思うこと

CEATEC 2017  目玉の「SOCIETY 5.0」は実感できるのか?


従来の「最先端IT・エレクトロニクス総合展」から、「CPS/IoT Exhibition」へ生まれ変わったCEATEC JAPAN。
今年のお題は、「SOCIETY 5.0」だそうです。
人類が狩猟で生活していた時代に、潅漑技術を発明し、「農耕の時代」へ。蒸気機関を発明し、「工業の時代」へ。そしてコンピューターを発明し「情報の時代」へ。この情報の時代が「今」です。
そしてデジタルテクノロジーを融合し「SOCIETY 5.0」へ行くのだそうです。
「狩猟」「農耕」「工業」「情報」と社会は4度変わり、今度は「第5の社会」と言うわけだそうです。

 
このデジタルテクノロジーの融合が、「CPS/IoT」だそうです。
CPSというのは「cyber physical system(サイバー フィジカル システム)」ですから、インターネットが形成する仮想世界(日本では「電脳世界」と言った方が通りがイイかも知れません)と、現実の世界がつながったシステムを意味します。
健康、医療、交通、産業、環境などで使われるいろいろなモノに内蔵されたセンサーがもたらす情報を含む、いろいろな情報を仮想空間のクラウドに集め、ビッグデーター処理などを施し、また個々に還元していくこと、またはそれに類することです。

IoTは、Internet of Things、インターネットにつながった全てのモノを意味します。

この2つがもたらすのが、「SOCIETY 5.0」と言うことになります。

今回の目玉IoTタウン。メイン通路が「斜め」という特異なレイアウト。


その展示会が、CEATEC 2017。主催者の弁を借りると、「中でもIoTタウンは目玉」だそうで、これを語らずにCEATECを語れないそうです。

 
■「パネル」と「ディスプレイ」と「説明員」
どんな社会を見せてくれるのだろうか?
そんな思いで、IoTタウンを見て回りました。

結果は、惨々たるものでした。
何がどう変わるのかが、とても分かり難いのです。

インターネットで様々な情報が得られる今日、わざわざ幕張メッセまで足を運んで、自分の眼で確かめに来るのは何故か?
普段、見ることの出来ない、そこだけの情報(モノ)があるからでしょう。

ところが、多くのブースは「パネル」と「ディスプレイ」で構成されていました。
パネルは短く、的確な文で書かれていますし、ディスプレイが映し出す動画は、手短に内容を伝えます。
それに加え、説明員はそれをなぞるように説明してくれます。

 
だけど何がどう変わって、スゴいのかが分かりません。
一つは、個別だとやはり小さい。確かに、「化ける(モノになる)」と思える場合もあるのですが、影響としては想定しているより小さいのではと思えるモノが多いです。「SOCIETY5.0」が世を変える様に思えないのです。

あと一つは、非常に分かり難い。
正直、ガッカリしました。

その理由に心当たりがあります。
メーカーなのに、モノで見せようとしてないからです。
学会などでしたら、パネル展示、あります。しかし、展示会の展示としてはお粗末です。
パネルにせよ、ビデオにせよ、ネットで用が足ります。

海外の展示は、基本パネルを使いません。
ガンガン、デモをします。
俺が、興奮の新しい世界を見せてやるんだ、と言わんばかりに、熱く語ります。

正直、説明員にパネルを読み上げられても困ります。
ビデオと同じ説明ならなおさらです。
少なくとも、そこで語り尽くせなかったことが聞きたいのです。
そうでなければ、展示会に行く価値は余りありません。

CEATEC 2017で配布されている「SOCIETY 5.0」のパンフレット。
とても充実しています。


いいブースもありました。
しかし、全体から言うとフアです。
これで、「SOCIETY 5.0」を実感してくれというのは、正直厳しいです。

 
■大企業のプレゼンノウハウ
一方、海外での活躍が目立つメーカーは、やはりモノで見せるのが上手いです。

パナソニック、シャープ、エプソン、ロームなどです。
(参考:新製品 『CEATEC 2017 「8K」と「AIoT」で攻勢に出るシャープ』)

パナソニックを例に取りましょう。
単純に言うと、ボール型のロボット。ネットとつながって子どもの相手をしてくれます。
面白いのは、その動き。



当然、クラウドに接続していろいろな会話もできます。

面白かったのは、子どもが玩具をばらまいて片付けないとき。
このロボットはジャンプなどできませんから、身動きが取れなくなります。
その時、子どもに「お兄ちゃん、動けないよー。助けてよー。」とアピールするそうです。

子どもは、動けるようにするため、友達を助けるために、「片付けを学ぶ」・・・・。

 
これ、パネルで分かりますか?
ビデオだとある程度分かりますですが、やはり、ボール型ロボットが動き、話して、初めてリアルに感じられます。
グッドです。

少なくとも、1時間位、子どもが友達と思ってくれるようなロボットが出てくる可能性があるんだなぁ。
これだと、その間に家事ができるかも知れない。
なるほど、時間がより有効に使える社会になる可能があるんだと納得できます。

ガンダムのハロ。シャーについていろいろ語りますと言われても・・・。


バンダイも同じボールタイプで有名な「ハロ」(「機動戦士ガンダム」に出てくるアムロが作ったボール型ロボット)もいましたが、こちらはガンダムで色づけされまくっていましたので、どうしても、ちょっとと思ってしまいます。
それも、モノを見るからこそ、リアルに感じるというわけです。

 
展示会ですから、モノを見せて、リアルに感じてもらわなければならない。
主催者も、本当にIoTタウンを楽しんでもらうなら、中央で10社位の技術をまとめて、完全新しいことを、誰も見たことのないようなことをさせる。それを取り囲む、ミニブースで、それぞれの技術ポイントを説明する。同時に、今、彼等が考えていることをアピールするとか、「見せて、魅せる」展示のコツを、共有化すべきです。

このままだと「SOCIETY 5.0」は、余り現実を変えるものではないと思う人も出てくる様、思います。

 
ちなみに、冒頭「SOCIETY 5.0」のことを書きました。
他の時代は全て、「発明」という世界を変えるモノに対し、「SOCIETY 5.0」だけ、デジタルテクノロジーを融合です。
多分、このCEATECにせよ、国の施策にせよ、非常にイメージが湧かないのは、どこか認識が違っているのではないかと思います。

「コンピューターの発明」はスゴいものでしたが、それを真に変えたのは「コンピューターとOS(あるいはHuman Interface)の発明」だと思います。誰でも使えるようになりましたので。
それと同じで、今回も、デジタルテクノロジーを融合という概念が変えるのではなく、誰でも「Connetできる技術」「勝手に自動対応してくれるプログラム」だと思います。

社会が変わるのは、それを「人」が必要とするからでありますが、それは「この技術でなければならない」と言うモノではありません。
展示会で、まず見せるべきは、まず人の世はどの様になって行くのかだと思います。
付け加えますと、技術は、「××がしたい」という欲求から出てきます。単に技術が単独で存在するわけではありません。

そう言う意味では、「SOCIETY 5.0」いうのも名無しの権兵衛。
技術はあるけど、方向が決まっていない。
今の日本の様にも思えます。

 
#CEATEC #2017 #SOCIETY5.0

2017年10月4日

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