新製品

美しいキッチンに、美しい冷蔵庫!
AQUAの『TZシリーズ AQR-TZ51H』


家電には色々な制約があります。例えば洗濯機は、洗濯槽に入るサイズで作る必要があります。
そして、今日レポートする冷蔵庫の場合、最大の制約は「幅」です。
どんなに優れた冷蔵庫でも、広すぎる幅だと入らない。 すると、お客の母数がグンと減ります。当然、営業からは、「売りにくい(もしくは、売れない)冷蔵庫を作った!」と文句たらたら。

このため日本市場の冷蔵庫は、基本 68.5cm以下で設計されています。2013年のデーターですが、幅:750mmの冷蔵庫を設置できるのは、日本では54.9%、約半数だそうです。しかし685mmでは、78.5%。約8割の人が対象になります。600mmだと、98.6%ですので、600〜685mmは、まさにゴールデンエリアなのです。

しかし大型化ニーズが当たり前となった現在、この制約は大幅な足かせになっています。

幅を一定して、容量を増やすとなったら、奥行きを増やすか、高さを増やすしかありません。(断熱材を薄くするのは導入済)
しかし、女性の平均身長の伸び率より、大容量化のニーズはの強まりは早いのです。こうなると奥行きで稼ぐしかありません。

結果、冷蔵庫に詰め込むだけ詰め込んでしまうと、使い難くて仕方がない。奥の食品は、どうしても忘れがちになります。また、食品ロスの元にもなります。

三菱 冷蔵庫 MR-MX57E 2019年2月21日発売、オープン価格
容量:572L、サイズ:幅 680mm×奥 738mm×高 1826mm
典型的な今ドキの大容量冷蔵庫


「68.5cm以下だけが冷蔵庫ではないだろう!」と考えたのは、いろいろな挑戦をしている元サンヨーのDNAを受け継ぐ「アクア」。さあ、どんな冷蔵庫なのでしょうか?

 
■空間と調和する冷蔵庫 アクアの調べによると、「理想的なキッチンは?」という質問に対し、アイランドキッチンが33.7%、オープンキッチンが36.6%だそうです。アイランドキッチンは、オープンキッチンの1スタイルだからという突っ込みは、置いておくとして、対面型キッチン&テーブルが、昔のちゃぶ台に取って変わったようです。実際、オープンキッチンはいいです。開放的ですし、一人だけで調理している感がないので、気が滅入りません。

オープンキッチンの特長として、キッチンの逆側に、食品棚、食器棚、家電置き場などを持ち、冷蔵庫もそこにはめ込まれます。ですから、今までのように、幅制約は余りありません。むしろセンスが良い食器棚のように、その空間に調和する方がいいですし、ユーザー調査でも、83.1%の人がそう答えています。

皆の憧れ、オープンキッチン。後方に棚類が並ぶ。


ではカッコよく、使いやすい冷蔵庫というのは、どんな形をしているのでしょうか?

 
■冷蔵庫のコンセプトを考え直す 冷蔵庫は、今、「冷蔵室」「野菜室」「製氷室」「急速冷凍室」「冷凍室」の5エリアに分けるのが普通です。ここ10年位は変わっていません。では使いやすいかと言われると、まだまだです。

理由は簡単です。

カスタマイズがし難いからです。
典型的なのは「野菜室」「冷凍室」どちらが上?。答えがばらける難問です。つまり個人の主観によって様変わりするわけです。
また、奥行きがあるというのは、使いづらいです。奥と手前に食品を置いた場合、奥のモノを出す時はいちいち前のモノを除かなければなりません。

また、片開き扉の冷蔵庫は、容量が大きくなると、のぞき込まなければ、全体が見られなくなります。これも面倒。

 
要約すると、同じ棚が連なっており、奥行きは適度。なるべく引き出しが少ないのが使いやすいといえます。引き出し型にするのは、奥行きが深いためですが、浅ければ引き出し自体作りようがありませんからね。

こんな要素を持ったかっこイイ冷蔵庫がコンセプトと言うわけです。

 
■外部デザイナーを起用する 「新しい酒は、新しい革袋に」という騎馬民族の諺があります。新しい酒を古い革袋に入れると古い酒の匂いが移り、新しさが消えてしまう、と言う意味らしいです。

アクアはこの自由度の高い冷蔵庫のデザイナーに外部の深澤直人氏にお願いしました。

発表日、いろいろ話される 深澤直人 氏


この様な例は、いろいろあります。古いところではいすずのクルマ『ピアッツァ』のジウジアーロ氏、スズキのバイク『KATANA 刀』のハンス・ムートン氏。アサヒビールの『黄金の××』は、フィリップ・スタルク氏などなど。

外部委託するときのポイントは、相互に尊敬理解し合える信頼関係があること。制約条件提示が明確であること。出来上がったデザインに、本人以外のデザイナーが修正を加えないことです。ここら辺が徹底できないと優れたモノに仕上がりません。

特に新しい酒としてわざわざ外部のデザイナーを使うのに対し、古い酒である内部デザイナーが、後でしゃしゃり出ると、まぁ間違えなくダメなものができます。

 
こうして生まれたのが、AQUA『TZシリーズ AQR-TZ51H』です。
新製品を見る限り、この起用上手くいったんだなぁと思います。

AQUA 冷蔵庫『TZシリーズ AQR-TZ51H』
内容量:512L
2019年3月上旬発売、オープン価格


 
■新しい冷蔵庫を象徴する4つの数字、28、635、7、180 ホームズの「四つの署名」ではありませんが、この冷蔵庫の特長を表す4つの数字があります。

●28
28とはR28のこと。28cmの半径の円の曲率を示します。R28は手に馴染む曲率で、これを手が触れる取っ手部分などに使用してあります。当たりがイイ上にもちやすくなっています。

R28は、赤丸内の曲線部のこと。


●635
635とは、奥行きの635mm。幅が888mmですから、かなり薄く出来ています。扉を開けたときの庫内奥行きは、510mm。一番上の棚の奥でも手が届きます。

アクアの発表会資料より抜粋


●7
7灯。冷蔵庫内って薄暗いと思っている人も、まだいると思います。しかしLED照明ができた今、庫内は明るいのが当然。しかし、それでも室内には食品がごっちゃりあるわけですから、ところどころが暗くなります。このためにLEDは7灯。ショーケースのような明るさとなっています。

●180 180L。これがこの冷蔵庫の冷凍室の容量です。かなりビッグです。

 
■冷蔵室内に収まっている「野菜室」「チルドルーム」 先に細部を説明した形になりましたが、もう一度、全体を俯瞰してみましょう。

『AQR-TZ51H』のよさは、まずサイズです。幅:888mm、奥:635mm、高:1825mm。
黄金比ではありませんが、単独で均整ががとれています。幅より奥行きが大きい、今ありがちな「ボテ腹」ではありません。

冷蔵庫は、多くの場合、食器棚の隣が多いです。食器棚の奥行きは、多くの場合:50cm位。できれば均一が望ましいのですが、635cmだと、ちょっと前へです感じです。ところが、500Lで幅が685mmで設計すると、奥行きはそれ以上になってしまいます。20cmも前へせり出すわけです。台所は動線が大事です。スペースは確保したいのに・・・となってしまいます。

アクアの発表会資料より抜粋


このような状態がないのがまずプラスです。

 
次のよさはレイアウトです。上:冷蔵室、下:冷凍室共にフレンチドアの4扉。冷蔵室の中に、野菜室、チルド室があります。大体女性の腰の位置以上が冷蔵室になりますので、野菜他 普段使いの食品を腰をかがめることなく取り出すことができます。これもイイですね。

野菜は腰をかがめなくてもとれる位置に。


野菜室は半密閉構造で、湿度コントロールもできるタイプになりましたので、一週間程度なら葉物野菜でも乾燥で干からびるなんてことがなくなりました。

また、フレッシュストッカーなるチルド室は広い上に、除菌・脱臭効果がある DEO FRESHフィルターを採用しています。

このメインで使う冷凍庫は、広く、明るいので、とても使いやすい冷蔵庫になっています。

 
■冷凍庫は6つの引き出しから成る 冷凍室は、製氷機能も含め6つの引き出しから成ります。とは言っても、今までのように引き出しのの中に引き出し(上段、中断、下段などの構造)があるのと違い各々単独で作られています。

こちらもかなり使いやすいです。

 
■省エネ対応もバッチリ 日本の冷蔵庫は省エネが進んでいますが、アクアもその一員。負けていません。2021年省エネ基準達成率:103%。年間消費電力:299kWh/年と、かなり頑張った数値。決して、デザインだけという冷蔵庫ではありません。

AQR-TZ51Hの色は2色。
(S)サテンシルバー
(T)ダークウッドブラウン


アクアは昨年より、ブランド・アイデンティティに『心地よさという品質。』を用いています。
それに相応しい製品と言えると思います。

 
商品のより詳しい情報は、アクアのホームページにてご確認ください。
http://aqua-has.com
 

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2019年2月20日

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