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ヨーロッパ流の新提案!エレクトロラックスの新型お掃除ロボット「PURE i 9」は何処が新しいのか?


エレクトロラックスはスウェーデンの白物家電メーカー。売り上げは世界第二位。
2 in 1のスティック型掃除機「エルゴラピード」で有名なメーカーです。掃除機が得意なメーカーなのですが、現在のラインナップにロボット掃除機はありません。しかし、2018年3月2日に、新型ロボット掃除機「PURE i 9(ピュア・アイ・ナイン)」を発売します。
■掃除機メーカーとして起業
創業は1910年(明治43年)。初めての製品が1912年に出した家庭用掃除機です。日本法人の社長さんによると「世界初」だそうです。当時、製品もユニークだったと思いますが、売り方もユニーク。世界初と言うことは前例がないですからね。訪問販売に月賦を入れ込んだそうです。

会社としても初めての製品であり、掃除機の経験はDNAに深く刻み込まれます。

その後、電子レンジ、食洗機なども、世界に先駆けて作り販売します。
アメリカだと「俺が世界を変えてやる!」と言うことですが、そこは歴史ある欧州メーカー。世界は中々変えられないことを熟知している土地柄。社是は「みなさんの生活をちょっと良くする」だそうで、革新と保守が同居したような会社です。

 
■2001年に、初代お掃除ロボット「トリロバイト」を発売
そんなエレクトロラックスは、2001年、世界初のロボット掃除機「トリロバイト」を発売します。

世界初のロボット掃除機『トリロバイト』


トリロバイトは三葉虫のこと。古生代に繁栄した節足動物です。そして古生代末期に絶滅します。このため示準化石その化石の含まれる地層が堆積した地質時代を示す標準化石。その時代しか生息していないことが重要。として扱われます。「ゴジラ」(1954年)の中で、ゴジラの足跡の中にトリロバイトを発見、ゴジラを「海底洞窟に隠れていたジュラ紀の恐竜が水爆実験で出てきたのでは?」と言いますが、誤りですね。ジュラ紀は中生代。古生代の次ですから。

この角度から見ると、まさにトリロバイト!


閑話休題。

ルンバが2002年ですから、それより1年早いのですが、これは売れませんでした。
今観ると、厚い、大きい。性能も不十分だったとのこと。で、このカテゴリーは、ルンバを中心に進化して行くわけです。

そして、17年後、エレクトロラックスは、この分野に、新型ロボット掃除機「PURE i 9(ピュア・アイ・ナイン)」で、再参入します。

再参入モデル、「PURE i 9」。
初代機導入から、17年の年月が流れている。


 
■再参入した2つの理由
「トリロバイト」は、名前の通りと言っては、PCもまだまだの時代。スマホもタブレットもない時代。当然そんなに頭がよくありません。今回の再参入に対して、2つの理由がで維持されました。

一つは自律性。ロボット掃除機が流行っているのは、全自動だからです。勝手に掃除をして、勝手に元の位置に戻ることが重要です。家事の時短は、「全」自動でないと、言う程時短になりません。全自動でないと、楽は楽なのですが、「ながら」が増えるだけで、考えなくてもいいと言うことにはなりませんからね。

 
もう一つは、掃除機の機能が優れていること。これも重要なポイントです。いない間に、掃除が終わっているはずなのに、ゴミがあって、また掃除機を取り出すようでは、泣くに泣けません。
ロボット掃除機の掃除機部は、普通の掃除機に比べると非常に小さい。これも重要なポイントです。

 
■「PURE i 9」の新提案
再参入の理由2つは、ロボット掃除機として当たり前の要素と言えます。iRobotの『ルンバ』、パナソニックの『ルーロ』でも、同じことを言います。これだけでは、ロボット掃除機としてはスタート地点に着いたということで、差別化ができていません。

では、どこが今までの違うのでしょうか?

一番違うのは、掃除している時に、家具などに「ゴッツン」と接触しないことです。

 
■人間の眼と同じ、「3Dビジョンテクノロジー」
今のロボット掃除機は、カメラを天井方向に向け自分の位置情報を、そして、前方向にはレーザー光、赤外線、超音波、レーザー光で障害物との距離を測ります。ただし、一点からレーザー光を出す場合は、距離が正確ではありません。人間が片目だと正確な距離感がつかめないようなものです。
このため、スピードを落とし軽く「コッつん」。また、像解析できませんので、どんなものであるのか解りません。ケーブルなどの場合は問題になることがあります。

やはり人間の目は便利なものです。

ならばと言うことで、作ったのが「3Dビジョンテクノロジー」。レーザーを2つ、そしてカメラを前に付けました。2つのレーザーが正確な距離を、カメラが大きさ、形状を見て取ります。位置は、斜め上、人でいうと上目遣いのような感じで見える天井映像で位置を測ります。

3Dビジョンテクノロジーは、デジカメと2つのレーザーからなる。
尚、このモデルはブラシを外した状態。


今までと大きく違うのは、ここ。ぶつからない。また、どんなモノかを判断して対応できる。
このため、今まで、床のモノを片付けて、ロボット掃除機を使って来た人も多いと思いますが、そんなことしなくれもイイということになります。



 
■サイズとデザインは魅力
今のロボット掃除機の標準は、iRobotのルンバ。トップモデル980のサイズは、直径 353mm × 高さ 92mmです。高さは、ルンバ対応と言うことで、脚付き家具の多くはこのサイズです。径は353mmは大きく、以前開発者に「日本人は小さいのが好きなのだが、小さくしないのか?」と聞いたところ、「まだまだ改良しなければならない。それが済まないうちに、ダウンサイジングすると、開発速度が落ちる。」との回答でした。

iRobotがダウンサイジングするのは今からですが、エレクトロラックスの「PURE i 9」は、ダウンサイジングしたボディを導入してきました。幅 325mm × 奥行 280mm × 高さ 85mm。

デザインは、凝縮され品質感溢れる北欧デザイン。
20.5cmの巨大なロールブラシを入れても魅力的です。

左)PURE i 9、右)トリロバイト。 実際に見ると写真以上の差がある。


■残念なデーター非公開
余り追求されませんが、掃除機の害というのがあります。
ロボット掃除機は、閉め切った部屋で使われます。閉め切った部屋で掃除機を使う時は、排気が排気口以外から漏れないこと、フィルターで細かいゴミまで濾せることが重要です。
昔、サイクロンシステムなら、フィルターは要らないと言われたこともありますが、それは完全な理想状態。ダイソンも排気フィルターを付けています。このフィルター、今ならHEPAフィルターが当たり前です。そうでないと、排気で眼に見えない細かいゴミをまき散らしてしまう可能性があります。

今回、掃除機としての出来がイイというので、排気フィルターのスペックに付いて質問してみました。答えは、「現時点では非公開。」ということです。
いろいろな理由があるとは思いますが、ここは一つ情報公開して欲しいと思います。

呆れるほど大きいダストホルダーと排気フィルター。
ダストホルダーは700mlもあり、これも魅力の一つ。


 
■ノビシロあり
今時の家電らしく、スマホで操作、予約などすることができます。
ポイントは、本体とスマホの間は、BluetoothではなくWi-Fiでつながっていることです。この形だと、スマホの代わりにAIスピーカーを買い替えずに、導入することができます。
まだ、メーカーとしては、分からないと言うことですが、きっと半〜1年後に対応してくると思います。

現在はスマホでコントロール。
近い将来、AIスピーカーも対応すると
予想される。


社是の「ちょっとイイ生活」より、「かなりイイ生活」ができそうなロボット掃除機と言えます。

 
商品のより詳しい情報は、エレクトロラックスのホームページにてご確認ください。
http://www.electrolux.co.jp
 
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2018年1月19日

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