豆知識

エアコンの節電のコツ
設定温度を下げる前にすること


最近のエアコンは、実によくできています。
よく効く上に電気代も掛かりません。
ところが、使い方を誤るとあっと言う間に、電気代が加算されます。
エアコンの節電のコツをレポートします。
■家のあり方を変えたエアコン
世の中を変えた家電は多々ありますが、エアコンほど夏のあり方を変えた家電はありません。

日本建築

昔の田舎屋。夏は室内に
陽がささないのが基本。


古い田舎屋に行くとよくわかりますが、実に巧みに涼を取り込む様にできています。

分厚い屋根、長いひさし、回り廊下もしくは大きな縁側。これらは太陽熱を遮断し、家の中、室内が常に日陰であるようにしています。

ふすまを全て開けると家の端から端まで一部屋になりますので、隅から隅まで風が通ります。
また、床下にも風が入るように設計されています。

徹底して自然との共存を図っているわけです。

 
ところが、今は違いますね。
分厚い断熱材。二重サッシ。自然を拒絶するような家です。
このような省エネ住宅になったのは、クーラーが登場して以降です。

 
■エアコンなしで、今の繁栄なし
新世紀エヴァンゲリオン TVシリーズの第二話で、葛城ミサトが「クーラーは人類の至宝。まさに科学の勝利ね。」というシーンがあります。

クーラーに接した人は、全員そう思ったでしょうね。

私も家にクーラーが来た時、床置きのビーバーエアコンでしたが、風呂上がり妹と「涼しいね」と言いながら、喜んだのを覚えています。

それまで夏はだらける時期でしたが、ガッツリ仕事(学生時代ですので、勉強顔仕事です)ができるようなりました。
日本の夏、真っ当に仕事するには、日の出から初めて、午前10時位まで(都合5時間位)に終わらせるのがベストです。
その後、昼はだらけて(昼寝をする)、夜残りをという感じでしょうか。

スペインなどは、シェスタ(昼寝)時間を設けると言いますが、自然ときちんと向き合うとそうなります。

ところが、エアコンがあると、違いますね。
365日、快適に働けるようになるわけです。

今の、人類の繁栄はエアコンが作り出したと、言っても過言ではないと思います。

 
■エアコン、省エネへの道
1950年代のアメ車を見ていただければ分かりますが、恐竜みたいです。
燃費も1〜2km/Lで、今では考えられない位、ガソリンを喰います。
でもこの時代は、これが許されていました。

それがNGとなったのは、オイルショックからです。

オイルショックで物価が高騰。
トイレットペーパーさえなくなったのは、未だに時々テレビでながされるくらいです。

このとき、「ノストラダムスの大予言」も流行したうえ、公害で環境も劣悪な時代でしたから、小学生の私はずいぶんショックでした。

このころからです。
エアコンへの省エネ要望が、特に強くなったのは。
以降、エアコンへの要求項目に「省エネ」が付いて回ります。

 
■エアコンのポテンシャル
となると、エアコンは約40年間ひたすら、省エネを追いかけ続けたわけです。
今のエアコンは、金太郎飴ではありませんが、どこを切っても「省エネ」の工夫が満載です。

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ネットで取り上げられた
シャープのDCハイブリッドエアコン。
中身は今までと同じだが、
DC / AC双方の電源に対応した。


例えば、現在省エネの看板のように言われるDC扇風機ですが、エアコンもモーターはDCモーターです。
しかもエアコンの送風モードは、DC扇風機より省エネで電気代を喰いません。

40年間の技術の蓄積は、すごいのです!

 
■エアコンが電気を消費する時
DSCF6612

ダイキンのうるさら7の断面図。
熱交換器の効率向上がポイント。


エアコンがエネルギーを消費するのは、温度を設定温度まで上げたり、下げたりする時です。
外気に近い温度であれば、あるほど電気は節約されます。

また、設定温度になるまで、エアコンはフルパワーで動きますので、電気を喰いますが、一端なってしまえは、その温度を持続するだけですの、電気代は安くなります。

つまり、高い設定温度で、涼しく感じられる様にするのが安上がりなのです。

 
■体感温度の下げ方
では、どうしたらイイのか?

部屋の実温ではなく、人が感じる温度を下げてやるわけです。
人が感じる温度は体感温度と言います。

例えば、暑い部屋でも扇風機を回すと、多少涼しく感じるのはどうしてでしょうか?
扇風機は熱交換器を持っていませんので、部屋の温度以下の風を送ることはできないのですが・・・。

これは、風によって皮膚の汗の蒸発を助ける。
つまり気化熱により体の表面の温度を下げているのです。

例えば、28℃の室内では、0.5m/secの風で、4℃近くも体感温度が下がります。

これを利用するのです。

 
暑いと感じたら、設定温度を下げるのではなく,風量をアップさせるのです。
そうすると、体感温度が下がり、涼しくなる。

エアコンに対し、風量アップがもたらす電気代は、ほとんどないですからね。
これがポイントです。

2014年08月26日18時29分32秒.pdf023

風を操るには、メニューから。セレクトは多彩。
三菱エアコン「霧ヶ峰」の発表会資料より


今回のコツをまとめてますと、
「エアコンの 温度下げずに 風上げよ」。
です!

 
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