップしています。
PCのOSで言うと、メジャー・バージョンアップです。

その位劇的に変わりました。
デビューしてから10年以上しての、バージョンアップです。

 
■バージョンアップの目的
簡単に言うと、今まで「部屋(エリア)」をキレイにしていたのが、「家全体」をキレイにできる様にしましたということです。

つまり、放っておけば、家の同一平面上の床を全て掃除してくれるよいうことです。
発表会後、開発責任者に話を聞く機会があったのですが、「ロボット掃除機は、人間をフロアケアという労働から開放するために開発している。」とのことでした。

「実際、自分の家で開発品(ルンバ980)を使っているが、自分では全く掃除をしていない。ただし時々ゴミを捨てなければ、なりませんがね。」

 
ロボット掃除機は、セカンド掃除機。
手助けはできるが、それだけで済ますことはできない。
それが多くの人の見解でした。

このメジャー・バージョンアップは、それに対する挑戦でもあります。

 
■Ver.2の手法
家の中全てが対象ですから、エリアごと掃除をして、それを合わせて家全体をきれいにしましたというやり方は存在します。

が、これはあまり効率の良い方法ではありません。
何しろ相手は、家。
床面積も何倍にもなります。
もっと効率の良い方法をとるべきでしょう。

それは人間と同じ方法を取ることです。
丁寧に、1部屋ずつ、隅から隅へ、掃除することです。

このためのiAdapt Ver.2なのです。
Ver.2のペットネームは「ビジュアルローカリゼーション」。

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内蔵のデジタルカメラのレンズ。


そう、今までルンバが用いなかった、「視覚」を導入したのです。
具体的に言うと、デジカメで外を撮影、家の地図を作ると共に、自己の位置を正確に把握できるようにしたのです。

そうして掃除したところ、掃除していないところを正確に把握、部屋から部屋へ掃除をします。
面積は最大112畳(185m2)。
日本の場合、リビングで20畳あれば広い方ですから、十分と言えます。

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左)掃除し始め、画面右側は内部情報をビジュアル化したもの。
右)2時間後。家の地図がすっかり出来上がっている。


ちなみに、それ以上広くてもご安心を。
ルンバはバッテリー残量が少なくなると、自分でホームベースに戻り充電をします。
充電後、元の位置まで戻り、残りの掃除を終わらせます。

 
■シンプルな操作
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スマホのメイン画面。
“CLEAN”を押すと掃除が始まる。


と、いろいろ書きましたが、操作は実に簡単。
スイッチのON/OFFだけです。

掃除は、やり方さえ決めてしまうと、あとはそれを淡々とこなすわけですから、これで充分です。

 
そして今回から、スマホで操作ができるようになりました。

スマホの最大の特徴は、ルンバ本体のディスプレイより画面が大きいこと。
このため、スケジュール管理などをスマホで行うととても便利です。
他にも清掃モードなどの管理もできます。

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左)スケジュール、中)清掃モード設定、右)お手入れ(状況連絡)


スマホの後ろにはインターネット、クラウドと、家電環境を変えることができるいろいろなモノが使えますから、今後にも期待できると思います。

 
■価格のこと
一番残念なのが、アベノミクスの円高の影響を直接受ける価格です。
兎に角、海外からの輸入品が高い。
アイロボット、ストア価格で、125,000円。

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スタンダードとフラッグシップで、倍も価格が違う。
性能は全く別物。


正直、少々高いです。
これが、為替差分がのっていますので仕方がないのですが、本当なら10万円ギリギリ切る位の価格で出して欲しかったです。

私は、冷蔵庫、エアコンなど特別な家電以外は、1カテゴリー:10万円で押さえたいと思っています。
家全体で、100〜150万円で、家電を押さえる考えです。
そうでないと、家電貧乏になる可能性もあります。

テストをして見なければ、はっきりと断言できませんが、個人的にはルンバ980とスチームクリーナーがあれば、フロア・ケアは問題ないと見ています。

日頃使うのはルンバ。
しっかり掃除するときは、スチームクリーナーで、みっちり掃除するわけです。
拭き掃除は、たまにですので、スチームクリーナーでなく、雑巾でイイと考えると、ルンバ980 1台で用が足りるわけですので、10万円ギリギリ出すのは有りかなぁと思います。

出来は、それ位イイと思います。

 
商品のより詳しい情報は、iRobotのホームページにてご確認ください。
http://www.irobot-jp.com/roomba/980/
 
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2015年10月11日

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