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ツインバード 3ドア冷蔵庫『HR-E919PW』の出来


日本は白モノ家電企業が、すごく多くあります。
冷蔵庫で考えた時、パナソニック、東芝、三菱、日立、シャープと超一流顔の冷蔵庫が並びます。しかし、それでイイのでしょうか?
ツインバード 3ドア冷蔵庫『HR-E919PW』の細部を確認しながら、そう考えました。
■総合家電メーカーで負けられない家電
掃除機。白モノ家電で、日本メーカーは、分野別ではありますが、海外メーカーの後塵を拝しています。そう「ダイソン」と「iRobot」。この2つのメーカーは、すごく強い。
「技術立国」と世にうたわれた日本がですよ。この2つのメーカーの主力モデルに、日本の総合家電メーカーは及ばないのです。

理由は、すこぶる簡単です。
日本の家電メーカーの大手は、「総合」家電メーカーだからです。全部作っているからです。
儲からない、もしくは儲かりにくい分野を、儲けられる分野が支えているからです。
そう、掃除機は単価も安く、儲からない、もしくは儲かりにくい分野なのです。海外メーカーが攻めてきても、会社を挙げて、これを叩こうとはしません。

もし、掃除機の分野で勝っても、儲けられる分野で負けたら、赤字だからです。
この儲けられる家電が、「洗濯機」「冷蔵庫」「エアコン」「テレビ」なのです。
このため、この4分野維持には死力を尽くしますし、そこで負けるとグッと傾きます。

テレビのデジタル化競争に、日本の家電メーカーが狂い、それが、ほとんどのメーカーの経営が悪くなった理由です。本当なら「テレビ」というカテゴリーの中、セグメントがあります。セグメントというのは、「4K 液晶テレビ」「4K 有機ELテレビ」とかを指します。テレビ事業の問題点は、セグメントの開発に、カテゴリーの開発費をかけたこと。そして、その土台となる普通のテレビを、中国に奪取されたことです。

さて、それは置いといて、「冷蔵庫」です。
一台数万円の小さい冷蔵庫から、一台数十万円の大きな冷蔵庫まで、いろいろあります。当然、大企業が狙うのは、冷蔵庫のカテゴリーの中のホットスポット「500Lオーバー」です。
人数にして4人用以上。

共働き、毎日の買い物など出来ない。と、3人以下の家族でも、この500Lオーバーが欲しい人が多くいます。その人たちが「冷蔵庫」を支えているのです。

しかし、1、2人世帯が多くなっています。
500Lなどは持てあまします。スペースも取りますし、電気代もかかります。この目に付きにくい、潜在ニーズに迫るメーカーは2つ。三洋の冷蔵庫の技術者集団が頑張る「アクア(AQUA)」と、新潟の燕三条の雄「ツインバード工業」。

「あれっ」と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、ツインバードは「スターリング冷蔵庫」の量産技術をモノにした会社です。大手、総合家電メーカーとまでは行きませんが、その開発力は、世界が認めています。この特殊な冷蔵庫、「スターリング冷蔵庫」は、宇宙開発、医療と、すごく重宝がられています。

参考レポート
できなかった「量産化技術」をものにできた理由は?ツインバード スターリング冷蔵庫

 
■小型冷蔵庫ならツインバード しかし、大企業が冷蔵庫で頑張っているなら、ツインバードは頑張れないのではと思う人も多いと思います。

これは理由があります。24時間365日、稼働しっぱなしの冷蔵庫は、国の省エネ家電の対象家電です。エアコンと同じ様に「トップランナー基準方式」による省エネが求められます。これがキツい。冷蔵庫は大きくなればなるほど、基本的には電気を消費しますので、大手メーカーの開発パワーの半分以上、そこに費やされます。ここを取らなければ、明日のご飯が食べられない可能性が出てきますからね。

小型冷蔵庫は、当然縛りが緩いです。
ならばと、ここに注力したのが、アクアであり、ツインバードです。世界屈指の大企業、中国ハイアール傘下のアクアは、当然大型はターゲットに入れています。このため、中型〜大型を狙います。その点、ツインバードは自由な立場で狙えます。当然、今後ニーズ増が見込まれる小型に注力します。

ツインバードの2018年小型冷蔵庫のラインナップ
左)2ドア冷凍冷蔵庫:HR-E911W(2018モデル)、
中)2ドア冷凍冷蔵庫 ハーフ&ハーフ:HR-E915PW(2017モデル)、
左)3ドア冷凍冷蔵庫:HR-E919PW(2018モデル)


ここでの商品ポイントは「使い勝手」。実は、食材を保存するだけで、ドーンと箱のように見える冷蔵庫ですが、いやいやどうして、使う人に合わせて「カスタマイズ」ができないと使えない冷蔵庫となります。
ツインバードは、ここの辺りが非常に上手い会社です。

 
■3ドア冷蔵庫『HR-E919PW』
縦型3ドア。今は余り見かけませんが、昔あったレイアウトです。
昔あったというのは、今のようにレイアウトが確定していなかった時代です。

写真は、今年100周年記念のパナソニックの展示から。今、冷蔵庫内に設けられているパーシャル室が、独立した一つのボックスでありました。

1986年 パナソニック
4ドア パーシャル冷蔵庫


ツインバードは積極的な大型化の意志はありません。しかし昨年発売、好評の2ドア冷凍冷蔵庫 ハーフ&ハーフ:HR-E915PWですが、「2ドアだと小さい」との声を受け、1ドア増やします。同時に、「より自由度を持たせる」というアイディアを加味します。からでています。

こうして出来上がったのが、2018年モデル HR-E919PWです。

追加部分は切替室(50L)にしてあります。温度が、0℃(キンキン)、4℃(冷蔵)、6℃野菜)の3通りに使えます。つまり、0℃とチルドは正確には同じでありませんのでが、大まかにいうと、チルド室、冷蔵室、野菜室の3つから、貴方好みに選択できますということです。ちなみに、上段の冷蔵室は、2、4,6℃の温度設定が可能です。

また面白いことに、切替室、中央にありながら、引き出しなのです。この高さの引き出しは珍しいですが、腰をかがめずに済む、上から目線なので楽、など意外にメリットが大きいです。

実に使いやすい引き出しが真ん中に付いたモノです。

 
そしてこの冷蔵庫はまだ面白い。上段の冷蔵室。狭いながらも、1升瓶が入るのです。新潟は酒処でもありますし、日本酒の吟醸、大吟醸は、世界でもワインより人気がある食中酒になりつつあります。あるととても便利です。

面白い部分を青矢印で、引っ掛かるとろこを赤矢印で示す。


が、引っ掛かるところも。
一つは、上段の棚は2段。鍋、スイカなどを入れるなら、それでもイイのですが、3段が選べるとより良かったです。(棚プレートの別売はしていません。)
また、上段で棚の上に張り出したコンソール。毎日使うわけでもないし、野暮です。

あとは、冷凍室の一番下。コンプレッサーがあるので狭い。コンプレッサーの位置はもう少し、柔軟に考え、対処が欲しい所です。

冷凍室。引き出し型は
区分けしやすい。


しかし、全体的には上手い出来。
使えそうだなというのが、第一印象です。

ドアはガラストップ。今ドキ家電のルックスを持つ。


大手家電メーカーが余り力を入れていない、この分野。より力を入れてもらって、小型なら「ツインバード」で大丈夫となって欲しいモノです。

 
商品のより詳しい情報は、ツインバードのホームページにてご確認ください。
http://www.twinbird.jp

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2018年11月7日

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