新製品

アルプス電気、「触感」再現!
CEATEC2016 02


今回のCEATEC。
目玉の新製品は余りないものの、面白い技術が目白押し。その中で、私の心を捉えて放さないのが、アルプス電気が展示していた触感再現システム。
伸びしろたっぷりな、このシステム、早く実用化して欲しいモノです。

■臭覚、味覚、そして触覚

人間の五感。「視覚」「聴覚」「臭覚」「味覚」「触覚」ですね。
が、「視覚」「聴覚」と「臭覚」「味覚」「触覚」には大きな差があります。
というのは、「視覚」「聴覚」は、現時点、記録も再現も、自在とは行きませんが、かなりできます。
また、表現に限度はありますが、自分で作り出すこともできます。

ところが、「臭覚」「味覚」「触覚」は再現が非常に難しい。
体験的には、オリジナル一点モノのような感じでフォローできるのですが、どこでも再現は難しい。
つまり、現在は記録が非常に難しい感覚なのです。

これは、この3つがデジタル化されていないことを意味します。
また、デジタルデーター化しても、どう再現するのかが問題になります。
しかし、再現できるようになると世界はかなり変わりますね。

ミシュランのガイドブックがあれば、何十というレストランを抱えているのと同じですし、お酒も全部ノンアルコールで味比べができます・・・。

ま、それは置いておくとして、今回はアルプス電気がCEATECで展示した触感再現機「ハプティック」シリーズ。
これには感心してしまいました。

 

■触覚の要素

今回、アルプス電気が再現に用いたのは「温度」「圧力」「振動」の複合再現。
この三要素が重要なのは、触覚研究の第一人者、東大名誉教授 舘暲(たち すすむ)氏の研究から導いたという。

舘氏は、「テレイグジスタンス」(Telexistance/遠隔臨場感)の第一人者。
「テレイグジスタンス」とは、例えば、ロボットを操作してモノを持った時、その触覚データーが操縦者に伝わると言うもの。

昔はよく、ロボットに卵を持たせた時、力の入れ具合が正確でなく割ってしまうことが散見されましたが、「テレイグジスタンス」が実用化されると、全く話が違いますね。卵だろうが、豆腐だろうが、人間の手が行う微妙なサポートが全部出来るわけです。

その時の要素は、「圧覚・低周波振動覚・高周波振動覚・皮膚伸び覚・冷覚・温覚・痛覚」という7種類の感覚。
もう少しまとめると「圧覚、振動覚、皮膚伸び覚・温度覚・痛覚」の5つにまとめられます。
この5つから、「皮膚伸び覚」「痛覚」を取った残り三要素、それを再現すると言うわけです。

 

■驚きの体験

DSCF7771体験の一つ目は、「ハプティック トリガープラス」。
冷水をコップに入れる感触です。

夏、冷水に触れると、ちょっと鋭利な感じの冷たさを感じますよね。
そんな感じの液体が、蛇口からずっと流れ込む感じ。
初めての時、「ひょう。」っと声を出してしまいました。それだけリアルでした。

DSCF7772

左)触感のイメージ。
右)摘まむところは決まっている(赤矢印部)。ここにいろいろなモノが埋め込んである。



 

体験の二つ目は、「ハプティック パッド」。
デニムとタイルの目地の部分の触感再現です。
実は、こちらは、「ハプティック トリガープラス」ほどの感動はありませんでした。
デニムはそれなりだったのですが、タイルはイマイチでした。

聴いてみると「振動」で再現しているとの事。
やはり要素が足らないのかも知れませんね。

DSCF7777
 

■データー(経験)が足らない!

今回、感動すら覚えたのですが、まだまだどこでも使えると言うモノではありません。

専門家ではないのですが、まず、データー数が足らないことが感じられます。
世の中にモノは、数え切れないほどあります。
もし再現を確実にするとしたら、その膨大なデーターを取り、チェックする必要があります。

多分、そんな中、データー的な特長ができ、より典型的な触覚再現ができるのではと思います。

 

聴いてみると、やはりデーターというか、まだ経験が不十分。
今からのシステムとなりますが、これができたらスゴい。
味覚、嗅覚以外の、再現ができるわけです。

いろいろな用途が考えられます。
私なら、さっさとハリウッドに売り込みに行きますね。
きっと開発費も払ってくれるでしょうから。

VR(ヴァーチャル・リアリティ)も、飛躍的に伸びる可能性がある。
2Kテレビが出来た後、テレビは4K、8Kを目指しています。
マイルストーンは、そうでしょうね。
しかし、それではモノは売れません。
理由は、新しくないからです。少なくとも、今まで出来なかったことが出来るようになったわけではありません。

しかし、これは違います。
今までにない事ができると言うわけです。
非常に興味があります。

なかなか、凄い体験です。
是非、体験することをお勧めします。

2016年10月7日

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