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キャノンの新型ミラーレス『EOS R』は、今後30年の礎
ただ、まだ熟し切れていないか?!


「ミラーレス」が「一眼レフ」の出荷台数を抜いたということで、俄然注目を集めている「ミラレーレス一眼カメラ」。
私も今年の春に、各社の扱いやすいのミラーレスをセレクトし、暮らしニスタの「知らなきゃ損かも、今ドキ♥️家電!」に掲載しました。
2018年3月12日掲載
「ミラーレス一眼カメラ」の魅力とは?「スマホカメラ」からステップアップしたい人へ

 
今年は、カメラメーカー各社が、ミラーレス最高峰を発表。マニアだけでなく、少しでも写真に興味のある人なら、琴線に触れる話が、メディアにも流れています。

しかし、カメラの話しは初心者には分かりにくいです。ここは、生活家電.com流に、初心者向けに噛み砕いて話しをしてみたいと思います。

今回、キャノンが発表したミラーレス一眼のフラッグシップ「EOS R」は、キャノンの技術を結集、向こう30年の基準となるべきカメラシステムとして誕生。キャノンの言葉を借りていえば、完全電子マウントを採用した「EOS650」と「EFレンズ」が誕生した1987年以降で最もスゴい進化になるそうです。

 
■カメラの命は「レンズ」!
写真は、その時の空間の光情報を記録する技術です。空間の光情報というと大げさですが、人は可視光線しか見えませんから、眼で見た情報のことです。

言うなれば、カメラは『人の眼』に相当します。
ところが人の眼は実によくできています。暗い所などでは、勝手に眼が慣れて見えにくいモノでも見えて来ます。カメラの場合は、設定をフルに変えて合わせますが、人は意識することなしにできます。

またお月様を見入ると、かなり大きく見えます。しかし写真に撮ると小さかったりする。この様に人の眼の見え方は、いろいろあります。科学のお勉強だと、正確に見ることが以下に重要かですが、普通の生活だと違いますね。見たというより、感じた通り撮りたいモノです。このためお月様などはズームして撮るということになります。

このため高性能カメラは、いろいろなレンズを付け替え、心象風景にあった写真を撮れるようにします。これが一眼レフとかミラーレス一眼とか言われるカメラです。

このレンズ性能で、写真はすごく変わります。
では、どんなレンズがいいのかというと、大まかにいうと、光を一杯取り入れられる大口径であること。そして、暗くなく、収差がない(歪まない、滲まない)ことです。

同時発表された望遠レンズ(EFレンズ)のカットモデル。
カメラレンズは、複数のレンズを組み合わせて構成される。


大口径はいいですよね。大きな窓の方が光をより取り込むので明るいというわけです。次の「暗くなく」というのは、カメラレンズは収差を防ぐために複数枚のレンズを組み合わせてあるために、使う言葉です。

実は、完全に透明に見えるレンズでも、入った光が100%出ていくわけではありません。このため、組み合わせるレンズ枚数が多ければ多いほど、カメラレンズは暗くなって行きます。このため、レンズの性能を表す時、F値(レンズの絞り値)が使われます。この値が小さければ、小さいほど明るいです。

 
キャノンは今まで、EFシリーズというレンズを出してきましたが、これは1987年から。この時、カメラ各社一斉に、自動焦点レンズ(自動ピント合わせ)に切り替えたからです。

今回のレンズは、RFシリーズといいます。EFシリーズが一眼レフ用のレンズだったのに対し、RFシリーズは、ミラーレス一眼用のレンズです。

RFレンズの特長は、「高画質」「コンパクト」「ハイスペック」ですが、光るのは大口径です。内径:54mm。一目でスゴいことが分かります。

 
■デジカメのポテンシャルを最大に活かすミラーレス
もともとカメラは、液晶画面などありませんでした。フィルム時代は当たり前ですよね。その時は、ファインダーがその役割をします。一眼レフというのは、ファインダーで見た通りの画を撮影することができるカメラです。

具体的にいうと、レンズを通った光はレフ板(鏡)で方向を変え、ファンダーに届きます。で、シャッターを切ると、レフ板があがり、昔ならフィルム、今ならCCDへ、光を送ります。そして撮り終えたら、レフ板が元の位置に戻ります。カメラの「バシャ」っという音は、このレフ板が上がったり下がったりする音です。カメラが撮影している間、当たり前ですが、ファインダーは真っ暗になります。

一眼レフの欠点は、レフ板の機構を付けなければなりませんので、それだけ大きくなります。でも、ファインダーで見た通りの画が撮れるのは、大メリットで、世の標準カメラとなります。

 
ミラーレスは、このレフ板(ミラー)がなくなったカメラという意味です。ファインダーはCCDに写っている画を電子ファインダー、液晶画面で見ます。

一眼レフの欠点はミラーレスの長所で、ミラーレスは小型、軽量化が可能です。

では、ミラーレスはいいことばかりかというと、ちょっと違います。CCDを経て電子ファインダーに行くわけですから、スゴく短い時間ですが被写体の動きに対しタイムラグがあります。このため高速の被写体を捉えるなら、一眼レフ(光ですから、世界最高の速度です)と言われたこともありました。これに対抗するのが、最新、最速の電子技術です。

左)一眼レフ、右)ミラーレス(EOS R)、レンズは共通。


実際、キャノン EOS Rは、一眼レフと比べるとかなり薄いです。
発表会では、ショートバックフォーカス(レンズ最後端から撮像面までの距離が短い)と表現されていました。

 
■RFマウント
今や情報時代。ネットではビッグデータの受け渡しを、どのように確実に行うかが技術の見せ場の一つですが、高性能カメラも同じです。特に高性能カメラはレンズを正確に動かすため、いろいろな信号を高速に送らなければなりません。

これもEOS Rシステムに課せられた課題です。

この解答が、RFマウントと呼ばれる新型マウント。接点はなんと10です。当然カメラ本体内のデータ速度も、前述の通り強化してあります。

レンズマウントの下の光点が接点。


今までのレンズはアタッチメントを付けることで、使用可能。


■第一印象
画を撮り、PCで十二分に拡げて画質確認したり、プリンターで印刷して確認したわけではありませんが、会場に飾ってある著名なカメラマンの作品群で、プロからも支持される高画質であることが分かります。これは画作りにもよるのでしょうが、見た時の生々しさが伝わってきます。EOS Rのポテンシャルを予感させます。

スライドで見せられて、一番驚いた写真。
通常、暗すぎて撮れないのだが、EOS Rは
世界初 EV-6(低輝度対応AF)に対応し撮影可能。影絵の様でビックリ。


かなり順番待ちして、触らせてもらいました。
第一印象は、「えっ、ちょっと」でした。
「熟(こな)れていない。」のが正直な印象です。

プロ用機器に妥協はありません。ほんの少しであろうとも、より良いものをめざして作り込むため、何でも入れ込んでしまいます。このため、かなり重かったりします。中には、使わない機能もあります。

しかし、いいカメラ機材は、手に馴染みます。だからこそ、重くてもピシッと構えることができ、いい写真が撮れるのです。
今のEOS Rは、私の手には馴染みませんでした。

ただ今回は第一弾でもあり、これだけでEOS Rを決めるのは早計だとも感じています。特にレンズ種類が、今回の「倍」出てから、もう一度手に取って判断したいと思います。

キャノンは、EOS Rを手に取ってもらうため、全国14ヵ所でセッションを開く。
プロ用機剤。自分で判断して欲しい。


お口直しに美人の写真。


商品のより詳しい情報は、キャノンのホームページにてご確認ください。
https://canon.jp
 

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2018年9月14日

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