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買った後でも自分好みにできる!日立冷蔵庫 R-KX57K。
あるいは理想の冷蔵庫とは?【太鼓判認定】


家にある家電で一番大きいモノは何でしょうか?
そう、答えは冷蔵庫。ヌボーッとした家電で、しかも古参の家電です。
では「完成した家電」と言えるのでしょうか?いいえ、冷蔵庫は、未だに完成の域には達していません。

しかし、今回発表された日立冷蔵庫 R-KX57Kは、理想の姿が垣間見えるところまで近づいたといえる冷蔵庫です。

日立 冷凍冷蔵庫 R-KX57K。
タイプ:コネクテッド家電、内容積:567L、サイズ:685(W)×1,833(H)×738(D)mm
価格:オープン、導入時市場想定価格:約43万円、色:クリスタル・ミラー



■野菜室は上なのか、下なのか、未だに問われる真の理由

冷蔵庫は、食べ物を冷やし保存するために作られています。これが冷蔵庫の根本コンセプトです。それに関しては、日本製だろうが、韓国製だろうが、中国製だろうが、基本クリアしています。

そしてレイアウトも6室(冷蔵室、チルド室、製氷室、急速冷凍室、野菜室、冷凍室)5扉(チルド室は冷蔵室内にあるため)と、まぁ、必要な温度はほぼ揃っているというか、むしろ必要以上に揃っています。

しかも、ここ数年で断熱材も進化し、外容量に対し内容量も増えました。

 

が、世間は、未だに野菜室が上なのか、下なのかを論じています。
何故でしょうか? ある統計データーによると、50%の人は野菜室上、50%の人は冷凍室上だとか。決着が付かないからこそ、大声で論じているのでしょうか?

違いますね。
冷蔵庫は、自分で使いやすいよう、カスタマイズして初めて真価を発揮するからです。
理想の冷蔵庫は、レイアウトフリーで、メーカーではなく、ユーザーが決めるべきモノなのです。

 

また、冷蔵庫をものを入れるときは、タッパーに入れたり、ラップをかけたり、ジッパー袋に入れたりします。整理整頓のためでもありますが、これが結構面倒臭い。
冷蔵室に取りあえず、突っ込んでおくと、水分を吸い取られ、干からびてしまいます。これは冷気が低湿だからです。

だからこそラップをかけるのですが、やはり面倒臭い。理想の冷蔵庫はノーラップであるべきというと言い過ぎでしょうか?

 

■十八番を捨てて、理想を目指したR-KX57K

メーカーと言うモノは、十八番(おはこ)を持っています。ポパイのほうれん草、アイドルの笑顔のようなものです。

日立の冷蔵庫の十八番というと、やはり「真空チルド」でしょう。チルド室を設けるのは、鮮度の維持のためです。鮮度の低下は温度が低い方が有利ですが、かと言って冷凍してしまっては解凍時に品質が落ちます。このため、チルドが鮮度を保つのに最も適した温度だと言われています。

ちなみに英語ではミートルーム(肉室)。ここに入れておけば肉の鮮度が保たれると言うわけです。

日立の真空チルドは、低温に加え、チルド室の空気を追い出します。モノを劣化させるのは「酸素」だからです。開けるとき、ガンダムのコックピットを開くような音がします。それだけ密着させているわけですが、個人的には好みで「グッジョブ!(Good Job)」です。

今回のR-KX57Kには、それが付いていません。

真空チルドがあったところは、特鮮氷温ルームという名前になっている。



十八番を作るには、並々ならぬ努力が必要です。
技術もそうですが、いろいろなところでアピールして、初めてユーザーも認知してくるようになります。

できれば、スゴく長く使いたいモノです。今回、それを外してきたわけですが、それは、より進化した冷蔵庫を作るためでした。

 

■「ぴったりセレクト」

今、「野菜室」「冷凍室」になっており、レイアウトでユーザーを悩ましているこの2つを、「冷蔵」「野菜」「冷凍」にできるのが、「ぴったりセレクト」。

「冷蔵(上段)、冷蔵(下段)」「冷蔵、野菜室」「冷蔵、冷凍」「野菜室、冷蔵」「野菜室、野菜室」「野菜室、冷凍」「冷凍。冷蔵」「冷凍、野菜室」「冷凍、冷凍」から選ぶことができます。

買ってから、トライ&エラーができますし、子供の「ミルク」「離乳食」「食べ盛り」で変えるのもありです。固定型の冷蔵庫だと、トライ&エラーは出来ませんから、野菜室が上の冷蔵庫を10年使ったんだけど、冷凍室が上の方がイイみたいと、冷蔵庫が壊れたとき買い替えます。しかし、実はそうではなかった!となると、次の買い換えまでストレスが溜まりませ。そんなことがなくなるわけです。

変えても違和感がないように。上、下で引き出しの作りは同じ。



 

■何故「ぴったりセレクト」を、日立は作ることができたのか?

「ぴったりセレクト」を作るのに必要な技術は、「温度制御」と「大口径フラップ」「大容量ファン」それに強力な冷却器です。どれもありそうな技術です。

冷蔵庫という家電を作るときに難しいのは、いかに庫内を広くするかです。外容量に対し内容量を確保するには、「大口径フラップ」「大容量ファン」の様な大型のモノが非常に採用しにくいのです。特に「ファン」は大型化させると、前後に空気溜まりを確保しなければなりません。日立はこれをファンの空気を横に流すようにしてに問題を解決したのですが、もう一つ日立に取って有利だったことがあります。それは、彼らが大型の冷蔵庫を得意としていたことです。

R-KX57K 断面



日立は大容量が好きです。洗濯機でも真っ先に12kgをメジャーに打ち出してきましたし、冷蔵庫でも500L以上のイイ機種が揃っています。口の悪い私は、進化しすぎた恐竜を見ているようだと言ったこともあります。

が、今回は、これがプラスになります。大型だと幅が十分使えるからです。今回、日立がフリーレイアウトの先陣を切ったわけですが、なるほどと思いました。

 

■「まるごとチルド」
次の強みは、冷蔵室をまるごとチルドルームにしたことです。つまり冷蔵室の温度は2℃。鮮度にすごーく強くなりました。そして、それを実現するのに湿度の高い「うるおい冷気」を持ってきました。

つまり、ノーラップで冷蔵室が使えるということです。とは言っても限度があります。開発堪能の方に、何日ノーラップで行けますかと問うと、「3日は!」という答え。これは便利です。

湿度コントロールしていない「氷温ルーム」だとハムは干からびてしまう。



湿度コントロールしていない冷蔵室でも、チーズが干からびる。



サラダ。一日での差。湿度コントロールしていないので、水気がなくパサパサ。



 

■「まるごとチルド」を作れた理由
先述の通り「まるごとチルド」を入れたため、それまで大事にしていた「真空チルド」はなくなりました。「まるごとチルド」は、技術的にも大変なのですが、一番大変なことは、今までと違う考え方をするということです。

その代わり、ノーラップを実現できたわけです。ノーラップはすごく楽ができる機能です。
多分、一度使うと元に戻れないでしょうね。

元「真空チルド」があった部分は「特鮮氷温ルーム」として再利用。
写真は、同時発表された、KXからIoTを除いたR-KW57K。



ちなみに真空チルドのあったところには、密閉度の良さを活かして、-1℃の「特鮮氷温ルーム」に。肉、魚の鮮度をより維持できる設定になっています。

 

■IoT付き!ですが、使いたいサービスは・・・
全世界的に今、一番期待されているのはIoTです。KX-57KもIoT化されています。
日立は今、家電のIoT化を積極推進していますが、まだ、これはと思う新しいサービス(機能)に出会っていません。

ドアの開けっ放しをスマホでお知らせするサービスも、外出先で冷蔵庫の温度を変更できるサービスも多分使わないでしょうね。ここはもう少し、錬ってからという感じです。システムが付いていれば、その後、如何様にも対応できるので、今回は触れません。

冷蔵庫の食材リスト。食材の写真(自分で撮影)と入れてから何日経つのかのリスト。
スマホ管理なので買い物時も使えるということだが・・・。



 

■大手メーカーが生き延びるためには、今からを引っ張るモデルを作るしかない
しかしCMは「嵐」、そしてちょっと前まで「エコにプラス」ということで、どちらかというと無難なコンセプトで製品を世に送り続けた日立がどうしたのでしょうか? 「嵐」が解散するからでしょうか?

嵐は兎も角、私は、家電市場が、2、3年前と、大きく変わりつつあることを感じています。

大手メーカーは、トップメーカーとして、新しい技術を開発、その技術を小分けにして、時間をかけ末端のラインナップまで行き渡らせ、ファンを作り、シェアを拡大するという作戦をとってきました。

しかし、今、台数が最も出るスタンダード品に、アイリスオーヤマなど国内新興勢力と、中国メーカーが進出を始めています。スタンダードの価格帯に、新技術を大々的に開発、入れ込むことはできません。したくても、開発費をよほど安く上げないといけません。つまり、スタンダード品は既成技術の勝負となります。

アイリスオーヤマなどは、元大手メーカーの技術者を設計陣に据えて新製品を作っていますが、既成技術を組み合わせるので問題ありません。これは中国メーカーも同じです。つまり、大手メーカーは、未来を、理想の家電を作り、もう一度差を広げるしかないのです。

文中で、今までの日立製品が恐竜のようだと書きましたが、R-KX57Kは、それに対して新生代の哺乳類のような感じです。明らかに、使い勝手が異なります。これに追いつくためには、低温での湿度を扱い方など、いろいろなノウハウが、デジタルではなくアナログ系のノウハウが必要です。

これは日本の大手メーカーだからこそなせる技なのです。

 

日立の「R-KX57K」は、これからの冷蔵庫の道標になる可能性を十分持った、魅力的な冷蔵庫です。
今後進むべき道を見事に示していることも含め、太鼓判認定とします。


 

商品のより詳しい情報は、日立のホームページにてご確認ください。
https://kadenfan.hitachi.co.jp

 




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2019年2月2日

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