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製薬会社と家電メーカーのコラボ、医療でも用いられる二酸化塩素を使った、クレベリン LED搭載 加湿器「kamome」と「mood」


ウィルス・細菌・カビを退治する機能を有した加湿器なのですが、訳あって標題の書き方になってしまいました。
イオンを使ったモノは今までもあったのですが、この製品に用いられているのは二酸化塩素。
水中のバクテリアを除去するために水道水消毒にも使われていますし、医学界でも消毒用に使われているモノです。
■大幸薬品の技術『空間除菌』
今でもCMでながされるラッパのマークの『正露丸』。
大幸薬品といえばラッパのマーク。
ラッパのマークといえば正露丸で、大幸薬品の顔でもあります。

しかし、さすがにそれだけでは、会社の発展は望めません。
今、大幸薬品が手がけている事業に『空間除菌』があります。

 
■結核菌に対抗するために
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「kamome」「mood」で使われるクレベリンLEDのカートリッジ


現、大幸薬品の代表取締役社長の柴田 高 氏の経歴は面白く、創業家の出だそうですが、お医者さんだったそうです。

その時、緊急肺炎で入院した患者さんがいたそうです。
ところが、その人は3日後に亡くなられた。
当然、死因を確認するために解剖します。
死因は、結核。

肺炎は伝染しませんが、結核は法定伝染病です。
しかも結核菌は割と強いですからね。
その時の、執刀医と助手は結核に掛かり亡くなられたそうです。

院内感染です。
当然、除菌しなければなりません。
しかも「空気」感染ですから、空気ごとの除菌が必要。

柴田氏は、二酸化塩素を試したそうです。
そこで効果のあった二酸化塩素による『空間除菌』をビジネス化するために、大幸薬品に入社したです。

 
■二酸化塩素
強い反応性を持ちます。
だからこそ、ウイルス、細菌、カビを殺したり、消臭したりできるのですが、適当な扱いができない気体です。

生涯吸い続けても、体に影響のない濃度は、0.01ppm(0.000001%)。
本当に微量です。

ちなみに、この濃度は、日本二酸化塩素工業会が、最近策定した指針値(自主基準値)です。

 
■クレベリン LED技術
とにかく、濃度管理が難しい。
ここで大幸薬品が作り出した技術が、電気的に二酸化塩素の発生量をコントロールする技術です。

クレベルンLEDカートリッジの中に入った固体薬品に、特定波長のLEDを当てて発生させるのですが、LEDの光が当たらなくなると、たちまち反応しなくなるので、ON / OFFという極めて簡単且つ確実なコントロールが出来るわけです。

20150820 大幸薬品&ドウシシャ 加湿器 資料_004 のコピー  
■受け皿は、ドウシシャ
今まで書いてきた様に、大幸薬品は、二酸化塩素による『空間除菌』の技術を作り上げました。
この技術を搭載する受け皿(加湿器)を作るのは、ドウシシャです。

失礼な言い方になるのかも知れませんが、ドウシシャの製品はかなりニッチな製品が多いです。
どちらかというと、大手メーカーが参入してこない所でヒットを狙いますね。
少量多品種の商品構成です。

家電では、DCモーターとカモメの羽根形状を活かした、DC扇風機「kamome fan(カモメ・ファン)」や、手掻きのかき氷り機などは、かなり認知度が高いです。

 
この少量多品種というのは、大きなポイントです。
別の言い方をすると、開発スピードが速いのです。
即断即決。

石橋を叩いて渡る薬品メーカー(そうでなければ非常に怖いですが・・・)が、持ち合わせない性格です。

 
■「kamome」と「mood」
こうして出来上がったのが、クレベリンLED搭載 kamomeハイブリット式加湿器と、クレベリンLED搭載 mood超音波方式加湿器です。

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kamomeは2色展開。上部の大きなファンが目印。


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左)クレベリンLEDのカートリッジをホルダーに収めたところ、
右)ホルダーを本体にセットしているところ


昨年発売された加湿器の多くは、空気中に黴菌(ばいきん。ばいはカビ、きんは細菌のこと。日本語は便利)をまき散らさないように、水タンクの無菌化が図られていましたが、二酸化塩素と共に放出される水に対して、そんな心配は不要ですね。

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「mood」。あゝ、古き、懐かし、この形。


面白いのは単独で機能が使えることです。
「kamome」は、加湿のみ、二酸化塩素発生のみ、サーキュレーターのみで使えますし、「mood」は、加湿のみ、二酸化塩素発生のみで使えます。
kamomeは、ナカシマプロペラの製作するkamome fanを採用しているので、ここらへんは自信があるようです。

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左)kamomeの上部。ファンはかなり大きい。右)コンソール。こちらは今風。


 
■製薬会社ならではのコメント
製薬会社は、医者と一緒に開発を進めることはよくあるパターンです。
というのは、薬は最後、理論値ではなく、臨床実験で認められるからです。

大幸薬品は、これと同じ様に、医療で認められるデーターを積んで、二酸化塩素の啓蒙をしたいとコメントしています。
同様のことは、シャープがプラズマクラスターで行っていますが、『二酸化塩素』は医療業界で実績がありますからね。
医療業界も協力的だと思われます。

 
これ、非常にメジャーになりそうな一品です。

 
商品のより詳しい情報は、大幸薬品、またはドウシシャのホームページにてご確認ください。
大幸薬品:http://www.seirogan.co.jp/ ドウシシャ:https://www.doshisha.co.jp/

2015年8月23日

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