思うこと

パナソニックの粘り強い活動を考える
〜日本メーカーのあり方〜


Tカードのカルチュア・コンビニエンス・クラブから葉書が来てびっくりしました。
パナソニック製の液晶プロジェクター電源コードの交換・回収のお知らせだったからです。
しかも最も古いモノは2002年、新しいモノで2005年の製品でした。

パナソニック 葉書_1-01
■製造物責任法

昔からの言い方ではないですが、「形あるモノは、必ず壊れます。」
諸行無常と言えば、その通り。
特にデジタル時代の今、回路接点が切断されたりすると、「ボードごと取り替えてください、」など言われ、金額を聞いてみると、「新しいモノが買えるのでは?」という程の金額を提示されることもあります。

アナログ時代の製品は、修理を前提に作ってあるものが多く、それこそ街の電気屋さんが修理していました。
メーカー修理などは、街の電気屋さんで手に負えない場合でした。

まぁ、器械に詳しくても、ボード(エレクトロニクス)の修理ができなかったり、エレクトロニクスに詳しくても機械の修理ができなかったりで、双方が必要な今、ほとんどの場合はメーカーが修理をします。

 

しかし、修理するにはパーツが必要。
このパーツに関しては、法律で「何年は持たせなさい。」ということはありません。
家電製品の修理に関する消費者保護は経済産業省が示すガイドラインに基づいて業界が自主規制を設けています。
そして、メーカ毎が社内基準を設けてる形です。
多くの場合、製造打ち切り後7~8年が一般的といえます。

この場合、買って9年目に壊れたとしたら、それが製造の最終であった場合、部品がない可能性があります。
その時には伝家の宝刀「買い替えてください!」との声が掛かるわけです。
メーカーも長く使われる白物家電、または高級オーディオ機器の様に、長く使われる製品は、パーツを長い間取るようにしています。

 

笑い話ですが、HDDレコーダーの初期。
倍々で容量が伸びていた時代です。
100GBは大容量と自慢した次の年。HDDのメインは200GB。100GBなどは生産されません。
HDDが、5年で壊れたとしたら、その時のHDDのメインは1TB。100GBのHDDをどうするのだろうか?と不思議に思ったことがあります。
私は、必要なデーターはさっさとディスクに落とす人の上、トラブルの経験がないので、どう対応されていたのかは知りません。
いろいろなことをするのでしょうね。

 

さて、閑話休題。

これとは、別に、製造物責任法と言う法律があります。
第一条に、『この法律は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。』とあり、製品が壊れたこと以外の被害、漏電して火事になったとか、火傷を負ったなど被害が出たとき、の保証がメーカーに義務付けられているわけです。

免責事項が幾つかありますが、今回は飛ばします。

パナソニック 葉書_1-02
■発火の危険性あり

パナソニックのホームページを開いてみると、この件は、2012年10月17日に、告知されています。
文面は、以下の通り。
『日頃は弊社製品をご愛用いただき、誠にありがとうございます。
松下電器産業株式会社(現パナソニック)、および三洋電機株式会社が製造した「液晶プロジェクター」の一部の製品におきまして、電源コードのコネクタ内部の絶縁劣化により、発煙・発火に至る可能性があることが判明いたしました。
対象となる2002年から2005年までの期間に製造した下記の5機種につきまして、事故防止のために無料で代替の電源コードと交換および当該電源コードの回収をさせていただきます。誠に恐縮ではございますが、製品の品番をご確認のうえ、対象品番の場合は、電源プラグをコンセントから抜いて、ご使用を中止していただき、下記のフリーダイヤルあるいはご購入店までご連絡をお願いいたします。』

発火とありますので、上記の製造物が適用されます。
一度、事が起こると大変なわけです。

メーカーは必死に探すわけですが、これが中々見つからない。

私が知る限りでは、パナソニックの捜査はスゴいです。
パナソニックの友だちと飲んでいるときに、リコールの話がでました。
その時は、暖房器具系の話です。
季節は冬です。
「そうそう、この間、東北に探しに行ったけど、東北寒いね。本当に大変だった!」
そりゃそうでしょう。
雪が積もることも少ない大阪から、社員が東北まで行って、探し歩くと言うわけです。
「メーカーの義務やさかい。ぼくらのせいで家燃えたら困るやろ。」

頭が下がりました。
寒空に火事は確かに困りますが、それでもなかなかこうは言えません。
順番に、全社員でそれに当たるというのですから。

この時も、リコール発表後直ぐではなかったと記憶しています。

なんともスゴい話です。

パナソニック 葉書_2-01
■全数把握まで続ける

リコール終了は、全ての出荷先が分かると対応ができますので、そこで終了となります。
しかしクルマの様に、全販売記録が残っているなら兎も角、家電の場合は大変です。

当てにするのは、
1)ユーザー登録
2)ポイントカードなどで、ユーザーと販売が結びつけられるもの
が主です。

ところが、ポイントカードを採用している店でも、ポイントカードを作らない顧客もいますし、中古市場での売買もあります。

 

このため、今回の様なことになったのだと思います。

液晶モニターで多く見るのは、「映画」。
だったら、TSUTAYAでDVDレンタルしてる可能性が高い。
ということで、Tカードのカルチュア・コンビニエンス・クラブに協力してもらったというわけです。

そのため、当時の人気作品が横に書かれています。

2002年 ハリーポッターと賢者の石
A.I.
スパイダーマン
2003年 マトリックス リローデッド
バイオハザード
ハリーポッターと秘密の部屋
2004年 ラストサムライ
パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還
2005年 アイ・ロボット
オーシャンズ12
バイオハザード2 アポカリプス
ちょっと懐かしくもあります。

 

■メーカーの矜持

メーカーは自分でモノを作り、それをお客様に販売し利益を上げています。
その根底には、お客様に喜んでもらうという思いが、脈々と流れています。
製品は、我が子と言ってもイイです。

その子がトラブルの原因になる・・・。
それは助けに行きますよね。

喜んで使ってもらえるはずのモノが、お客様をどん底に陥れるなんて許せないですからね。

 

しかし、これが続くと、間違いなく会社は傾きます。
特に、売価が高くないモノを回収するとなると、利益が出なくなります。

考えて見てください。
大阪ー仙台間の交通費と宿泊費、そして人件費。
一人で数台分の利益を消化するでしょうね。

これをしないためには、きちんとした設計、製造、品質管理が重要。
急がば回れのように聞こえますが、メーカーの基本でもあります。

 

これだけで、素晴らしい企業だとは言えませんが、少なくとも、その気概を持っていることは分かります。

パナソニック 葉書_2-02
一枚の葉書から、いろいろな所が透けて見えます。

一日も早く、上手く終結しますように!!

 

より詳しい情報は、パナソニックのホームページにてご確認ください。
http://av.jpn.support.panasonic.com/support/info/ZA.html

2016年12月23日

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